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BLの丘
色男の憂鬱 4 (策略SS)
2009-09-02-Wed  CATEGORY: 策略はどこまでも
書ききれなかったので(最近スランプ…)半分だけ…。
次は新しいページで書きます


状況はこの上なくヤバかった。
以前、研修で出かけた際に泊まったホテルの部屋がどんなものだったのか、二人の部長は知っている。
言い訳は散々したし、何もなかったと訴えたところで、非常にまずい状態が一瞬でもあったことは否定のしようがない。
もちろんそれを口外などできるはずもなかったのだが、今現在あの時の状況をうまく誤魔化すことができなかった俺に痛い視線が幾つも降り注いだ。
美人さんから問われる内容を耳にすれば、この人は高柳さんが研修先で誰かと一緒に一晩を過ごしたことを知っているのだろう。
問いかけられる言葉は優しそうだったが、その口調は穏やかとはとても言い難かった。

「やっぱりおまえら、なんかあったんだろぅ」
美人さんの質問の答えを倉林部長が出したようなものだ。研修に一緒に出かけたのは自分だったと暗に伝えている。
デリカシーもへったくれもない倉林部長がとどめをさせば、真っ赤になる俺と青ざめる高柳さんの姿があって…。
状況を読んだ黒川部長が倉林部長の脇腹を叩いていたが無駄な努力で、その日に何かあったのだと雰囲気で知らせることになってしまった。
「何もないですって…!!何回言ったら…っ」
「何もないけど疑われるようなことをしたんだよね」
高柳さんが言い訳をしようとするのを、さりげなく美人さんは遮った。

ふつふつと怒りが沸いているのが明らかに分かる態度だったが、言葉にその激しさは見受けられない。それが尚更心の苛立ちを表しているようだった。
「君が一緒の部屋にいたんでしょ」
美人さんの言う『一緒の部屋』という言葉にあまりにも深い意味がありすぎて、素直に頷くことなどできなかった。
責める口調ではなくてあくまでも確認するといった感じで、正面から問われれば完全に固まった俺が全ての答えだった。

「那智、あの時は…」
「『間違えた』んだろ?」
美人さんは、ぴしゃりとまるで全ての事を見通したかのように言い放った。

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