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BLの丘
意外な展開 7
2013-07-30-Tue  CATEGORY: 珍客
R18 後半性描写があります。閲覧にはご注意ください。


神戸との雑談で仕事が押し、少々遅くなった帰りは、千城が迎えに来てくれた。
社用車で送迎されることは英人が拒んでいるため、可能な限り譲歩してくれる。
普段であれば一人での、公共機関を使っての帰宅も許してくれるところだが、ここ数日のピリピリした雰囲気を今更気付かなかったことにはできない。
黒塗りの高級車はオフィスビルの正面に停められており、英人がエントランスから姿を現すなり、飛び降りた運転手が回りこんで後部座席のドアを開けてくれた。
それすら、『撮りたいなら撮れ』と威嚇しているものである。
仕事帰りの千城が表情だけを緩めた姿で、「おかえり」と英人を出迎えてくれる。
差しのべられた腕の中に、すっぽりと収まって、英人の香りを嗅ぐ鼻先が額に寄せられ、続いてくちづけが落とされる。
一連の動きは運転手が自分の席に戻るまでの僅かな間に済まされてしまう。
あとのお楽しみは自宅に帰って、ふたりきりになってからだった。

明り

千城が隠すことをしないのはすでに知ったことでもある。
どんな逆境も受け止めようとは、英人と共に生きると決めた時に告げられた。
噂のひとつなど気にする様子は見られず、逆にいかに擁護していこうかという策を巡らせる。
今回も相手に向ける過激砲の組み立てを着々と進めている状態だった。
はじけた時にいかに大きな爆弾だったのかと知らせるのだろう。
心配があるかもしれないが、信頼もある。
英人一人で悩んだり自己解決しようとして失敗した過去は幾度におよんだことか…。
千城に委ねておけば何もかもがうまくいく、とは過去の経験で心身共に教え込まれたことだった。

「神戸が取材用の顔写真を撮り直すと息巻いていたぞ」
「『取材』っ?!」
また聞き慣れない言葉に英人は素っ頓狂な声を上げた。
車はスーッと動き出していて、余程のことが無い限り、この車内での会話は聞かれることはない。
クククッと笑った千城はどこまでも楽しそうだ。
英人の存在を公表すると決めたことは、どれほど千城を愉しませているのだろう。
「当然だろう。世界中に告知するんだ」
「『世界中』っ?!」
どうしたって聞き慣れない言葉に瞠目するしかない。
大きな目が見開かれても、気にした様子もなく、千城は薄笑を浮かべ続けていた。
「あたりまえだ。湯沢さんがどんな人物だったか、知らないわけはないだろう?」
全てを熟知した男は自信満々に告げてくる。
調べたのか聞いたのかは想像するしかないが、千城はどんなことだって暴いていく力を持っている。
父である『湯沢』が、今でも騒がれる人である証拠だった。

だからこそ、英人に自信をつけさせるためにも今回の企画を受け入れたのだと伝わってくる。
英人はどこかで『榛名』という名に遠慮していた部分があった。
それも千城を燻らせていたことになっていた。
もっと掘り下げれば、『榛名』と同じ、世界に通用する人物になってほしいのだと…。

恐怖は当然ある。
湯沢と名を並べた時、どんな評価を下されるのか。

しかし千城は、「ここまでは湯沢さんの力ではなく英人が築いた過去がある」と、褒めてくれた。
今更『親の七光り』とは言わせない、と。


いつだって千城は英人の不安を払拭してくれる。
安堵できる場所を知るからこそ、何にも逆らうことはしない。
家に辿りついては、最初のキスだけで焦らされていた英人は、続く欲求を訴えていた。
「お風呂…」
「御意」
何もかもを包んでくれる腕を知るからこそ、甘えて、いつものように『何も心配しなくていい』と安心させてほしかった。
玄関から直行のバスルームは、身綺麗になって千城に全てを預けられる空間でもある。
隠すことなど何一つない。

この先に待ち受ける、どんな荒海も、一緒に乗り越えていける…。

バスルームで完起ちになった英人自身を蔑むこともなく、次の日の日程を思えば、無茶な行動には出ない。
あくまでも『洗う場』にした千城は、湿気を纏う英人の体を抱き上げて寝室に向かった。
英人を包む、何よりも安心した空間を惜しげもなく与えてくれる。
羞恥心などとうに捨てたのかもしれない。
だけど千城を前にしては、ウブな時が甦る。
平然と足を広げた過去などもう、英人には存在していなかった。
恥じらいを持ち、足を閉じた太腿を千城は徐々に広げて暴いていく。
最奥の蜜はとても甘く美しかった。
後孔を舐められて解されて…。
掌に包まれた陰茎は透明な蜜をたらして快感を貪る。

「あ…っ、千城…っ」
体内の感じる場所を指先で擦られては、体を撥ねあがらせた。
一番そばにいる人を求めていた。
「も…、いれ、て…」
喘ぎ声の狭間で貪欲に欲する体を隠しもしない。
両手を差しのべれば、目の前の体が近づいて抱かせてくれる。
僅かに浮かんだニヒルな笑みさえ、征服された感情をかき立てた。
首を抱き、頭部に埋めた指が、更なる刺激を望んでいた。
ぎゅっと抱きしめる腕の力と比例したように後孔が閉まる。

千城の満足が英人の全てだ。
「英人。心配するな…。おまえの誘蛾灯になってやる。どんな輩も近づけはしないから…」
耳朶に吹きこまれ、望みの通り、灼熱が秘部にあたった。
締めつける力さえ、なんてことないように潜り込んできた。
「あ…っ」
喉仏が晒された。
体中に『証』を残した千城でさえ、英人の働く場を守って、見えるところに落しはしなかった。
なにもかも、刻まれる。
チュウっと痛みを伴って吸い上げられた先に、興奮の嵐は止まらない。
徐々に征服される。
体内にいっぱい広がる熱が、一層英人を昂らせた。

心地よい瞬間。
脳みそが沸点に、そして身体の奥底も絶頂に達した。
互いに放出した白濁液は千城も英人も「ひとつのもの」だと知らしめた。
鮮やかな『紅』が咲き誇る。
決して離れない、交わったものとして…。
また、一個人として…。

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コメント

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全世界に配信だぁー!(★^〇^★)
コメントけいったん | URL | 2013-07-30-Tue 12:17 [編集]
有名なカメラマンの湯沢の息子ですものね!
英人も 全世界にお披露目しなくちゃ~ヾ(≧▽≦)ノわくわく

腐レンジャーも 全面的に バックアップするよ!ヾ(*^。^*)ノ いえぇ~い

でもー 何だか… 
英人の存在が 遠くになる様で ちょっと淋しいです(-´ω`-)シュン
けいったんさま こんにちは
コメントたつみきえ | URL | 2013-07-30-Tue 15:28 [編集]
はい、配信開始でーす。
でもね。どこまでも世界に飛び立っていっても 英人は英人なんだよ~。
だから淋しがらないでね。

腐「「「腐レンジャーはいつでも味方に!!!」」」

保護者「「「ウザいから消えろ」」」

腐「「「(;_;).・゜゜・(/□\*)・゜゜・(ノд-。)」」」

無邪気なお子様たちがきっと慰めてくれるはずです。
「かき氷っ」
「あかっ(いちご)」
「あおっ(ブルーハワイ)」
「いえろー(ばなな)」
「みどりっ(やさい)」
「むらさきっ」

(むらさき…???)
ナスはおいしく食べられるのでした。
(腐上司っ、そこはかぶりついちゃだめなの~っっっ……どんなに美味しくても…)

コメントありがとうございました。
(つか、私がはしゃいでいる????)
あれ?
コメントさえ | URL | 2013-07-30-Tue 21:33 [編集]
きえちん、かき氷のシロップがおかしなことに?
緑は野菜じゃなくてメロンじゃない?
黄色もバナナよりはレモンかな~。
紫はブルーベリーくらいでどうかしら?
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