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BLの丘
策略はどこまでも 33
2009-07-16-Thu  CATEGORY: 策略はどこまでも
もう、手の指の一本だって動かす気になれなかった。
バスルームで高柳のいいように翻弄され、二度に渡って放出を余儀なくされた身体は、疲れきったというよりも枯れ果てた状態だった。
体内のすべての液体を吸い取られたかのように、カラカラに乾いて干物にされている気分になった。

高柳に抱きかかえられ、新しく敷かれたシーツの上に寝かされると、はぁっと大きな息が漏れた。
一旦ベッドを離れた高柳が、冷蔵庫の中から何かを持って戻ってきた。手にしていたのはミネラルウォーターのペットボトルで、そっと差し出される。
半身を僅かに起され、乾いた喉が潤いを求めて吸いつくのだが、寝かされた身体ではうまく飲み込めなかった。

顎を伝いこぼれおちた液体を、クスリと笑った高柳の舌が舐め上げる。
高柳は徐にボトルに口をつけ、液体を含んだ。濡れた唇が那智の上に重なってきた。
広げさせられた隙間から、冷たい水が流れ込んできて、乾いた喉を潤した。
とても気持ちいい…。口から流された液体が全身を回っていくようだった。
もっと…と舌先が求めて高柳の下唇を舐め上げれば、困ったように高柳が身を離した。
再び水を含んだ唇が那智の唇に触れられる。
口に含んだ全ての液体を那智の中に放りこむと、高柳は名残惜しそうに唇を離した。

「もう少し構ってやりたいんだけどさ。仕事行かなくちゃだし」
なんでこんな日に仕事になったかな…?と悔しそうに呟く高柳に、思わず
「さっさといけっ」
と、冷たくもある言葉が漏れる。

胸中はさみしさでいっぱいであったが、高柳の言うようにこれ以上構われたら、身体が破壊してしまいそうな気がした。
俺の身体っていったいどうなっちゃうんだ?!


チラッとみた時計はすでにお昼の時間に近付いている。
午後からの出勤だとは聞いていたが、重役でもあるまいし、あまり時間に余裕がないのは見て取れる。

「鍵、よこせよ。閉めていくから」
「開けっ放しでいい」
動けない自分を気遣ったのは分かったが、そこまでされることではないと言葉に含み、首を振れば怒ったような高柳が自分を見下ろした。
「ふざけんな。不用心なことすんなよ」
とても男の一人暮らしに向けられた言葉とは思えない発言に、一瞬那智の眉間が寄せられたが、寝そべったままの身体を起こすことなどできずに受け入れるしかなかった。

「カウンターの上…」
鍵の所在を知らせれば、満足したように高柳の身体が那智の上から離れた。
「また今夜寄るから」

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コメント

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No title
コメント空鴉707 | URL | 2012-04-28-Sat 17:45 [編集]
よかったです!胸がキュンとしました
自分の小説の参考にしていきたいです!
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-04-28-Sat 20:56 [編集]
空鴉707 様
初めまして~。

> よかったです!胸がキュンとしました
> 自分の小説の参考にしていきたいです!

参考になるようなことはなにもないと思いますが…。
読んでいただいて感謝です。
コメントありがとうございました。

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