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BLの丘
策略はどこまでも 16
2009-07-08-Wed  CATEGORY: 策略はどこまでも
高柳の堂々たる体躯を見た後では、自分の体がいかに貧弱かを思わされる。バスルームの中、鏡に映った自分の体に、那智はがっくりと項垂れた。
今更身長はどうなる問題ではないと分かってはいても、ならば筋肉くらいなら、と思ってみたのだが、昔から何をしても筋肉が付きづらいのか、一度だって逞しい体になったことはなかった。
決して『もやしっこ』というほどではないのだが、とにかく比べる相手が悪すぎる。
気を取り直そうと、熱いシャワーを浴びた。髪を洗い、シャワーで流していると、カチャッという音が聞こえた気がした。
ふと振り返ってみれば、全裸の高柳がそこに立っていた。

先ほどまで、目に焼きついて離れなかった人物が、現実のものとして存在すれば、慌てた那智からは悲鳴にも近い声が上がる。
「なにしてんのっ?!」
「俺もシャワー浴びる」
「じゃ、じゃあ俺が出るまで待ってろよ」
「いいじゃん。時間短縮」
「ならねーよっ」

短い言い合いを繰り広げる間にも、狭いバスルームに入り込んだ高柳は、シャワーヘッドを取ると、那智の頭に向けた。
「早く流しちまえよ」
「ヒサっ!やめろって!!」
動揺しまくっている那智の言うことなど、全く聞く耳を持っていない高柳は、勝手に那智の髪に指を入れ、洗い流し始めた。

誰かと一緒に風呂に入るなど、何年振りだろう。
高校の修学旅行も、大学の卒業旅行も海外だったので、皆で風呂に入った記憶はない。そのことが余計に那智を不安に陥らせた。
高柳は平然としている。自分に沸き立つ羞恥心はおかしいのだろうか。

並んで立てば、身長差をありありとうかがわせられる。那智の視界は高柳の胸板で埋め尽くされた。
抗議をしようにも受け入れてもらえず、高柳は那智の体と自分の身体を洗い始めた。
「も、も、もーいー、もういいからっっ!!」
高柳の手が下半身にかかろうという頃、那智は必死で抵抗した。高柳のスポンジを持つ手をどうにか掴んで、それ以上の侵入を阻む。
顔を真っ赤にして、必死の形相で手を掴まれた意味を理解したのか、高柳は大人しく那智の手にスポンジを握らせた。
「べつにそんなに緊張することじゃないじゃん」
「俺はするのっ!!」

高柳に背を向け、素早く洗い終えると、シャワーで流してさっさとこの場から逃げようと思う。
背後で、どんな視線で自分の姿を見られているのかが、ものすごく気になる。が、振り向いて高柳の顔を見ることなんて今の那智にはできなかった。
「俺、先に出るっ」
うつむいたまま、顔を上げられずに、バスルームから撤退しようとしたのに。
狭いバスルームでは、高柳にどいてもらわないと自分がすり抜けるスペースすらないことを知った。
「どけって」
「俺ももう終わるし」
那智から受け取ったシャワーで自らの身体を流していた高柳が平然と答える。
まさかとは思うが、一緒に出て、一緒に着替えて…とやりたいわけじゃないよな…???
背の高い高柳が、手を伸ばしてシャワーヘッドを定位置に戻した。
その手がいきなり那智の腰を捕まえて引き寄せられる。
濡れた肌と肌が、しっとりとくっついた。

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眠気の中、しかも酔っ払いながらかいているので、もしかしたら後で訂正がはいるかも…です。
その時にはお知らせいたします。
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