理由があるのかないのか分からないが、日曜日の午後に指定された朝比奈の車のメンテナンス時間に、営業所まで持ってきたのは中條だった。
「あのさー、これ、どういうこと?」
てっきり朝比奈自身が顔を出すと思っていた磯部にはクエスチョンマークが花束のように浮かんだ。
毎日のようにメールも電話もしていたのに、来るなんて一言も聞いていない。
思わず疑問の声を上げてしまえば、「まぁ、いいじゃん」とにこやかに微笑まれる。
メンテナンスの依頼は前もって受けていた。
定期点検なので1時間もしないうちに終了する。
朝比奈の車なのに”代理人”という人間が現れた異常事態は作業員にも広まっていた。
加えて、所長の磯部が、車を持ち込んだ中條に近づけば誰も寄ってくる者などいない。
「一葉ちゃんが”臨時”のお仕事で抜けられないっていうから、僕が代わりに」
「まこ、安住さんちに良く行ってんの?」
「それ、嫉妬?」
突っ込むんだか突っ込まれているんだか、返す言葉もない…。
「享が、点検後も異常がないか点検しながら帰ってきてって言ったんだけど、僕、機械のこと、なーぁんにもわからないだよね」
建設機械の営業に従事する人間のいうセリフか?!
わざとらしい言い訳に内心で溜息をつきつつ、磯部の頬は緩んでいた。
「少し走らないと状態はわからないんだけど」
「じゃあ、走って」
「俺に付き合わせたら朝帰りになること、知ってる?」
悪戯な口調に返すのはジョークともとられない言葉。
もちろん、曖昧な言葉が通用しない相手だとはもう分かっている。
意図が分かるからこちらからも釣ってみる。
言えば、内容を理解して、こちらの動向を探ってくる。
「返却期限、言われてないから明日でもいいんじゃないの?」
「まこ、明日休み?」
「半休とった」
「ぬかりないな。俺が月曜休みって知ってのことかよ…」
中條が誘う時間は今、今日、このあと…。
中條と雑談をしているうちに点検は終わり、「作業終了書に確認サインを」と竹島が書類を持ってきた。
「竹島、俺、この後出てくるから。直帰にしといて」
中條がサインした書類を返しながらそっと耳打ちすれば、「しょちょーっ?!」と驚愕の声に見まわれた。
「走行点検に付き合ってもらうことになっちゃってごめんね」
中條に微笑まれては返す言葉もないのか…。
それにしては、赤らんだ顔を見て、どっちに蹴りを入れようかと思う。
「ほらっ、行くぞっ」
とても『客』に対しての言葉使いなどではなく、また部下に聞かせられたものでもなかったが、心が跳ねていた磯部は身の回りのものをまとめると、さっさと朝比奈の車に乗り込んだ。
「初ドライブだー」
助手席に座った、喜んだ顔が何とも眩しい。
にほんブログ村
短い?!ごめんなさい。今日はこれだけ書くのが精一杯で…。
次こそは…
てか、仕事しろーっ!!
「あのさー、これ、どういうこと?」
てっきり朝比奈自身が顔を出すと思っていた磯部にはクエスチョンマークが花束のように浮かんだ。
毎日のようにメールも電話もしていたのに、来るなんて一言も聞いていない。
思わず疑問の声を上げてしまえば、「まぁ、いいじゃん」とにこやかに微笑まれる。
メンテナンスの依頼は前もって受けていた。
定期点検なので1時間もしないうちに終了する。
朝比奈の車なのに”代理人”という人間が現れた異常事態は作業員にも広まっていた。
加えて、所長の磯部が、車を持ち込んだ中條に近づけば誰も寄ってくる者などいない。
「一葉ちゃんが”臨時”のお仕事で抜けられないっていうから、僕が代わりに」
「まこ、安住さんちに良く行ってんの?」
「それ、嫉妬?」
突っ込むんだか突っ込まれているんだか、返す言葉もない…。
「享が、点検後も異常がないか点検しながら帰ってきてって言ったんだけど、僕、機械のこと、なーぁんにもわからないだよね」
建設機械の営業に従事する人間のいうセリフか?!
わざとらしい言い訳に内心で溜息をつきつつ、磯部の頬は緩んでいた。
「少し走らないと状態はわからないんだけど」
「じゃあ、走って」
「俺に付き合わせたら朝帰りになること、知ってる?」
悪戯な口調に返すのはジョークともとられない言葉。
もちろん、曖昧な言葉が通用しない相手だとはもう分かっている。
意図が分かるからこちらからも釣ってみる。
言えば、内容を理解して、こちらの動向を探ってくる。
「返却期限、言われてないから明日でもいいんじゃないの?」
「まこ、明日休み?」
「半休とった」
「ぬかりないな。俺が月曜休みって知ってのことかよ…」
中條が誘う時間は今、今日、このあと…。
中條と雑談をしているうちに点検は終わり、「作業終了書に確認サインを」と竹島が書類を持ってきた。
「竹島、俺、この後出てくるから。直帰にしといて」
中條がサインした書類を返しながらそっと耳打ちすれば、「しょちょーっ?!」と驚愕の声に見まわれた。
「走行点検に付き合ってもらうことになっちゃってごめんね」
中條に微笑まれては返す言葉もないのか…。
それにしては、赤らんだ顔を見て、どっちに蹴りを入れようかと思う。
「ほらっ、行くぞっ」
とても『客』に対しての言葉使いなどではなく、また部下に聞かせられたものでもなかったが、心が跳ねていた磯部は身の回りのものをまとめると、さっさと朝比奈の車に乗り込んだ。
「初ドライブだー」
助手席に座った、喜んだ顔が何とも眩しい。
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短い?!ごめんなさい。今日はこれだけ書くのが精一杯で…。
次こそは…
てか、仕事しろーっ!!
一葉の”臨時のお仕事”って どうしても <抜けられない...>お仕事みたいですねー。ムフフ(*><*)
おっさん二人で これから 何処行くの~ 明日の昼間で た~~っぷりと 時間は あるし 楽しんでね♪
おっさん二人の車って言えば <覆面パトカー>も そうだったような...?...(^o^)ゞbyebye☆
おっさん二人で これから 何処行くの~ 明日の昼間で た~~っぷりと 時間は あるし 楽しんでね♪
おっさん二人の車って言えば <覆面パトカー>も そうだったような...?...(^o^)ゞbyebye☆
きえったん様
こんにちは。
『初でーと?』
あーいやーあーそのー…。初デートです…。
> 一葉の”臨時のお仕事”って どうしても <抜けられない...>お仕事みたいですねー。ムフフ(*><*)
臨時のお仕事ってあるんですよ。
足腰立たないとかね…。
> おっさん二人で これから 何処行くの~ 明日の昼間で た~~っぷりと 時間は あるし 楽しんでね♪
>
> おっさん二人の車って言えば <覆面パトカー>も そうだったような...?...(^o^)ゞbyebye☆
どこ行くのか?!(速攻で考えなきゃ…)
覆面パト?!あれ、それはどこの世界でしょ… 水谷○氏しか浮かばなかった…
コメント、どうもです~♪
こんにちは。
『初でーと?』
あーいやーあーそのー…。初デートです…。
> 一葉の”臨時のお仕事”って どうしても <抜けられない...>お仕事みたいですねー。ムフフ(*><*)
臨時のお仕事ってあるんですよ。
足腰立たないとかね…。
> おっさん二人で これから 何処行くの~ 明日の昼間で た~~っぷりと 時間は あるし 楽しんでね♪
>
> おっさん二人の車って言えば <覆面パトカー>も そうだったような...?...(^o^)ゞbyebye☆
どこ行くのか?!(速攻で考えなきゃ…)
覆面パト?!あれ、それはどこの世界でしょ… 水谷○氏しか浮かばなかった…
コメント、どうもです~♪
けいったん様
ご、ごめんなさい
また名前を間違えったっぽい…
(何でこんなふうになっちゃうんだぁ…????)
ご、ごめんなさい
また名前を間違えったっぽい…
(何でこんなふうになっちゃうんだぁ…????)
あの日はお持ち帰りなしでしたが
今日は突然の来訪と初デート?
押しまくる中條さんだなーと思ったけど
磯部さんもまんざらではない様子
中條さんは口実のため一葉ちゃんの車奪ってきたのかなとはじめは思ったけど
”昨夜無理して起きられない一葉ちゃんと
無理させた安住さんに頼まれて来た中條さん”
なんてこと勘ぐってしまったワタシを許して一葉ちゃん・・・
今日は突然の来訪と初デート?
押しまくる中條さんだなーと思ったけど
磯部さんもまんざらではない様子
中條さんは口実のため一葉ちゃんの車奪ってきたのかなとはじめは思ったけど
”昨夜無理して起きられない一葉ちゃんと
無理させた安住さんに頼まれて来た中條さん”
なんてこと勘ぐってしまったワタシを許して一葉ちゃん・・・
甲斐様
ちょーーすごいタイミング。
私がびびりました。
こんにちは。いらっしゃいませ。
> 押しまくる中條さんだなーと思ったけど
> 磯部さんもまんざらではない様子
ここんちはお互い様な様子です。
二人して押しまくってます。
> 中條さんは口実のため一葉ちゃんの車奪ってきたのかなとはじめは思ったけど
> ”昨夜無理して起きられない一葉ちゃんと
> 無理させた安住さんに頼まれて来た中條さん”
> なんてこと勘ぐってしまったワタシを許して一葉ちゃん・・・
半分以上正解でしょう!!(すばらしい!甲斐様っ!!)
安住宅には基本的に1台あればいい車です。
一葉の車なんて、今では飾り同様(?!またなんかすごいいいようが…)
安住に頼まれたんだか、自分でもっていくって言ったんだか…
とりあえず、意味は理解している安住だと思います。
ほんと、できた弁護士さんだわ…。
コメントありがとうございました。
ちょーーすごいタイミング。
私がびびりました。
こんにちは。いらっしゃいませ。
> 押しまくる中條さんだなーと思ったけど
> 磯部さんもまんざらではない様子
ここんちはお互い様な様子です。
二人して押しまくってます。
> 中條さんは口実のため一葉ちゃんの車奪ってきたのかなとはじめは思ったけど
> ”昨夜無理して起きられない一葉ちゃんと
> 無理させた安住さんに頼まれて来た中條さん”
> なんてこと勘ぐってしまったワタシを許して一葉ちゃん・・・
半分以上正解でしょう!!(すばらしい!甲斐様っ!!)
安住宅には基本的に1台あればいい車です。
一葉の車なんて、今では飾り同様(?!またなんかすごいいいようが…)
安住に頼まれたんだか、自分でもっていくって言ったんだか…
とりあえず、意味は理解している安住だと思います。
ほんと、できた弁護士さんだわ…。
コメントありがとうございました。
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