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BLの丘
木漏れ日 54
2013-09-15-Sun  CATEGORY: 木漏れ日
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


瀬見の指がグルっと回された。
時計回り、反時計回りと何度か繰り返される。
擦られたこともない場所を何者かが蠢くのは、奇妙な感覚で、むずがゆさを運んでくる。
ゆっくりと引き抜かれて、また戻ってきて…。
そのたびに括約筋に力が入るものの、何度も往復されていると、自然と馴染んできて力が抜けた。
頃合いを見計らったようにまた冷たい液が肌に触れ、更に入口が広げられる圧迫感に見舞われた。
「ぁうっ…んっ」
思わず上がってしまう声に、一瞬瀬見も動きを止めるものの、鳥海の前を弄る手が宥めるようにさすってくる。
そちらに気がそれ、息を吐き出せば、苦しくても徐々に収められる予定のものが進んでくる。
柔らかくされた襞は引き攣ることもなく、指はスーッと入りこんだ。
「鳥海、苦しい?」
少々の苦しさはあるのかもしれないけれど、耐えられないほどのものではなくて、鳥海は僅かに首を振る。
また同じ動きが取られ、瀬見は時間をかけて鳥海の緊張も身体の硬さも解していった。

「鳥海の体、綺麗だね。全体にピンク色になって…」
「ゃあっ」
瀬見は肌にくちづけることをやめない。
腰にも尻にも、太腿にも…。
それすらも肌を戦慄かせた。
言われたくないことは確かに鼓膜に届いてもっと鳥海を火照らせる。
自分がどんな体でいるのか、嫌でも脳裏に想像されてしまう。
「指に絡みついてくる…」
内壁がめくられて外気に触れる動きまで、鳥海は感じられるほど溶かされていた。

まっすぐに伸ばされていたはずの瀬見の指が、中で折れ曲がる。
内壁を突くのは、その触感でも確かめているせいだろうか。
押されるたびに奥の器官に響くものがあるのだが…。

ある一点だけは違った。

体に電流が走るとはこのことを言うのかと思える時間もなく、ダイレクトに身体が反応する。
「ぅあぁぁぁっっ!!」
鳥海は咄嗟に逃げを打とうとしても痺れた身体は言うことを聞いてくれなかった。
瀬見の手に握られた雄が、激しくピクピクと跳ねるのが自分でも分かるほど…。
否応なく、荒い息がこぼれる。
…な、なに、これ…。おかしくなりそう…。
体を駆け抜けたものに対して、恐怖心が湧いた。
知らなかった世界に脅えがある。こんなことは想像もしていないもので、同時に押し寄せる、未知なる世界は興味もあり、言いようのない興奮まで孕んでいる。

全ての動きを止めた瀬見が、「鳥海?」と気遣わしげに尋ねてきたが、その声も鼓膜に届いているのか霞んでいた。
一瞬の出来事だったはずなのに、脳も身体もついていっていなかった。
少しの間をおいてから、「ここ?」とまた確認するように今度はさすられる。
またビクンッと鳥海の背が反った。
「ゃぁあっっ」
意図しなくても声は喉奥から吐き出されてしまう。

瀬見は一瞬の躊躇いを見せてから、中に入れていた指を抜いてしまった。
そのことに驚いたのは鳥海もだったけれど、次の瞬間には身体が反転し、目の前に瀬見の顔が見えていた。
握った枕はそのままだったけれど、視界を覆ってはいなかったのだから…。
「あ…、瀬見、さ…」
鳥海は滲む視界の向こうに瀬見を見る。
辛そうに眉根を寄せ、額に玉のような汗を浮かべ…。
枕を取り上げられて、覆いかぶさってきてはじっとりと濡れた瀬見の肌を感じて、頭を抱えられてくちづけられた。
すぐ耳元で掠れた声が聞こえる。
「鳥海…、ごめん、…止まれないよ…」
まるで許しでも乞うかのように、鳥海の股間に瀬見のいきり立ったモノが押し付けられた。
鳥海の肉茎にまで伝わったローションのヌルヌルとは違うものが滑りを良くしている。
それからまた片手が伸びて、秘めた場所を撫で、スッとその中に二本の指を潜り込ませてしまった。
「はぁっんっ…っ」
空洞になった場所がまた埋められる。
その指がまたあの場所を掠めた。
「あっ」
鳥海は強すぎる刺激に全身を戦慄かせて、落ちついてから瀬見を見上げた。
思考も動きも全くついていけていない。

打ち寄せる波のように、瀬見から幾度ももらうもの…。
「ここに、俺のを挿れたい…。鳥海の熱体の中で翻弄されたいんだ…。そして、なにより…、鳥海に俺を知ってほしい…」
切羽詰まった声音は懇願だった。
瀬見の想いが痛いほど伝わってくる。
最初に瀬見を信じたのは鳥海のほうだったのに、と思い返して、頷く。
「う、ん…。か、勝手に、声が…」
「堪えなくていい。聞かせて…。鳥海の、ソノ声…」

なんだか、すごく恥ずかしいことを言われている気がしたけれど、今の鳥海は首を縦に動かすことしかできなかった。
瀬見がまた鳥海の口元に唇を寄せてくる。
「『嫌よ嫌よ、も、好きのうち』と思って聞いておくから…」
つまり、もう、鳥海の一言ずつに、動きを止めることはないということなのだろう。
ニッと笑った瀬見に、気を反らすための冗談だという雰囲気があって、思わず「ばか…」と頬を染めながら、重ねられる唇を受けた。
瀬見も窮地に追い込まれているのであろうに、鳥海を優先してくれる優しさを彼処に感じる。
とても胸を穏やかにしてくれるものだった。
鳥海の口腔内を一巡りして、瀬見の体が起きあがる。
足を開き、膝を立てて、おむつでも代えられる幼児かと思わされる体勢のなか、瀬見がローションを次の三本目の指に垂らしていた。
その光景を見て、こうやって徐々に拡げられていた手順を目の当たりにする。
二本の指がV字のように広げられる。
中を覗きこまれるような眼差しが見えた気がして、鳥海は瞼を閉じた。
一度一本が抜かれて、新しい指が入りこみ、その隙間に、先程の指が押し込まれるようにされて、後孔の入り口は今まで以上に広がった。
「あっ、あぁぁっ、…っっんっ…っ」
ただ、痛みだけがない…。

視界がないぶん、瀬見の動きが如実に伝わってくる。
もう片方の掌が鳥海の性器を包み込む。
体を倒した瀬見の唇が左胸を食み、舌が転がすように赤く熟れた実をしゃぶった。
同時に与えられる幾つもの刺激は、確実に『快感』だった。
内筒の中にある電源のような場所を執拗に攻められると、嫌でも射精感が高まって分身が痛いほど膨張する。
「あっ、だ、め…っ。…イ…きそ…」
喘ぐ声の間に、願望が吐き出されれば、胸を舐めることをやめた瀬見が一層近づいた。
「…鳥海…、つかまって…」
股間から離れた手が鳥海の手首を掴んで持ち上げる。
鳥海は何の迷いもなく、両腕を瀬見の首に絡ませた。
すぐ近くにいてくれること…。…安心できる胸にいだかれる…。
不安ではなく安心感が心を満たして眦に涙が浮かんできた。
腰の下に腕が回り込み、後孔から引き抜かれた手は、鳥海の片足を抱え上げた。
閉じそうになる秘孔に、火傷しそうなほどの熱棒が押しあてられる。
「う、み…」
声が聞こえたのと、微笑まれたのと、…今までにない激しい衝撃が訪れたのはほぼ同時。
体を貫かれる撃波に背が反り、喉が晒される。
「あぁぁぁぁっっっっ…っ!!!」
絶叫マシーンでも聞かれなかった叫び声が、部屋中に響いて、すぐ、性器の出口まで駈けあがった精液が噴出していた。

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(* ̄  ̄)d[ムセン] 『こちら瀬見。潜入完了しました』
『…さっさと出ておいで…』
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コメント

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こ、これはいわゆる
コメントちー | URL | 2013-09-15-Sun 05:47 [編集]
おはようございます。
今日は、朝から雨です。珍しく予報が当たった。
台風も来るみたいですが、皆様のオウチは大丈夫でしょうか?

鳥海くん、とうとう大人に・・・
しかも、初めてなのに。
ところてん・・・
スゴいなあ。瀬見ちゃんを誉めるべきか、鳥海くんの素質を誉めるべきか(笑)
そして、瀬見ちゃんはまだだから続くのね。
にぃもエクレアちゃんと頑張れ、ところてん。


にぃにぃずからご帰宅したにぃ。

「ただいま~。藤里~?」

ミャミャミャ。ミュゥミュゥミュゥ。

「バニラぁ、ビター、ただいま。藤里兄ちゃんは?」

ニャニャニャ。二匹の後をついていけば。
お母さんとお父さんの間で眠る藤里がいた。
バニラとビターは、藤里の頭の上でコテンと丸くなって眠ってしまう。

「仕方ねえ、今夜はお前らに貸してやるよ」

小さな仔猫達にくっつかれてスヤスヤ眠る藤里は、とても愛らしかったけれど。

「なんで、お袋達と寝てるんだ?」

疑問に思ったにぃであった。
Re: こ、これはいわゆる
コメントたつみきえ | URL | 2013-09-15-Sun 06:22 [編集]
ちーさま おはようございます。
今日は雨模様。こんな日にお出掛けです(>_<)
もうすぐ時間だから、ささっと書いてまた来るね。

> 鳥海くん、とうとう大人に・・・
> しかも、初めてなのに。
> ところてん・・・
> スゴいなあ。瀬見ちゃんを誉めるべきか、鳥海くんの素質を誉めるべきか(笑)
> そして、瀬見ちゃんはまだだから続くのね。
> にぃもエクレアちゃんと頑張れ、ところてん。

瀬見ってば、忍耐力の限界に挑戦した模様。
ま、一度吐き出してるから、多少の余裕も生まれたのでしょうが、その後の鳥海の煽り方がすごかったからね(笑)
持てる限りの技でも使って鳥海を追い詰めたのかしら。

余談ですけど
熱体(ねったい)って私の造語なんですけど、この時思ったのが『熱体鳥海倫(ねったいうみりん=熱帯雨林)』で
どんだけスコール降らせているんだろうって頭を過りました。
もう(湿度の中)体中ベタベタ…。

にぃ。そこは抱き抱えて連れていかないと。
目覚めて無意識に縋ってくる藤里ですよ、きっと。
淋しかったんだよね~。

コメントありがとうございました。
☆⌒*晴れ*⌒☆∑( ̄◇ ̄:)エッ!? 台風は!?
コメントけいったん | URL | 2013-09-15-Sun 09:32 [編集]
ゴール到達、おめでとう♪(=´∀`ノノ゙☆パチパチパチ
この言葉を 瀬見に 鳥海に そして きえちんに贈らせて頂きます(笑)┏○))ペコ


言葉で伝える愛 それだけでも 幸せだけど
でも 不安を感じるのなら やはり 体でも愛を伝えて欲しいもの

鳥海も 瀬見も 少しは不安が消え 心が落ち着いたかな?
まぁ 恋人になったら なったで 別の不安が出て来ますが…(苦笑)

今日から明日と、台風が来る!
天気予報は ☂マークで 降水確率100%!
なのに 今は 昨晩からの雨も止み 少し晴れ間も見えてます(@∇@)へ?
起きてから ずっと 如何しようと 悩んでいた洗濯も 遅まきながら 今しています。
これから もし大雨になっても 仕方がないと 諦めます(苦笑)
(/・ω・)/∞ ┣bd━凹━▽┫オセンタク♪ルン♪
おはよう~♪
コメントさえ | URL | 2013-09-15-Sun 09:53 [編集]
午前3時半から雨だよ~。←4時過ぎに寝たからしってるf(^_^;)
うみちゃんがとうとう瀬見のお手付きに…。
瀬見ちゃん我慢の限界だったね~。無意識の煽りほどくるものはないよね~(*^^*)
で、にぃは一人寂しく寝るのね~。
きっと朝になったら藤里がくっついてるよね。

皆様、台風接近中です。お気をつけて~。
と、言いながらセールに行ってきま~すε=ヾ(*~▽~)ノ
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