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BLの丘
ただそこにいて 62
2011-10-25-Tue  CATEGORY: ただそこにいて
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


どう反応しようか悩む俊輔の前で、吉賀は掌の上でじっくりとローションを温めていた。
全てはダレかさんの受け売りなのだろうとそれとなく知れてくる。
一体どんな指導をしたのか…。いや、もちろん、俊輔だって言えたものではないが…。
滑る液体を後孔の上にまぶされ、静かに押したり撫でたりする動きに、嫌でも俊輔の息は上がってきた。
一瞬、この状況に萎えかけたものがあったとしても、昂っていた熱はあっという間に全身を駆け巡っていく。
時々ツプツプと入りこんでくるのは指の第一関節だけ。その動きのもどかしさに、嫌でも腰が揺らめいてしまった。
「やぁっ、吉賀…っ!!」
「すっ…げ…。…っ…」
ゴクリと唾を飲む音すら聞こえてきそうな喉の動きが視界の上を掠める。
以前の拒絶とは明らかな違いを吉賀自身も感じていた。
慎重なのは有り難いが、今の俊輔にはただのじれったさでしかない。
厭らしさを強調するような動きは避けたいのに、本能から生まれるおねだりは際限がなかった。
「よし、か…、もっと…」
その一言一句がいらぬ誤解を与えることくらい、百も承知の上。しかし、求めるものが止まらずに疼きだす。
「俊…、まさか、経験済み…?」
最大の疑問を投げかける吉賀に、冷やりとしたものが背筋を這った。だけどぶるんぶるんと首を振るしかできない。
咄嗟に浮かんだ言い訳は、自分でも感心できるほどのものだと思った。

「ちが…、…前…」
吉賀の目の前には、いつ弾けてもおかしくない張り詰めたものが存在を表している。
中途半端に弄られ、しゃぶられ、その放置状態は、吉賀でも理解できるものだったのだろうか。
「あ、ぁ、…、ごめんな…。俺、自分のことばっかで…」
吉賀はきっと、いや、絶対に繋がってから俊輔を達かせたいのだろう。
思えば伊佐は、俊輔にさほど我慢をさせることはなかった。
というより、伊佐との間でこんなに興奮することがなかったというべきなのか…。
吉賀とは何もかも、勝手が違っている。
もちろん、比べることがおかしいことであるのだとは充分理解しているが…。

「大丈夫?痛くない?」
気遣うのは過去があるから当然のことで…。
それでも嫌悪感を表さない俊輔に気を良くしたのか、吉賀の太い指が体内を擦りながら入ってきた。
コクコクと頷くのと、俊輔が感じる部分に吉賀が触れたのと、どちらが先だったのだろう。
慎重な分、ゆっくりとした動きにビクビクっと全身が震えあがった。
「あぁぁぁっっっ!!!」
一瞬にして吉賀の動きが止まる。
「え?…あ、まさか…」
前立腺という存在があることを吉賀は知っていたらしい。そして無意識に触れてしまったらしい。
俊輔が大きく戦慄いたことで、吉賀の指が、偶然から故意に変わった。
「どこ…?…ここ…?」
「あぁぁっ!!」
触れられなくても跳ねる性器は与えられる刺激の強さを充分なくらいに物語っている。
同時に機嫌を良くした吉賀は、ローションを継ぎ足しては次の指を入れ始めていた。

「あっ…やっ、んっんぅん…、だ、…そこ…」
執拗に追いかけまわされ、小さな膨らみを擦られて、俊輔は意識も怪しくなってきた。
自分で手を伸ばしてしまいたい…。だけど、そこまで浅ましい姿を見せてしまったら、完全に引かれるのではないかという焦りも掠めていく。
「あと、もう少し、我慢して…。…っか、俺が…」
吉賀の呼吸も乱れてきていることで、焦りと興奮と戦っているのが伝わってくる。
だけどどうにか留まっているのは、やはり過去の経験があるからなのだろう。
後孔に入れた指を少しの間止める。一拍の間の取り方が何とも言えない疼きを与えてくる。
三本目の指が潜り込んできた。
そのキツさはこれまでと違っていた。
「んっ、クぅ…っ」
「ダメ?まだダメ?」
思わず力が入り締め付けたことで、再び吉賀の動きが止まる。
先を急ぎたい気持ちが充分伝わってくるから、過去を振り返ろうとするのだが、無我夢中で過ぎてしまった時はほとんど俊輔の記憶の中に残っていなかった。
「俊輔…」
体を折り畳んできた吉賀が俊輔の唇にそれを重ねてきた。
固まる体からフッと力が抜けたことを、体内に入ったものが感じ取るのか。緩やかな動きが再開される。
「…ぁっ…っ…、ふぅ…ん…」
体が重なったことで、腹部に当たる肉棒の熱さを感じ取る。
この感覚は覚えている…と、思わず俊輔の腰が浮き上がり擦りつけようとした。
だけどその前に吉賀の体が起こされ、離れていく。
「んっあ…っ…っ」
嫌でも揺れてしまう腰を見つめられ、また吉賀の喉がゴクッと鳴った。

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コメント

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No title
コメント甲斐 | URL | 2011-10-25-Tue 22:10 [編集]
とうとう、とうとうなんですね
ひそかな特訓(?)の成果を見せてもらいましょう
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-10-26-Wed 07:03 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> とうとう、とうとうなんですね
> ひそかな特訓(?)の成果を見せてもらいましょう

やっと~~~!
いろいろな特訓をしてきましたね~。
若気の至りで傷を負ってからようやくここまでやってきました。
さぁ、頑張ってもらいましょう。
コメントありがとうございました。

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