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BLの丘
原色の誘惑 18
2012-08-29-Wed  CATEGORY: 原色の誘惑
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


押し込まれた指の異物感に、咄嗟に吐き出そうと力が籠る。
弛緩したはずの体だったが、慣れないことにはきちんと反応を示した。
恐怖に対する本能のようなものだろうか。
「ゆ、わ…っ」
「やっぱりキツイ…。由利、少しだけ我慢して。あと、力抜いていて…」
「そんなの、わかんないよ…」
「こうやって寝転がっていてくれればいいから」
由利の不安を煽らないようにとするのか、快感を保とうとするのか、陰茎を軽く扱いてから、雄和は先程のボトルの中身を手のひらに出していた。
「何…?」
動揺の隠せない瞳で見上げれば、落ち着かせるように笑みが降ってくる。
「ローション。塗りこめるから…。さっきも言っただろう。絶対に由利に酷いことはしないって」
トロリとした液体が秘部の上にまぶされる。
液体の冷たさに肌がビクンと震えた。
気付いた雄和が「ごめん。冷たかった?すぐ温まると思うけど…」と申し訳なさそうに、由利の肌に馴染ませていく。
言葉通り、ひんやりとしたはずのものは、由利の体温と混じり合って滑らかさを増していく。
幾度も後孔の上を指が撫でていた。
初めての感触は気持ちがいいのか悪いのかもよく分からなかった。
ヌルヌルとした液体は、吐き出した時の体液とも違っている。
すべりが良い…。それだけが唯一分かることだった。

雄和の動きに身を任せるしかない。
だって、自分は何も知識がないのだ…。

両膝を立て、足を開いて雄和の視線に晒される。
恥ずかしい姿勢を取らされているというのに、少しずつ薄れていく気持ちは、どんどんと溢れだしてくる快感があるからだろうか。
特に会陰をさすられるのが気持ち良い。
由利は天を仰ぎ、白い喉を仰け反らせて目を閉じた。
雄和の、肌を這う指の動きを感じる。
先程、襞を舐めた時と同じように、指はその一つずつを伸ばしているようだった。
由利が感じる快感を逃さず、だけど着実に雄和の指は目的地を目指していた。
片手で陰茎を緩く扱かれ、親指の腹が門渡りを撫でる。続いた指先が、ツプッと中に潜り込んできた。
「あぁぁぁっ」
カッと目を見開いては、汗を浮かべた辛そうな雄和の表情が見えた。それでも微笑んで見守ってくれている。
「由利、大丈夫。ゆっくりでいいから息を吐いて。すぐ馴染むよ」
耐えることの辛さを由利は知らない。
でもその状況に雄和を落としているのははっきりと分かることだった。
…自分は雄和に何もさせてあげていない…と…。

「うん…」
また従順に応じる返事を返して、由利は雄和を迎える。
ローションにまみれた指は、その滑りを内壁に擦りつけながらゆっくりと侵入してきた。
異物感は確かにある。
押し出そうとする力も時々働く。
それでも雄和は動きを止めることなく、一本の指を奥まで差し込み、中の圧力を味わっているようだった。
「平気?痛くない?」
雄和の声が掠れたものに変わっている。どれほど堪えているのかと、彼の言っていた『限界』という言葉が脳裏を掠めた。
「うん…」
頷くとその指は静かに動き始めた。
入口からなぞるように指が回される。
「は…ふぅ…」
かろうじて息を零す。
指は数度抜き差しを繰り返し、由利の体から力が抜けていることを理解しているのか、二本目が追加された。
「あぅっ」
また拡げられたことに由利が声を漏らしても、雄和はもう止めなかった。
人の体とは順応性があるのだな…、とこんな最中で由利は漠然と思った。
最初は苦しかったはずの体も、馴染めばそれに染まっていく。受け入れていく。
その指は三本にまで増えた。
さすがの圧迫感に、由利はぎゅっとシーツを握り締めた。
耐えているじっとりとした汗が肌を流れる。
完起ちとまではいかない性器は雄和の片手に握られ、小さく意識は反らされていくけれど…。
その時、体の中心から背筋を抜けて電流でも走ったのかという衝撃に出会った。
「あぁぁぁっっ…っ」
到底押さえられない嬌声が響き渡った。
「ここ、だよね…」
切羽詰まった雄和の声が聞こえる。
同じ個所をもう一度強く押されて、びくびくっと体が跳ねた。
「やぁぁぁっ、ゆ、わっっっ」
分からない…。奈落の底に落とされていくような恐怖が一気に駆け抜ける。
恐怖だけではない。体に受けた衝撃は確実に性器に繋がり、次の解放を求め始める。
自分の浅ましさをより露呈するようで、そんな姿を晒したくなかった。
「由利…」
思わず逃げようとしてしまった腰を、由利の雄から手を離した雄和がつかまえた。
今や握られていたモノはすぐにでも露を零しそうなほど膨れていた。
挿いってきた時と同じように、ゆっくりと全ての指が抜かれていく。
そして宛がわれたものは…。
熱を持った、指などとは到底質量感の違うもの。
腰を抱かれ、腕を引かれ、全身が密着するように寄せられた体がじっとりと張りつく。
「雄和…っ、怖い…、怖い…」
「大丈夫…」
必死でしがみついたら、雄和の亀頭がたっぷりとローションを塗り込められた場所に入ってきた。
あまりの孔の拡がり方に、気が遠くなる思いがする。
そんな由利を戻したのは、雄和の温かな声だった。

「愛してる…。由利…。愛しているんだ…」

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コメント

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No title
コメントけいったん | URL | 2012-08-29-Wed 09:20 [編集]
雄和から与えられるものは、
由良とは違う優しさと 知らなかった快感

由利、すべて委ねて あるがままにね♪
ヨロシク♪(*・_・)ヾ(`・ω・´ *) アイシテマスカラ!...byebye☆
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-08-29-Wed 16:55 [編集]
けいったん様
こんにちは。

> 雄和から与えられるものは、
> 由良とは違う優しさと 知らなかった快感
>
> 由利、すべて委ねて あるがままにね♪
> ヨロシク♪(*・_・)ヾ(`・ω・´ *) アイシテマスカラ!...byebye☆

由良とはどこか欲求不満のはけ口に近い部分がありましたからね~。
本当に愛されて交じる行為はちがうでしょう。
雄和のためにも、由利はもっと本音でぶつかっていけばいいと思います。
頼むよ!雄和!!(←読者みたいな…)
コメントありがとうございました。
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