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BLの丘
見下ろせる場所 42
2011-08-16-Tue  CATEGORY: 見下ろせる場所
R18 ちょっとだけ性描写があります。閲覧にはご注意ください。


慎弥は一瞬の抵抗を見せたが、皆野が水を含んだ唇を当てて注ぎこめば、当たり前のように飲み干していく。
柔らかな唇をさらに貪りたいと思う半面で、もっと…と強請るように皆野の最後の水滴まで吸い取ろうと、慎弥の舌先が唇を舐めてきた。
本気で水分が欲しいのだろう。このまま突っ走ってしまえば可哀想なだけだ。
「みな…」
「待って」
一度離した体を抱き起こして、ペットボトルの口をあてがい、慎弥に握らせて好きなだけ飲ませる。
慎弥はほとんど一気飲みと言っていいくらいの勢いで、半分ほどを飲み干した。
口移しで焦らしながら飲ませても良かったが、慎弥が満足する前に自分が暴走していたと思う。
「はふぅぅぅ…」
ようやく一息つけたと言いそうな慎弥の吐息が漏れた。その一息に皆野がペットボトルを受け取る。
だけど正面から皆野をとらえたことで、再び羞恥が湧いたのだろうか。そそくさと布団の中に潜っていく。
このカタツムリみたいな動きには苦笑しか浮かばない。
皆野はペットボトルをサイドテーブルに置き、代わりに、必要とする潤滑剤のボトルを取りだした。

慎弥の元に潜り込む際に、皆野も巻き付けていたタオルを取り払う。
布団の中では慎弥が身に纏っているものがなかったから、すぐにその素肌に触れることができた。
「ゃぁ…」
触れれば、当たりまえのような小さな喘ぎが聞こえてくる。
だけど拒絶するわけではない反応は心地いいほどだった。そのひと撫でで感じまくっているのが分かるから気分も良くなる。

緩やかなくちづけを施し、口腔内をそっと舐めまわして、首筋や耳元に舌先を這わせる。
獰猛さがない行動は返って慎弥を不安にさせるのだろうか。
皆野が落ちついた雰囲気を見せているところが、逆に慎弥の不安を煽るのかもしれない。
おそらく、慎弥に夢中なのだと明らかにわかる態度で抱いてほしいのだろう。今はそれをしないからか、慎弥の方から縋ってくる態度が見受けられる。
首筋に巻き付いた両腕と、幾度も引き伸ばされるようなくちづけ。
強引に引っ張っていってもらいたい気持ちがあること、慎弥の欲の深さを知らされる。
岩槻は全てに置いて慎弥に関与しすぎていた。
慎弥は自分の意思ではなく、回りから整えられることに慣れ過ぎている。
だから皆野が『慎弥の意思に任せる』と言うようなことは、判断がつかないものとして不安材料につながる。
今もそうだ。緩慢な動きは「抱いてもいいか?」と問いかけているようなものだった。
バスルームから逃げてしまったことも、その気はないと捉えられている、と思っているのだろう。
否定したい気持ちでいることをどう伝えようか、考えるより行動が先に出ているといった感じだ。
それはそれでもちろん皆野を上機嫌にさせるものにしかならないが。

「嫌ですか?良いですか?」
改めて尋ねたことに、慎弥が頬を染めながら睨み上げてくる。
状況を読みとる皆野に、今がどういう状態か判断がつかないわけがないだろうと言いたそうだった。
皆野は笑いを堪えられず口端が上がってしまう。それを見た慎弥が唇を尖らせたままプイと横を向いた。
「みなの、きらい…」
もう何回目の『嫌い』なんだか…。ますます口角が上がるというものだ。
実に可愛い拗ね方をしてくれる。
「だって慎弥が『嫌、イヤ』言うからね」
「…嫌よ嫌よもナントカ…、って言うじゃん…」
か細い声が諭してくる。
それを自分で言うか?!と皆野は目を見開いた。
…まったく…。他人には絶対に聞かせられない台詞だ…。

「お誘いいただきありがとうございます」
「誘ってないっ!」
「これを誘ってないって言うなら、何が誘うになるんだよ…」
「誘ってないもんっ!!」
「はいはい。もうおしゃべりは終わり」
半ば呆れたのと、嬉しさを隠さずに皆野は慎弥の唇を塞ぐ。
慎弥を仰向けに組み敷き、慎弥の頭の両脇に肘をついてのくちづけは、先程とは打って変わって激しい唾液の絡み合う音がした。

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いつになったら……(汗)
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