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BLの丘
2011年 クリスマスツリーの下で 2
2011-12-17-Sat  CATEGORY: 『想』―sou―
ホテルのチェックインは、何の問題もなくすんなりと通過した。
もちろん、全員スイートルーム(いろんな意味でちょっとずつ内装がちがうけど)である。
ホテルの最上階にある2室に千城と英人、安住と一葉が滞在し、残りは下の階での宿泊となった。

宮原「美琴さーん」
野崎「バスルームの使い方が分からないわけではないでしょう?」
宮原「ジャグジーだよ、ジャグジー――っ」
野崎「あー、はいはい」
宮原「高級感に慣れ親しんでいる人、なんか、やだな…(俺喜んでるのに感動が薄い…)」
野崎「嫌なのですか…(しょぼーり)」
宮原「いやいやいや、ちがうからっ。頼りにしてますっ(ここに泊まれるのは誰のおかげかと…)」

雅臣「すごいーっっっっ!!!見学じゃないんだよっ、泊まれるんだよっ」
龍太「…そのようですね…。社長のお言葉を聞いたら、全室案内してくれそうですが…」
雅臣「いくいくいくいくっ」
龍太「あのね…、雅臣さん、何しにここまで来たんですか…(溜め息)」
雅臣「えー。ホテル見学?」
龍太「(観光場所、違ってるよ、この人…)」

ツアー客はレストランで好き放題の料理を平らげていた。
榛名の名前があるだけに、呼べば、語れば、日本語でもすぐに対応してくれるスタッフがいた。
普段使い慣れた言葉が通じるのは、誠にありがたいことだった。

千城「カジノはいつでも楽しめるだろう。明日は何したい?」
英人「一葉くんがね、ぐらんどきゃにおんって言ってたよ」
千城「あぁ、セスナでひとっ飛びだな」
英人「俺、絵、描きたいな~って思っちゃったんだ。せっかくだし。夕焼けとか、朝焼けとか綺麗そうだよね」
千城「ホテルをとらせよう。滞在できれば慌ただしくなくていいな」(←)

安住「一葉。榛名さんがグランドキャニオンまでの手配を済ませてくれたよ」
一葉「ほんとに~(笑)」
那智「どこまで行くんだろ(おどおど)」
久志「ついていくしかねぇなぁ…」
日野「行くところまでいくしかないか…」
神戸「なんでも任せておけばいいんだよ」
日野「…だからさ。その気楽な発言はなんなの…」
英人「日野、嫉妬してる~((*´∀`)ケタケタ)」
日野「甘えぶりを心配するほうだけど…」

宮原「あー。俺もいきてーっ」
野崎「別行動、ご希望だったのではないですか?」
宮原「……(悩む)……」(せっかくここまできてこの先をどうしようか…)
観光と愛撫はまた別の話だ…。

龍太「お願いしますから、一緒に行動してください。もう、迷子は勘弁ですよ~」(秘書の迷子はないけど…言い訳につける。宮原の気持ちも読んだできる添乗員)
安住「そうだね。皆さん一緒ということでいいでしょう」(←鶴の一声)
佐貫「確かに守りやすいな」
千城「安全が確保できるのは一番良いことです」

野崎「(瑛佑はみんなについてくんだね…)」(←えっ?!みこっちゃんっ)
宮原「嫉妬?!嫉妬?!ちょー、うれしーっっっ」(抱きついて蹴飛ばされる)
千城「現地で自由行動すればいいだろう。宮原君だって行きたいんだ。連れていってやれ」
過去、あまり旅行になど連れていってあげられない現実を、雇い主は充分なほど知っていた。
断れない、ありがたい誘いでもある。
そこまで忙しくさせるのは誰なのかと恨み事も聞こえそうだが…。
翌朝、一同、グランドキャニオンまでのセスナ機に乗ることになった。
小型のセスナ機は、同行メンバーでいっぱいになってくれる。

長年の年月によって作られた地形をバスに乗って一日、感慨深く見学する。
大きな地図を広げられて、「今日見学したのはここです」とほんの、指先程度の場所に、その壮大さを知った。
一葉「こんなに広いのっ?」
那智「でかっ」
成俊「すごいんだね…」
雅臣「今日は天気も良いですし、特別な夕焼けが見られますよ~」
まだまだ広がる観光景色に、案内する側も力がこもる。
誰もが満足してくれることが、なにより嬉しい。
そして、自分も…。

龍太「(ボソ)雅臣さん…。社長の懐に甘えて、一番いいところを選んだでしょ…」
雅臣「うるさいっ、添乗員っ」
龍太「いや、まぁ…。黙ってますけど…」
好奇心旺盛なのもいいが…。
急な移動にもすぐさま対応した。その先に待ちうけていたホテルは、星を幾つも付けられるようなところ。
こんな機会でもなければ寄ることのできない場所。
みんながみんな、うまく、人を利用していた…。
知らぬが仏…とはなんとやらである。

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コメント

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No title
コメント甲斐 | URL | 2011-12-17-Sat 14:18 [編集]
旅行会社勤務の二人も感激するゴージャスなお部屋なんですね

かわゆい英人の望みなら何でも叶えてあげたい甘々のダーリンだわ

アメリカで自由行動なんてとんでもない!
悪いおじさんに攫われて売っぱらわれても知らないよ
高額で売られそうだもの、愛らしい東洋の少年って
首輪しときましょうよ
迷子防止にロープで繋いでおく?保護者たち
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-12-18-Sun 10:33 [編集]
甲斐様
こんにちは。

> 旅行会社勤務の二人も感激するゴージャスなお部屋なんですね
>
> かわゆい英人の望みなら何でも叶えてあげたい甘々のダーリンだわ

何でも叶えちゃう、素晴らしい人です。
旅行会社人間も、滅多に泊まることなんてないだろうし。
特別待遇は添乗員にも与えられるんですね。

> アメリカで自由行動なんてとんでもない!
> 悪いおじさんに攫われて売っぱらわれても知らないよ
> 高額で売られそうだもの、愛らしい東洋の少年って
> 首輪しときましょうよ
> 迷子防止にロープで繋いでおく?保護者たち

カップルで自由行動♪
そりゃ、お子様たちだけでの自由行動なんて許されませんよ。
気付いたらどっかのショータイムとかに乗せられていそうです(←)
迷子防止策、どうしましょうかね。
ロープ(笑)
えぇ、もう、どこかに行きそうになったらクイクイって反応するようにね。
保護者だけでなく添乗員も気付くように何本も…(゚∀゚)
コメントありがとうございました。

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