さすが『医者』だなと磯部雅彦は思う。
『癒し』を知っている。
栗本佳史が選んだ温泉は素晴らしかった。
誘われてドライブだと言って車を走らせ、集合時間に遅刻したけれど、誰も何も言ってこない。
好きに過ごす人たちは磯部にとっても付き合いやすい。
酔っては口を開く人の話に引き込まれ。
誠がいつぞや、好きだった人に派手に振られた話はきいたことがあったが、振る奴が信じられなく、また振られて良かったと思うのは、この年にして出会えたことがあるからだろうか。
「誰だっけ?先輩?誠が言い寄ったのって…」
譲原が呟くことを栗本が制する。
…黙らないでほしい。聞きたいのは、その先なんだけれど…。
営業の話術で、さりげなく、促してしまう。
譲原は簡単に乗ってくる。
「誠、積極すぎるところがあるから、嫌煙されたみたいだよ?」
「望。恋人の前でバラすものじゃないって」
「積極って?! マサだってそこに乗っかってきたのにっ」
「あー。やっぱり誠から食い付いたんだ」
自分たちの恋愛話を聞いても面白くないだろうが、譲原が興味深げに尋ねてくればつい、答えてしまう。
これも酔いのうちだ。
「いえ。そこがいいんでしょう。ここまで果敢に来てくれる人はいませんでしたからね」
磯部としては、本当に嬉しい出来事だった。
中條が寄ってきてくれなかったら、叶わなかった恋物語。
自分の不得手も実感させられるけれど。
露天風呂付きの客室に戻って、改めて誠の体を抱いた。
過去を知る人を羨ましいと思うのか、憎たらしいのか。
「しつこいって思わない?」
そう、誠が聞いたから、「ありえない」と言う。
いつだって敵わない魅力を発揮してくれる人で、刺激的だった。
生きてきた人生、こんな人はいなかったから、余計に好きになる。
本当は聞きたくないけれど、知りたい過去はあった。
「なぁ…。好きだった人って、どんなヤツだったの?」
湯船の中で、体を撫でながら問うたら、首を振られた。
やっぱり、答えたくないんだ…。
自分と比べるのも嫌だけれど、誠が惚れる人は、かっこいいヤツでいてほしいな…。
しばらく黙っていたあと、「マサに逢えてよかった…」と呟かれて、理性が吹っ飛ぶ。
露天風呂は外だ。だから声が響く。
だけど我慢できなくて。
年甲斐もなく、突っ走ってしまう。
「あ…っ、マサ…」
「声、上げるなよ…」
無茶なことを言いながら、くちづけで唇を塞いだ。
たぶん、誰もが聞いているのだろう。
そして、届く声があるのかも。
同年代の誰より、幼い自分たちかも、とふと脳裏を過っていった。
欲望に勝てない…。
滾る熱は温泉よりも熱くて翻弄してくれる。
「好きだ…」
そういうのが精一杯なほど、呼気が乱れた。
にほんブログ村
そうだね。雅彦さん、一つ年上なんだよね。まぁ、一つや二つ、違ってもどうってことない年だよね。
『癒し』を知っている。
栗本佳史が選んだ温泉は素晴らしかった。
誘われてドライブだと言って車を走らせ、集合時間に遅刻したけれど、誰も何も言ってこない。
好きに過ごす人たちは磯部にとっても付き合いやすい。
酔っては口を開く人の話に引き込まれ。
誠がいつぞや、好きだった人に派手に振られた話はきいたことがあったが、振る奴が信じられなく、また振られて良かったと思うのは、この年にして出会えたことがあるからだろうか。
「誰だっけ?先輩?誠が言い寄ったのって…」
譲原が呟くことを栗本が制する。
…黙らないでほしい。聞きたいのは、その先なんだけれど…。
営業の話術で、さりげなく、促してしまう。
譲原は簡単に乗ってくる。
「誠、積極すぎるところがあるから、嫌煙されたみたいだよ?」
「望。恋人の前でバラすものじゃないって」
「積極って?! マサだってそこに乗っかってきたのにっ」
「あー。やっぱり誠から食い付いたんだ」
自分たちの恋愛話を聞いても面白くないだろうが、譲原が興味深げに尋ねてくればつい、答えてしまう。
これも酔いのうちだ。
「いえ。そこがいいんでしょう。ここまで果敢に来てくれる人はいませんでしたからね」
磯部としては、本当に嬉しい出来事だった。
中條が寄ってきてくれなかったら、叶わなかった恋物語。
自分の不得手も実感させられるけれど。
露天風呂付きの客室に戻って、改めて誠の体を抱いた。
過去を知る人を羨ましいと思うのか、憎たらしいのか。
「しつこいって思わない?」
そう、誠が聞いたから、「ありえない」と言う。
いつだって敵わない魅力を発揮してくれる人で、刺激的だった。
生きてきた人生、こんな人はいなかったから、余計に好きになる。
本当は聞きたくないけれど、知りたい過去はあった。
「なぁ…。好きだった人って、どんなヤツだったの?」
湯船の中で、体を撫でながら問うたら、首を振られた。
やっぱり、答えたくないんだ…。
自分と比べるのも嫌だけれど、誠が惚れる人は、かっこいいヤツでいてほしいな…。
しばらく黙っていたあと、「マサに逢えてよかった…」と呟かれて、理性が吹っ飛ぶ。
露天風呂は外だ。だから声が響く。
だけど我慢できなくて。
年甲斐もなく、突っ走ってしまう。
「あ…っ、マサ…」
「声、上げるなよ…」
無茶なことを言いながら、くちづけで唇を塞いだ。
たぶん、誰もが聞いているのだろう。
そして、届く声があるのかも。
同年代の誰より、幼い自分たちかも、とふと脳裏を過っていった。
欲望に勝てない…。
滾る熱は温泉よりも熱くて翻弄してくれる。
「好きだ…」
そういうのが精一杯なほど、呼気が乱れた。
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そうだね。雅彦さん、一つ年上なんだよね。まぁ、一つや二つ、違ってもどうってことない年だよね。
なんだなんだ、またしても良いとこで!
佳史、邪魔だな・・・←
やっぱり、望さんに磯部さんがしこたま飲ませて聞いてよー。佳史は要らないからね?学会とかあるときに聞いてこい、マサ。
安住さんのは誰に聞かせようかなあ。
やっぱり、成くんだよね♪
ちょっとビクビクしつつ、望さんと飲みに行ってね。
需要ないのかしらん?ないのー?
あるよねえ?
佳史、邪魔だな・・・←
やっぱり、望さんに磯部さんがしこたま飲ませて聞いてよー。佳史は要らないからね?学会とかあるときに聞いてこい、マサ。
安住さんのは誰に聞かせようかなあ。
やっぱり、成くんだよね♪
ちょっとビクビクしつつ、望さんと飲みに行ってね。
需要ないのかしらん?ないのー?
あるよねえ?
ちーさま
こんにちは。
> なんだなんだ、またしても良いとこで!
> 佳史、邪魔だな・・・←
邪魔にされた(佳史)
えー、気に入られている佳史だったかと思ったのに。
> やっぱり、望さんに磯部さんがしこたま飲ませて聞いてよー。佳史は要らないからね?学会とかあるときに聞いてこい、マサ。
何を語ってくれるんだか。
望、酔うと怖いかもね。
一人にしてはいけないと思う佳史です。
そう言えば、いつも追いかけていた佳史だね。
望を追って追って。
> 安住さんのは誰に聞かせようかなあ。
> やっぱり、成くんだよね♪
> ちょっとビクビクしつつ、望さんと飲みに行ってね。
>
> 需要ないのかしらん?ないのー?
> あるよねえ?
安住の過去を知りたいと言う人はいましたよ。
佐貫もいたけれど…。
知っているのは、やはり幼馴染なのでしょうか。
知っても話さない佳史と、口にしてしまう望。
まぁ、分別つけているのでしょうがね。
いたずら心で過去話をするのかしら。
安住は昔から仔猫キラーなのかな。
後輩からいっぱい、言い寄られて。
でも、その数の多さで、相手の方が、真面目になってくれないと避けたのかも。
年上だから先に卒業しちゃうしね。
我慢ならない人もいたかも。
コメントありがとうございました。
こんにちは。
> なんだなんだ、またしても良いとこで!
> 佳史、邪魔だな・・・←
邪魔にされた(佳史)
えー、気に入られている佳史だったかと思ったのに。
> やっぱり、望さんに磯部さんがしこたま飲ませて聞いてよー。佳史は要らないからね?学会とかあるときに聞いてこい、マサ。
何を語ってくれるんだか。
望、酔うと怖いかもね。
一人にしてはいけないと思う佳史です。
そう言えば、いつも追いかけていた佳史だね。
望を追って追って。
> 安住さんのは誰に聞かせようかなあ。
> やっぱり、成くんだよね♪
> ちょっとビクビクしつつ、望さんと飲みに行ってね。
>
> 需要ないのかしらん?ないのー?
> あるよねえ?
安住の過去を知りたいと言う人はいましたよ。
佐貫もいたけれど…。
知っているのは、やはり幼馴染なのでしょうか。
知っても話さない佳史と、口にしてしまう望。
まぁ、分別つけているのでしょうがね。
いたずら心で過去話をするのかしら。
安住は昔から仔猫キラーなのかな。
後輩からいっぱい、言い寄られて。
でも、その数の多さで、相手の方が、真面目になってくれないと避けたのかも。
年上だから先に卒業しちゃうしね。
我慢ならない人もいたかも。
コメントありがとうございました。
佳史さんは大好きですけどー。
良いとこで邪魔するんだもん。
聞きたいじゃん(笑)
安住さんは、優しいから誤解する人がたくさんいたんだろうね。
安住さんにその気はなくても、周りは違うという。
天然タラシだわ。
そーいや、佳史さんてずっと望さんが好きだったのかな?社会人になってからかしらん?
佳史さんの謎は誰に聞くの?
やっぱり、マコチャンだよね。
て、事でネタに詰まったら考えてね。
今は、詰まらないだろうけどね。
良いとこで邪魔するんだもん。
聞きたいじゃん(笑)
安住さんは、優しいから誤解する人がたくさんいたんだろうね。
安住さんにその気はなくても、周りは違うという。
天然タラシだわ。
そーいや、佳史さんてずっと望さんが好きだったのかな?社会人になってからかしらん?
佳史さんの謎は誰に聞くの?
やっぱり、マコチャンだよね。
て、事でネタに詰まったら考えてね。
今は、詰まらないだろうけどね。
ちーさま
こんにちは。
> 佳史さんは大好きですけどー。
> 良いとこで邪魔するんだもん。
>
> 聞きたいじゃん(笑)
聞きたいことはいっぱいありそうですね。
制限する佳史はやっぱり口が堅い守秘義務を分かっているのでしょう。
> 安住さんは、優しいから誤解する人がたくさんいたんだろうね。
> 安住さんにその気はなくても、周りは違うという。
> 天然タラシだわ。
ホント、天然タラシ(笑)
親切な優しい気持ちは昔から持っていたようで、誤解与えまくったでしょう。
年上の『お兄さん』は後輩から好かれたはず。
> そーいや、佳史さんてずっと望さんが好きだったのかな?社会人になってからかしらん?
> 佳史さんの謎は誰に聞くの?
> やっぱり、マコチャンだよね。
>
> て、事でネタに詰まったら考えてね。
> 今は、詰まらないだろうけどね。
佳史が望を好きになった時?
たぶん小学生のころだと思います。
佐貫に色目使う望を影ながら追いかけていたのでしょう。
(いや、分からない。今思いつきました)
誠も平気でいっぱい、他人事を教えそうな性格かな。
望と誠のふたりの飲みの席でもあったら怖そうだね。
佐貫は間違いなく、盗聴器をしかけているよ(笑)
もう書ききった感があるから、詰まっているのです。
読者様に色々ネタをもらっているところです。
コメントありがとうございました。
こんにちは。
> 佳史さんは大好きですけどー。
> 良いとこで邪魔するんだもん。
>
> 聞きたいじゃん(笑)
聞きたいことはいっぱいありそうですね。
制限する佳史はやっぱり口が堅い守秘義務を分かっているのでしょう。
> 安住さんは、優しいから誤解する人がたくさんいたんだろうね。
> 安住さんにその気はなくても、周りは違うという。
> 天然タラシだわ。
ホント、天然タラシ(笑)
親切な優しい気持ちは昔から持っていたようで、誤解与えまくったでしょう。
年上の『お兄さん』は後輩から好かれたはず。
> そーいや、佳史さんてずっと望さんが好きだったのかな?社会人になってからかしらん?
> 佳史さんの謎は誰に聞くの?
> やっぱり、マコチャンだよね。
>
> て、事でネタに詰まったら考えてね。
> 今は、詰まらないだろうけどね。
佳史が望を好きになった時?
たぶん小学生のころだと思います。
佐貫に色目使う望を影ながら追いかけていたのでしょう。
(いや、分からない。今思いつきました)
誠も平気でいっぱい、他人事を教えそうな性格かな。
望と誠のふたりの飲みの席でもあったら怖そうだね。
佐貫は間違いなく、盗聴器をしかけているよ(笑)
もう書ききった感があるから、詰まっているのです。
読者様に色々ネタをもらっているところです。
コメントありがとうございました。
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