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BLの丘
ただそこにいて 20
2011-09-13-Tue  CATEGORY: ただそこにいて
R15 ちょっとした性描写があります。閲覧にはご注意ください。


吉賀の唇が俊輔の頬を撫でる。
滑っていく指先が温かくて気持ちいいのに、素直に溺れられない。
「ごめん、吉賀…」
「俊輔…」
吉賀自身を拒絶しているわけではないけれど、受け止められ方はそう捉えられてしまうのだろう。
悔しそうな表情を浮かべて見下ろしてくる吉賀に、これ以上はダメだと伝えても、俊輔の上に乗った吉賀はどかなかった。
ヨレた衣類を捲り上げられる。
「ちょっ…っ!?吉賀っ?!」
「好き…」
…返事になってないっ…!
じっとして吉賀の唇を感じてしまっていた俊輔もさすがに事のヤバさに気付く。
このままの流れで体を奪われるのは本意ではない。
吉賀のことは好きではあるけれど。彼からの告白は願ってもいない嬉しさだけれど。せめて吉賀と並べるくらいの身分になってから聞きたい言葉だった。

「吉賀っ!やめっ…っ!!」
「何で?!そんなに先生がいいの?!」
「ちがっ!…そうじゃなくてっ!!」
「じゃあ何?!俺、俊輔が先生とイチャイチャベタベタするとこ、もう見たくないっ」
「イチャイチャベタベタ…って…っ」
そんなことをした覚えはないのだけれど…。
これもやはり、受け止め方の違いなんだろうか。

「吉賀っ、とにかく、待って…っ!」
「待ったらどうするの?!」
「どうする…って…」
「俊輔、俺のこと、嫌いなの?」
「そんなこと、ないけど…」
「じゃあいいじゃん」
「良くないっ!」
そんな簡単に割り切れるほどできた人間ではない。経験もないのだからスマートにこなすことだって無理だろう。
再び潜り込んできた吉賀の手に体がピクリとして粟立つ。
大人しくキスを受け入れたことは、俊輔の隠した気持ちを吉賀に伝えてしまっていたのかもしれない。
誤魔化しきれなかった未熟さも俊輔を後悔させるものになる。
…本当は好き…。でも自分を取り巻く環境から素直になることなんてまだできない…。

胸元までめくり上げられたシャツの下から、赤い突起が空気に触れた。
「よしっ…っ…、あっ…」
「可愛い…」
母親の乳を飲みたがる子供のように吸い付かれて、俊輔から驚きと快感を混ぜた声が漏れた。
ベッドの脇に伏せられた体は、力で吉賀に敵うはずもなく、逃げ道が一つもない。
更に強制的に与えられる刺激が俊輔の体を快楽の海に引きずり込もうとしていた。
舐められて甘噛みされる初めての体験は背筋までゾクゾクと痺れさせる。
もう片方も指の腹で捏ねられて抓まれた。
濡れたピチャっとした音が肌の上を這い上がってくる。
「よし…かっ…!」
「体、嫌がってないじゃん」
俊輔では気付かなかった。そっと足の間に割りこませられた吉賀の重なった中心が、布地の上からでもはっきりと分かる熱を帯びて俊輔のソレに当てられた。
いつの間にか俊輔の雄も上を向いていたことを、吉賀の行動によって知らされる。
簡単に反応してしまったことを、浅ましい人間だと言われているようで嫌悪感が走った。
「吉賀っ、やめてっ!」
「俺のになってよ。誰にも何にもさせないから…」
「吉賀っ!!」

もしかして…。
津和野への対抗心がこの行動を生んでいるのではないかと、ふと思う。
本当に欲しいのは俊輔自身なのか、それとも、先に津和野に体を見せてしまった俊輔に対して悔しさからなのか…。
同じような意味かもしれないけれど、俊輔の中では大きな差があった。
後者であるなら、ますます吉賀に身を委ねることなどできない。

『俊輔のためならなんだってする…』
先程囁かれた言葉が、意味をなくして俊輔の脳内に木霊した。
…だったら、いますぐに、この行為をやめてくれ…と…。

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