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BLの丘
淋しい夜に泣く声 29
2009-09-24-Thu  CATEGORY: 淋しい夜
R15?18?分かんないけど、まぁそれなりのとこです。

その夜の榛名はしつこかった。
これまでも英人を達かせるために幾度も攻められたが、この日は榛名の欲望を英人に染み込ませるかのように執拗に打ち込まれた。
閉じることを忘れたかのようにぱっくりと開いた後孔は吐き出した榛名の蜜をたらたらと流した。
それと一緒にいまだに手淫で弄られる自分の垂れ流した液体が交じり合う。
自分の孔の上で榛名は指先を使って液体を混じり合わせた。抱え上げられた足は自由が利かなく、恥ずかしさがあっても榛名の言うとおりにしか過ごせない。

後孔を弄られる感触に思わず力が入り、コプッと中に溜めた榛名の体液が流れ落ちた。
排泄をするよりも恥ずかしい感覚だった。

「あっ…、ね…、もう見ないで…」
どれほど厭らしい身体をしているのかと、また榛名に言われたくなかった英人は、股間をじっくりと眺める榛名を引き離そうとした。
身を捩ろうとしたのに、榛名の力強い腕がそれを許さなかった。

「一番綺麗だ」

今まで幾度も男を相手にして、厭らしい言葉も吐き、辛い体勢も取らされてきたが、今ほど恥ずかしさを味あわされたことなどなかった。
『綺麗』の意味など到底理解できない英人は首を振って榛名から逃れようとしたが、無駄な努力だった。
榛名は再び官能を煽るように英人の分身を撫で、後孔の濡れた秘所を優しくかき回した。


金で買われたと分かるくらいの傲慢さでいてほしかった。
…溺れる…
英人は屈辱を与えられた時のほうがマシだったと何故か思った。

冷たく意地悪をする榛名は確かに嫌いだったが、今の榛名の手は優しすぎる…。
一週間振りに出会えたから余計にそう思うのだろうか。
…この手に落ちたら二度と抜け出せなくなる…

怖かった…。無体を強いられ、榛名自身の望む境地に嫌でも身を置き、強引に身体を奪われる方がどれだけ幸せだったのかと、英人は振り返った。
心を奪われる瞬間が何よりも怖かった。

このままでは自分は確実に溺れていく。
榛名千城という男に…。
欲しいと願うものを全て与えられ、裕福な生活を送った。
容姿だって何の文句も付けようのないこの男に、どうしてほだされずにいられるのだろう。
だからといって想いを抱いたところで叶わないのは火を見るより明らかだった。

『夢は見るものだ』…

いつか聞いた言葉が頭を過っていった。
自分は金で買われ、時期が来たら捨てられる。
榛名とは身分が違いすぎる。この男は何もかもを持ち自由にし、自分は何も手に出来ず人に縋るしかない。


「…挿れて…」
英人はわざと卑しい身分を強調するかのように言葉を吐いた。そうやって自身を貶めていけばいい。榛名が望むのではなく、自分が望んだのだと…。
どこまでも厭らしく節操のない身体なのだと榛名に思わせて嫌われればいい。

「英人」
耳元で囁くような声で名を呼ばれた。優しく染み透るような低い声。
母にだってろくろく名前など呼ばれたことがなかった。ましてやこうして囁かれることなど…。
買われてきた男たちだって名前なんか知らない。
榛名が自分を呼ぶ名は『おまえ』だけで充分だとも思った。

…もうダメだ。今のこの瞬間にでも堕ちる…

「ぁあぁぁぁ…っっっ……」
挿れられたことへの感動だったのか、恋に落ちたことへの愁いだったのか、英人は啼き声を上げると榛名に手を伸ばした。
榛名の首に腕を巻き付けた。
キュッと抱きつく英人を、榛名は大事なものでも扱うかのようにそっとかかえた。

悲しみの夜はここから始まった。

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