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BLの丘
策略はどこまでも 46
2009-08-14-Fri  CATEGORY: 策略はどこまでも
R18でお願いします。

指などよりももっと質量感のあるものが入り込むと、那智の背中を痺れるような痛みが突きぬけて行った。
「アアァァァ…っっ!」
「はっ!…、はぁ、熱い、那智のなか……、うねってる」
いちいち言わなくてもいいと言うように、那智は首を横に振った。愛の睦言ならともかく、はしたなさを露呈されるような発言は羞恥心を煽られるだけだ。
浅い息を何度も繰り返し、痛みをやり過ごす。文句を言いたくても今の状況では言葉を紡ぎだすのは難しかった。
幾度も久志の手腕によって高められてきた身体が、今日はより一層の興奮を帯びている気がする。
それが最初に行われた自慰行為のせいなのか、久志から告げられる言葉があるからなのかは判断がつかないが、いつも以上に燃えるような炎が体中に灯っていることは確かだった。

那智の中で馴染む時間をたいしておかず、久志はゆっくりと律動を始めた。
「あっ!…待って、待ってっ」
こんなに性急な動きを取られたことのない那智は慌てて久志の肩を掴む。一度動きを止めた久志が苦しそうに息を吐き出した。
「ごめん、マジで限界なの、俺。…大丈夫。優しくするから。それに那智、もう慣れてるはずだから、キツくないと思うよ」
いかに多く久志のモノを受け入れてきたかと改めて思わされるような発言をされ、那智は一瞬顔を赤くしたが、次の瞬間には動き出した久志に気を取られた。
「んぁっ…」

優しい口付けが落ちてくる。口の中に入れられる熱い息を感じるだけで久志の昂ぶりが窺えた。那智の果実のような唇を食むように久志に咥えられる。肉厚の舌がネットリと絡みついてきた。
久志の言った通り、痛みに襲われることはなかった。痛みというより痺れるような疼きが芽生えた。
いつもはしない、那智の一番感じる場所を切っ先がいきなり擦ると、那智は身体を弓のように反らせながら喘いだ。
「あっ、あぁ…」
白い肌を久志の唇が緩やかに撫でて行く。
ゆるゆると内部を揺す振られる。時折大きく出し入れはされたが激しく攻めてこられることはなくて、それが逆に焦れったい。

那智の身体を気遣ってくれているのだろうが、早くも快感の波が襲ってきた那智には辛かった。那智はたまらず久志自身を締め付けてしまった。
「…クッ…っ!」
「ン、アァっっ!!」
呻くように喉を震わせた久志が勢いをつけて最奥に腰を打ちつけてきた。耳元でハァハァという荒い息遣いが聞こえる。
「マジ勘弁。那智、もう達きたくなったの?激しくして大丈夫?」
久志の苦痛にまみれたような声が那智に届いた。どれだけ耐えていたのかが、その息遣いからも伝わるようで、この男の忍耐力にはつくづく感心させられる。
これこそ、丁寧な愛撫の何物でもないと那智は思った。それほど大事にされる存在なのかと改めて感じる。
那智のいかなる反応も、久志には全てお見通しのようだ。締め付けがどういう意味を成すのか充分に熟知している問いかけだった。


那智はこの上なく久志が欲しいと思った。抱かれていることが嬉しくて仕方がない。
幾人となく捨てられてきた人たちを知っている。自分が同じように扱われるのではないかとずっと危惧していた。
簡単に手に入れ、簡単に見切りをつけていた久志が、かつて見たことのない勢いで那智を手に入れたいと感情を剥き出しにした。
久志は人を想うことなどないといった感じで極めて淡白な付き合いしかしてこなかった。セックスは排泄処理の一つ、と昔聞かされたことがあったような気がする。
だけど、今耐えるような久志を見れば、自分に対しての愛情の深さを見せつけられたようで、那智の全身は充足感で溺れそうだった。絶えず心の中に沸き上がる高揚感と優越感。これほどまで愛されたのかと実感できた瞬間が今だった。

整えられた容姿もさることながら、精神力や闘争心も人並み以上のものを持ち、狙った獲物を虎視眈々と狙うような野性的な男。
一番欲しいものを得たならば何があっても死守しようとする独占欲の持ち主。
外見だけではない、逞しく動じない内面に惚れた。時々那智だけに見せる甘い雰囲気に惹きこまれた。
ただそばにいられればいいと思っていた頃から、失うのが怖かったと振り返る。そばにいてほしかった。はっきりと意識などしたことはなかったが、過去の自分はいつも心の奥底で久志と共に居られる人生を願っていた。
『那智が好き』。何度も言われた言葉が脳内に木霊した。


「ひ、さぁぁ…」
那智は強請るように汗ばんだ久志の身体に腕を巻き付けた。逞しい胸板が迎え出てくれる。
「うん、分かった。もう少しだから。すぐだから」
久志は那智に甘く熱い口づけを落としたあと、抜けるのではないかというところまで一気に引き、貫いた。
「あっぁぁっっ!!」
灼熱が幾度も那智の内部を犯す。すでに知り尽くした久志はひたすら那智を快感の渦へと陥れた。
打ち付けられる腰が音を立てる。体内を抉られるような激しい律動に那智は酔いしれた。
以前に感じた、いつか捨てられるのではないかという思いは今はない。今のこの瞬間。久志の腕の中にいるという真実が心を潤した。
「那智、おまえだけ。すっげー、好きだから」
動きを止めることなく、久志が耳元で囁く。那智は頷いた。
「うん、…好き…、ヒサ、…好き」
那智の中で欲望がさらに質量と熱を増した。久志の手に握り込まれた那智の中心もしとしとと滴を垂らしながら限界を訴えた。
「一緒に達こう」
那智はもう返事などできなかった。
一際激しい律動が始まると、差し込まれるモノを捕らえていたくて、きゅぅっと那智の内部が収縮をした。数度パンパンと肉を叩くような音がして。
「あぁぁぁーっっ!!」
「ウッ…」
二人の腹の間に那智の思いの丈が吐き出され、肉壁の中ではドクドクと久志の分身が脈を打った。
このまま朽ち果ててもいい…。那智は朦朧とする意識の中で幸福感を存分に味わった気分に浸った。

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長くなってすみません。
でもキリがいいし。ヒサのえっち、ここで終了にしたい…。

ヒサ:「えっ!? 全然ヤりたんねーんだけどっ」
作者:「…(聞こえない)…」(君、書くと長くなるから書きたくない…汗)
ヒサ:「…っざけんなよっ!!俺、一回だけなの?!」
作者:「…たぶん…きっと……」
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コメント

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コメントメグミ | URL | 2009-08-14-Fri 13:49 [編集]
とても官能的で、愛情あるエチ・・・
いいですね♪
萌えます~☆

何回も読んじゃいましたよ☆
度々お邪魔しました(^o^)v
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2009-08-14-Fri 15:37 [編集]
メグミ様

こんにちは。今日も暑い我が家です。
> とても官能的で、愛情あるエチ・・・
> いいですね♪
> 萌えます~☆
ありがたきお言葉m(__)m
最近、(作)文が書けなくて困ってます。ちょっとスランプ気味。
こんなものを載せていいんだろうかって毎日思いながらupしてます。
今のところ毎日更新、なんとかしてますけど、そのうち挫折するんじゃ…ってな感じです。
昔書いたはずの作品がすっかり別物へと変化を遂げちゃったおかげてヒーヒーしてます。
>
> 何回も読んじゃいましたよ☆
> 度々お邪魔しました(^o^)v
コメントいただけて本当にうれしいです。
ぜひまたご意見などお寄せください♪
Re: Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2009-08-14-Fri 15:44 [編集]
M様

こんにちは。いらっしゃいませ。
あっちの欄でいただいたコメントの返信方法が分からないのでこちらから失礼いたします。

>ベッドの中だけどやっとヒサも『好き』といいましたね(^^) 那智も素直に好きと言えてよかったです♪ ラブラブな展開になって嬉しいです(*^^*)
ようやく…ですよ、こいつら。
私もなんとかここまで持って行けてホッとしています。
途中予想もしなかったハプニングに見舞われ(? 勝手にキャラが動くので参りました) 完結に持っていけるのかと焦りましたが…。
ラストまであとちょっと。がんばります!

コメントありがとうございました。またぜひいらっしゃってくださいネ☆
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