体に回された腕を解くように身動きしてしまったからか、浅い眠りだったのか安住の瞼が上がった。
「おはよう…」
少しばかり掠れた声が安住の喉奥から響く。
起こしてしまった…という申し訳なさが心に湧いた。
太陽は上がり始めているようだが、今は何時なのだろう。
ブラインドで閉ざされた窓から薄明りが差し込んでいる。
何やら音がするのは、雨が降っているからだろうか。
店を出る頃には眠っていたといっていい自分と比べれば、安住の睡眠時間は明らかに短いはずだ。
「ご、ごめんなさい」
「何故謝るの?…良く眠れた?本当は一葉ちゃんの部屋に連れて行こうと思ったんだけど…」
離れようとした一葉の身体がまた引き寄せられる。
慣れたように安住の唇が一葉の額に触れた。
いつもの”ご挨拶”が、一葉は悲しくて仕方なかった。
酔った勢いでどうこうしようとは思わないけど、せめてこんな時こそ、我を失うくらいに求めて、求められたかった…。
確かに迫りくる肉体関係は怖いものがある。
どんなふうになってしまうのか分からないし、何をされるのかの知識もない。
それでも”ひとつにつながれる”という期待のようなものはある。
安住の『特別』になれるのだという期待。
昨夜高柳は、『やがて我慢ができなくなる時がくる』と一葉に教えてくれたけど、本当に安住がそんな時を迎える日が来るのかは疑問といってよかった。
そもそも、求められなければ、そこで『終了』である。
額にキスを落とされたあと一葉は初めて、自ら安住の頬に自分の唇を押し付けた。
その先をどうしていいのかは分からなかったが、どうにかなりたい感情はあった。
ここまでしたのだ。
安住に、この先の何もかもを預けたい。
そう思うのは我が儘なのだろうか。
自分はどこまで積極的になればいいのだろう。
でもこの先はどうやったってむりだった。
知らない、という未熟さもあるのかもしれない。
分からないから安住に縋りたい。
何も知らないと嫌われたくはなくて、なによりなんだって受け入れるという覚悟だけはある。
「本当に僕でいいのかな?」
驚いた安住から聞かれた質問に、一葉は頷く以外の行動を起こせなかった。
迫ってくる熱さ、ときめき。
重なった唇の温かさが、待っていた時の長さを表すようだった。
「安住さんだから全てを許すんだ…」
返ってきたのは何もかもを奪っていく熱い吐息の口付け…。
にほんブログ村
お言葉に甘えてまた短いです。
いいんだろうか、こんなので。
週末また投薬かあるので更新できるかな…。
来週までお待ちいただくと思います。
可能な限り続けたいですけど。
「おはよう…」
少しばかり掠れた声が安住の喉奥から響く。
起こしてしまった…という申し訳なさが心に湧いた。
太陽は上がり始めているようだが、今は何時なのだろう。
ブラインドで閉ざされた窓から薄明りが差し込んでいる。
何やら音がするのは、雨が降っているからだろうか。
店を出る頃には眠っていたといっていい自分と比べれば、安住の睡眠時間は明らかに短いはずだ。
「ご、ごめんなさい」
「何故謝るの?…良く眠れた?本当は一葉ちゃんの部屋に連れて行こうと思ったんだけど…」
離れようとした一葉の身体がまた引き寄せられる。
慣れたように安住の唇が一葉の額に触れた。
いつもの”ご挨拶”が、一葉は悲しくて仕方なかった。
酔った勢いでどうこうしようとは思わないけど、せめてこんな時こそ、我を失うくらいに求めて、求められたかった…。
確かに迫りくる肉体関係は怖いものがある。
どんなふうになってしまうのか分からないし、何をされるのかの知識もない。
それでも”ひとつにつながれる”という期待のようなものはある。
安住の『特別』になれるのだという期待。
昨夜高柳は、『やがて我慢ができなくなる時がくる』と一葉に教えてくれたけど、本当に安住がそんな時を迎える日が来るのかは疑問といってよかった。
そもそも、求められなければ、そこで『終了』である。
額にキスを落とされたあと一葉は初めて、自ら安住の頬に自分の唇を押し付けた。
その先をどうしていいのかは分からなかったが、どうにかなりたい感情はあった。
ここまでしたのだ。
安住に、この先の何もかもを預けたい。
そう思うのは我が儘なのだろうか。
自分はどこまで積極的になればいいのだろう。
でもこの先はどうやったってむりだった。
知らない、という未熟さもあるのかもしれない。
分からないから安住に縋りたい。
何も知らないと嫌われたくはなくて、なによりなんだって受け入れるという覚悟だけはある。
「本当に僕でいいのかな?」
驚いた安住から聞かれた質問に、一葉は頷く以外の行動を起こせなかった。
迫ってくる熱さ、ときめき。
重なった唇の温かさが、待っていた時の長さを表すようだった。
「安住さんだから全てを許すんだ…」
返ってきたのは何もかもを奪っていく熱い吐息の口付け…。
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お言葉に甘えてまた短いです。
いいんだろうか、こんなので。
週末また投薬かあるので更新できるかな…。
来週までお待ちいただくと思います。
可能な限り続けたいですけど。
K様>
こちらにもありがとうございます。
きえ様 大変な時なのに 更新ありがとうございます。一葉も安住さんも やっと前に進む勇気が出て来たのですね!二人の熱い吐息を感じながら、週末 いい子にして待ってますから、心置きなく治療に専念して下さいね。読者の感謝の気持ちを 少しでもきえ様の力に変換出来れば と願っています。
皆様からいただく暖かい励ましの言葉に、いっぱい頭を動かしています。
あちこちで書いたような気がするのですが、こんな駄文を書くことでストレス解消しているんです。
つまらないものにお付き合いさせているようで心苦しいですが、一葉たちも先に進みそうだし、もうちょっとかまってやってください。
コメントありがとうございました。
こちらにもありがとうございます。
きえ様 大変な時なのに 更新ありがとうございます。一葉も安住さんも やっと前に進む勇気が出て来たのですね!二人の熱い吐息を感じながら、週末 いい子にして待ってますから、心置きなく治療に専念して下さいね。読者の感謝の気持ちを 少しでもきえ様の力に変換出来れば と願っています。
皆様からいただく暖かい励ましの言葉に、いっぱい頭を動かしています。
あちこちで書いたような気がするのですが、こんな駄文を書くことでストレス解消しているんです。
つまらないものにお付き合いさせているようで心苦しいですが、一葉たちも先に進みそうだし、もうちょっとかまってやってください。
コメントありがとうございました。
m様
ご訪問感謝です。
>安住さんがようやく動き出したんですねぇ!!続き楽しみに待ってますので、お体お大事にしてくださいね(*^^)v
やっと動き出しましたよ~。
みなさん、しびれ切らしていますよね。
ここで進まなかったら石投げられるぞ、安住。
家だって燃やされちゃうぞ。
週末はゴミが家の中にいるので、そっちにも神経すり減らします。
寝てるふりしてパソ子に向かっているのがばれるのもなんだかやだし。
読者様をお待たせするようですみません。
コメントありがとうございました。
ご訪問感謝です。
>安住さんがようやく動き出したんですねぇ!!続き楽しみに待ってますので、お体お大事にしてくださいね(*^^)v
やっと動き出しましたよ~。
みなさん、しびれ切らしていますよね。
ここで進まなかったら石投げられるぞ、安住。
家だって燃やされちゃうぞ。
週末はゴミが家の中にいるので、そっちにも神経すり減らします。
寝てるふりしてパソ子に向かっているのがばれるのもなんだかやだし。
読者様をお待たせするようですみません。
コメントありがとうございました。
土壇場まで、迷い続けている安住さんですが、もうここまで来てお互い”我慢できないとき”まできたんですから戻っちゃダメです。
何処まで行っても一葉ちゃんに対しては保護者から抜け切れない悲しい性ですね。
共に暮らすなかですべてを許せると思うようになった一葉ちゃんの気持ちを受け取ってほしいと思います。
何処まで行っても一葉ちゃんに対しては保護者から抜け切れない悲しい性ですね。
共に暮らすなかですべてを許せると思うようになった一葉ちゃんの気持ちを受け取ってほしいと思います。
甲斐様
こんにちは~。
レス遅くなりました。
> 土壇場まで、迷い続けている安住さんですが、もうここまで来てお互い”我慢できないとき”まできたんですから戻っちゃダメです。
それこそご友人に「男が廃る」とまた言われてしまいそうです。
あのおどおど一葉にここまでさせたんですから、安住には頑張っていただかないとです。
保護者のままで終わっちゃったら一葉もかわいそうですよね。
コメントありがとうございました。
こんにちは~。
レス遅くなりました。
> 土壇場まで、迷い続けている安住さんですが、もうここまで来てお互い”我慢できないとき”まできたんですから戻っちゃダメです。
それこそご友人に「男が廃る」とまた言われてしまいそうです。
あのおどおど一葉にここまでさせたんですから、安住には頑張っていただかないとです。
保護者のままで終わっちゃったら一葉もかわいそうですよね。
コメントありがとうございました。
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