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BLの丘
ふたり 23
2012-05-03-Thu  CATEGORY: ふたり
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


ベッドに横たわり、まだ湿り気のある肌を包まれる。
旭の腰を跨った信楽が覆いかぶさるようにくちづけを落としてきた。
信楽のほうから意味を込めてくちづけられるのは初めてではないだろうか…。
うっとりとした思いを胸に、旭は信楽の動きを楽しむ。
よそよそしかった態度が変わってくれたのは、完全に旭を”恋人”として認めてくれたことなのだと思う。
つい、ほんの僅か前まで、「誰も受け入れない」と言っていたはずなのに…。
感情のまま突き進んだ旭の勝利だと微笑んだ。

口角をあげた旭に気付いたのだろう。唇を離した信楽が覗きこむように旭を見つめてくる。
落ち着いた暖かな瞳が降り注いで、指先が旭の唇を撫でた。
「嬉しそうな顔をするんだね…」
少しだけ、驚きも混じっているようだった。
旭は今更何が不思議なのかと首を傾げる。
「嬉しいよ。だって信楽さんがこうして俺のこと、見てくれるんだもん」
昨日も抱かれはしたが、旭が強請って、男としての欲求を抑えられなかった信楽が乗ってきただけだ。
たった一度、勢いでのことだったと済ませたかった信楽が、本気になってくれた。旭が信楽のものなのだという”痕”まで残してくれた。
それは当然喜ぶべき出来事である。
「こんな俺の何が良かったんだか…」
「こんな、なんて言わないで。信楽さんは優しいし、気はきくし、すごく落ち着いているし、せっかちな俺とは全然違うし。そんなこと言われたら、俺のほうこそ、騒がしいだけの俺でいいのかって思うよ」
「旭はその存在だけで人気があると思うけれどね」
「モテたことなんてないもんっ」
人から視線を向けられることは多くても、単なる興味的なもので終わってしまう。
それらを逆手にとって踏み込んだのが伊吹だったのだろうが、褒められても、今の旭には比べられることを快く思えなかった。
信楽に不安を抱かさせるような想像はさせたくない。
旭の発言に、ふふと笑った信楽がまた啄ばむようなくちづけをしてきた。
「こんなに可愛いのに…」
信楽の笑みには、その『可愛い』を手に入れられた喜びも混じるのだろうか…。

腕を伸ばして、もっと強く、と強請る。首筋に両腕を絡ませ、旭から差し出す舌が信楽の唇を舐めた。
気持ちを汲んでくれる信楽は、待たせることなく濃厚なキスへと変えてくれた。
すでに昂った下半身が、続く熱を求めて揺らめき、擦りつけようとする。
口腔内、歯列をなぞり舌を吸い上げられ、上顎を執拗に攻められた旭は、それだけでイきそうになっていた。
くねくねと動く旭をおもしろそうに見つめ、だけどいつまでも続けられるくちづけに呼吸が苦しくなり、逃れるように唇を離して大きく息を吸い込んではまた塞がれる。
「ぁっ、ふっ…っ、…っ」
ようやく放してもらえた時には、胸を上下させて激しい呼吸を繰り返した。
零れた唾液が顎のラインを流れ、信楽の唇は濡れた箇所を追いかけて動いていく。
ねっとりと肌の上に絡みついてくる舌使いは、昨夜とは違っていた。
本気でセックスを楽しむためのものに変わっている。
軽く吸いあげられたりたっぷりの唾液を零しながら舐められたり。ふぅっと息を吹きかけられては濡れた場所に異なった快感を這わせたり。
胸の実までしか辿り着いていないというのに、旭の性器はしとどに濡れ、どこかに擦りつけたくて仕方がなくなっていた。
乳首を指で抓まれて捏ねられて、強めに引っ張り上げられると痛みが快感に変化して体中を走り抜ける。
「あぅっ」
噛まれながら先端を舌で転がされ、何度も言葉にならない嬌声をあげた。
「し、…ら、…っ、あぁぁっ」
もうそこだけを嬲られるのは嫌だと思うのに、その反面でもっと味わいたい気持ちも生まれる。
信楽が自分の体で愉しんでくれていることが、喜びだった。

「しぃ…っ、あっ、も…っ」
一向に触れてもらえない腰が浮かびあがった。
信楽の腹につき、無意識に揺れる腰を、両手で掴まれ押さえこまれる。
離されては涙目で見上げて限界を訴えた。
それなのに冷静さを失わない信楽の声が耳に届く。
「旭、もう少し我慢して。先に一人でイかないでよ。無理なら縛っておいてあげるから」
一緒に極めたい気持ちを察すれば、また旭は頷いて受け入れるしかなかった。
信楽が望むもの…。
呼吸の一つにも乱れがない。
昨夜と違うのはこの点もそうだ。長いこと溜めこんでいたから、どこかで理性を飛ばしたところもあったのだろうか。
余裕を取り戻した雄としての姿。
吐き出せない辛さに、更に加えられてくる快感が旭を苛んでいく。自分で差し向けてしまいそうな手を、シーツを強く握りしめることで耐えようとした。
旭の肌の全てを確認するようにゆっくりと、下へと手のひらや唇が移動していった。
旭は何度も身体を捩ろうとして、大きな手に止められた。
先走りの滴は流れ続けて、股間と秘部の全てを濡らしている。
…あともうすこし…。
脳裏を巡る欲求はひたすら解放の時を待ち続けていた。

性器を信楽の手のひらがくるんだ。
それだけでビクビクっとまた大量の体液が零れた。
「はぁぁぁっっ!」
安堵にも似た溜め息と嬌声が混じり合う。
滑る性器を乾いた手のひらに弱い力で扱かれて、どれほど自分が大量の先走りを流したのか知らしめられた。
だけど羞恥よりも、イきたい気持ちの方が、今は強い。
「も、…だめ…」
旭の腰が、包まれる手のひらを求めて浮かび上がり押し付けようとする。
「し、ら…さ…っ」
『もう少し待って』…などと願われた信楽の言葉など、はるかかなたの方へと吹っ飛んでいた。

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旭…。・゚・(ノД`)・゚・。 (←え)

すみません、またGW後半、お休みをいただきます。
変な所で区切っているかも…しれませんが、お待ちいただきたいと思います。
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コメント

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ヤダァ
コメントちー(きちく) | URL | 2012-05-03-Thu 05:33 [編集]
とうとう、アマアマな世界に突入ですね。

信楽さんも、楽しそうで(笑)
そして、S発動してますねえ。
早く、縛ってしまえ!
(きちーくな発言してみた)

でもさあ、旭達をこのままにしてお休みしちゃうきえさんが、一番・・・
(私は、前の作品集読み直すから平気)

なんて、良い休日を!
Re: ヤダァ
コメントたつみきえ | URL | 2012-05-03-Thu 06:06 [編集]
ちー様
おはようございます。
(なんかご一緒してたっぽい…)
そして"きちく"復活ですね(笑)

> とうとう、アマアマな世界に突入ですね。
>
> 信楽さんも、楽しそうで(笑)
> そして、S発動してますねえ。
> 早く、縛ってしまえ!
> (きちーくな発言してみた)
>
> でもさあ、旭達をこのままにしてお休みしちゃうきえさんが、一番・・・
> (私は、前の作品集読み直すから平気)
>
> なんて、良い休日を!

ラブラブな時間に突入したのは良いですが…。
相変わらず、"この日"はいつまで続くんですかね…。(焦)
まぁ、伊吹がいなくなって、一人身だった信楽も楽しんでいるようですから、気の向くまま進ませてあげましょう。
縛るかどうかは疑問ですが。
まだ夕方(お忘れかもしれませんが会社帰りの旭です)だし、時間はたっぷりあるし。
え?!私はきちくではありませんよ~。
放置プレイ、焦らしプレイは時々しますけれど。
コメントありがとうございました。


コメントかよん | URL | 2012-05-03-Thu 19:03 [編集]
こうなると 経験値の違いが はっきりしてきて 旭くんはもう 信楽さんに翻弄されまくりですね。この二人 いわゆる Hの相性がピッタリっていうんですかね?
信楽さん、トラウマなんてとうに解放されちゃって、今は目の前の旭くんを見てくれてます。

それにしても、GW明けまで 旭くん耐えることが出来るかなあ。
Re: タイトルなし
コメントたつみきえ | URL | 2012-05-03-Thu 21:11 [編集]
かよん様
こんばんは。

> こうなると 経験値の違いが はっきりしてきて 旭くんはもう 信楽さんに翻弄されまくりですね。この二人 いわゆる Hの相性がピッタリっていうんですかね?
> 信楽さん、トラウマなんてとうに解放されちゃって、今は目の前の旭くんを見てくれてます。

するどい~~~っっ。
伊吹と甲賀が体の相性ばっちりでしたので、こちらも…と思って書いておりましたが。
そしてトラウマも見事に払拭~っとなり…の予定で…。
いやぁ、うちの読者様の見通してしまう目は怖いくらいです(←私の頭が単純なんですけどね)
えっちに関しては、信楽のほうが何枚も上手ですから~。
旭、お子ちゃまだし。
もう、おぼれて翻弄されて、虜になってしまえ~って感じです。
危険な(?)えっちとか教えてもらいましょう。是非。
今まで味わったことのない刺激に、開発されていけばいいです。

> それにしても、GW明けまで 旭くん耐えることが出来るかなあ。

ニパヽ(゚∀゚)ノ
さぁ、どうでしょう。
でもね~。ホントに、この1日2日で起きている出来事を、何話書くんだか…。
コメントありがとうございました。

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