2ntブログ
ご訪問いただきありがとうございます。大人の女性向け、オリジナルのBL小説を書いています。興味のない方、18歳未満の方はご遠慮ください。
BLの丘
新しい家族 29
2012-02-06-Mon  CATEGORY: 新しい家族
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


突然聞かされた和紀の告白は、一瞬日生を動揺させたが、それよりも全ての現実を事実として確信したい思いにかられた。
抱きついた体は昔と同じように愛情をもって抱きしめ返されたことで、安堵となって広がっていく。
体を返した日生は和紀の太腿を跨ぐようにして座りこむ。
大胆な行動に和紀も驚きはしたが、無邪気な行動は日生ならではなのだろう。何も知らないからこそ感情のままに突き進んでくる。
その無垢さが、和紀には怖かったのだろうかと自問自答してしまう。
日生は確認するように和紀の首に両腕をかける。
啄ばむようなキスから口腔内をまさぐられるくちづけへと求められるものが激しくなる。
今までの一方的に押し付けてくるものより、日生の思いを汲み取るような優しさが滲み出ている動きに、日生の全身が溶かされていく。
和紀に弄られて勃ちあがった日生の分身とは違って、触りもしないのに硬さを蓄えた和紀の怒張を感じる。
「…ふ…ぅ…っ」
「ひな…」
囁き合う声が水音に混じって鼓膜に響く。
今では傷跡も目立たない、白い背中を和紀の掌がさすっていき、その指が後孔の上を撫でた。
「ぇ…?」
そこを触られたのは初めてのことで日生は逆上せそうになる頭に冷や水を浴びた気分になった。
「わ、…わき、くん…?…、そんなとこ、やだ…。触んないで…」
熱棒を擦り合わせての満足しか味わったことがない。前を弄られることはすでに慣れた行為だが、初めてのことは当たり前ながら抵抗が生まれた。
ましてや排泄器官に対する意識は汚いものというものだった。
「ひな、全部見せて…。ひなが俺を認めてくれるなら、もう我慢はしない…」
「わきく…」
「その全てが俺のものだと教えてくれ…」
『全て』…。
今更何を言う必要もないくらい、和紀のものだと思っていたのに、和紀は違うのだろうか。
望まれることがあるのであれば何でも受けてやりたいと思う。それが恥ずかしいことでも…。
そう思うから抱かれることもすんなりと受け入れられたはずだった。
自分から和紀の膝を跨いでしまったために閉じようがなくなっている。おまけに背を押さえつけられていては身動きもとれない。
普段弄られない部分を触れられるのは緊張感も恐怖心も生みだす。
体が硬くなる日生を感じるのか、和紀は宥めるように背をさすり、頬や首筋などいたるところにくちづけを落としていく。
こんな温かみのある行為はこれまで感じられなかったことだった。
時々肌を密着させた間で擦れる性器が日生の理性を薄れさせていった。
揉みこむように後孔を弄っていた指が、つぷっと潜り込んできたことで日生の体が固まった。予想していなかった動きだったと言っていい。
「ひな…、力抜いて。傷つけるようなことはしないから、安心していいよ」
不思議な感覚だ…。和紀の言葉一つで日生の構えてしまうものが緩んでいく。
日生を弄る動きも慎重で、包み込まれる愛情を感じるからだろうか…。
「ん…」
小さく頷いては、和紀の首にしがみついて、和紀の呼気を耳朶に受けた。
瞼を閉じることでより一層、指の動きを感じた。
ゆっくりと入り込んでくる物体は異物感を与えてくるが、痛みなどはない。
「ひなの中、熱い…」
指先が感じているものを伝えてくるのだろうが、自分では内筒の状態は分からない。
数度抜き差しされて、内壁を擦られることにも慣れてきた。
腰が浮きそうになるのを押さえられて、日生は新たな圧迫感に見舞われた。
「あ…、和紀く…、苦し…」
「まだ二本目だよ。狭いな…。…そのまま力を抜いていて…」
言われたことに日生は素直に頷く。浅い呼吸を繰り返せば、苦しさも消えていくようだった。
きゅうきゅうと締め付けていた後孔が少しばかり余裕ができたような感覚を纏った後、指はバラバラとかきまわすように動きだした。
温かな液体が潜り込んでくる違和感に体が震える。
「あっ、和紀くんっ、…お湯が…」
再び締め付けたことで、指の動きは止まった。同時に珠のような汗を浮かべた和紀が指を引き抜き、日生を立ち上がらせた。
「俺のほうが逆上せそう…。続きはベッドで…。いいだろ?」
この先の行為のことを日生は何も知らないでいる。
問われたことに対しても頷く以外の返事などできるわけがなかった。
ただ分かるのは、これまでの冷たい態度とは一転して、日生を求める想いが強く滲み出ていることだろうか。それは日生を酷く安心させてくれるものになる。
「うん…」
指が抜かれた内筒はまだものが挟まっているような違和感を残していた。
軽く水滴を拭われた体に、前の部分だけバスタオルを押し当てた格好でひょこひょことベッドルームまで歩いていく。
和紀はアメニティの中から何かを探しているようで、一歩遅れて日生の後に続いてきた。
こちらは何一つ隠すことのない堂々とした振る舞いである。
ベッドルームはダブルサイズのベッドが二台並んだツインルームだった。
日生はあまり意味をなさなかったバスタオルを床に落として、手前のベッドに潜り込んだ。
肌触りの良い柔らかなリネンが、素肌を気持ち良く包んでくれる。
日生の背中側から入ってきた和紀の体温は、バスルームで感じていたものより熱いような気がした。
湯という二人の肌を覆っていたものがない分、互いの素をより深く味わえる。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ 
ポチっていただけると嬉しいです。
関連記事
トラックバック0 コメント2
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
あれ?
コメントちー | URL | 2012-02-06-Mon 21:55 [編集]
あれ?あれれ?
ひなちゃんたら・・・
まさかまさか。初めてですか?

お兄ちゃんたら、最後までしてなかったんだ。ビックリしたあ。
いや、良かった。
あのオヤジに変な事、されてなくて。

あー、だから保育園無理だったんだ。
そうですかあ。

あ、きえさん。少しお暇に?
また、お忙しくなるのかなあ。
嬉しいけど、無理しないでくださいね。
Re: あれ?
コメントたつみきえ | URL | 2012-02-07-Tue 11:41 [編集]
ちー様
こんにちは。

> あれ?あれれ?
> ひなちゃんたら・・・
> まさかまさか。初めてですか?

(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
ねぇ~、初めてだった…らしいです。

> お兄ちゃんたら、最後までしてなかったんだ。ビックリしたあ。
> いや、良かった。
> あのオヤジに変な事、されてなくて。

最後までしていなかったのは確かだったんですけどね。
大事にしていたんでしょう。
あとは…、あまりにも無垢なので大人になるまで待っていたんですかね。
あのオヤジねぇ。自分の命を縮めるところでしたね。

> あー、だから保育園無理だったんだ。
> そうですかあ。
>
> あ、きえさん。少しお暇に?
> また、お忙しくなるのかなあ。
> 嬉しいけど、無理しないでくださいね。

保育園はなんだーかんだー言って凶暴(?)なのがゴロゴロしていますから~。
日生にはまだ早かったです。

できるだけ時間を作れるように努力しています。
その隙に書ければいいんですけどね~。
いつもご心配ありがとうございます。
体調管理も気をつけたいです。
コメントありがとうございました。

トラックバック
TB*URL
<< 2024/05 >>
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


Copyright © 2024 BLの丘. all rights reserved.