榛名の優しさは止まらなかった。
英人が求めるのを分かったように、榛名は何度も愛撫を繰り返した。
身体の中、一番感じる前立腺を嫌というほど凶器のような杭で甚振られる。
もう嫌だと嘆けば榛名は手を止めた。だけど身体の疼きは止められなくて、結局強請り榛名が欲しいと訴えた。
これほど求めた男がどこにいただろう…。
もう、後には戻れない快楽を、身体に刻み込まれていることを英人は知りたくなかった。
今、自分の胸の中に沸き起こった想いは封印して消してしまわなければいけない。頭ではわかっているのに…。
榛名を求める人間は星の数ほどいるはずだ。榛名の唯一になどなれるはずがない。
だって自分は穢れているのだから…。そして金で買われただけなのだから…。
榛名に洗ってもらった身体がドロドロになるほど行為に浸かった。
どれだけ求めても心の渇きが満たされることなどなく、逆に飢えていく一方だった。
榛名にしてみれば、この前の醜態に対する詫びなのだと分かるから、自分が勘違いして受け止めてはいけないのだ。
それでも、これほど優しく扱われたことのなかった英人は、榛名という波に飲み込まれていった。
啼き疲れて眠りに落ちた。英人を包むように榛名が隣にいた。
人の温もりというものが初めて辛いと思った時だった…。
目が覚めた時、英人は榛名の腕に抱かれていた。
すぐ真横に榛名の寝顔があって、目を開けた瞬間、驚きで声を漏らすところだった。
初めて見る無防備な寝顔はまた違った印象を持たせた。
以前から榛名の顔の造りに惹かれるところはあったが、間近で見ると目鼻立ちの通った出来の良さに溜め息が零れそうだった。
鋭い目が開いていないから余計に少年のようなあどけなさが漂うのだろうか。
さらさらとした黒髪が額にかかって、長い睫毛までたどり着いている。
二度も三度も印象の変わる男なんて初めてだ。
もっとも、誰かと付き合うことなどこの数年なかったので、長い間一緒にいた人物がいるわけもなく、印象を確認する時間もなかったが…。
英人は無意識のうちに榛名に見惚れていた。美しいものは見ていて飽きなかった。
だから、ふわっと榛名の目が開いた時に、まともに顔を合わせることになってしまった。
「あ…」
思わず戸惑い、顔を赤くして照れた英人は、咄嗟に視線を動かそうとしたのにそれがどうしてかできなかった。
起きた途端に目が鋭い眼光を放ったが、キツイという感じではなかった。目の形なのだろう。
「もう起きていたのか」
榛名は英人に巻いていた腕を解くと、時間を確認するようにリモコンパネルに視線を送った。
腕が離れていく瞬間、淋しさが英人を襲った。
そこでやっと榛名から視線をはずすことができた。追いかけてはいけない…と。
時間を確認した榛名が再びゴロンとベッドに転がった。
片手を瞼の上に乗せ、何かを考えているようだった。
この後、仕事にでもいくのだろうか。出張から帰ってきたばかりだから忙しのかな、それともまだ眠りたいのかなと色々なことが頭を過っていった。
束の間の沈黙の後、こちらを向いた榛名がふいに英人の柔らかな髪を撫でた。
「身体は?動けるか?」
何事かとキョトンとしながらも、頷き返せば、それなら…と榛名が身を起こした。
「外で食事をしよう」
ただ身体を洗うというだけなのに、朝から二人でシャワーを浴びるということに、奇妙な恥ずかしさが生まれた。
今日も榛名が英人の身体を洗ってくれた。
子供ではないのだから自分で洗えると言っても、榛名は譲らなかった。
榛名の逞しい体に自然と目が向いてしまって、慌てて反らすことを何度しただろう。思わず反応しそうになる節操のない下半身をどうにか抑えた。
胸の奥でちりちりするものがあって、苦しさがこみ上げてきた。
元樹を想った時とはまた違う胸の痛みだった。
泡をシャワーで流され終わると、突然脇腹を撫でられピクンとした。身体を強請る厭らしい手つきではなくて、身体のラインを確認しているようだった。
「ほとんど食べていなかったそうだな」
鋭さの中に嘆くような色を混ぜた視線で、榛名は英人を見据えた。
「…」
「おまえはどこまで馬鹿なんだ」
見下すというよりは呆れたように溜め息を一つ落として手は離れた。
何も答えられずにいる英人に榛名は言葉を続ける。
「俺も悪かったと思うが、自分が犯した罪を認めさせたかったんだ。どれほど言っても平気で男は咥えてくるし、外部に情報は漏らす。言って分からなければ身体にいい聞かせるしかないだろう?挙句の果てに体まで壊す気か?」
「あ…」
夢の世界から現実に戻ってきたような気分だった。
返す言葉が何一つ見つけられずに俯いた。榛名の言うことは正しい。これで絵まで描けなくなったらそれこそ借金まみれだ。
「もう少し自分を大事にしろ」
握った拳でコンと軽く額を叩かれた。
英人はやはり何も言えなかった。
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英人が求めるのを分かったように、榛名は何度も愛撫を繰り返した。
身体の中、一番感じる前立腺を嫌というほど凶器のような杭で甚振られる。
もう嫌だと嘆けば榛名は手を止めた。だけど身体の疼きは止められなくて、結局強請り榛名が欲しいと訴えた。
これほど求めた男がどこにいただろう…。
もう、後には戻れない快楽を、身体に刻み込まれていることを英人は知りたくなかった。
今、自分の胸の中に沸き起こった想いは封印して消してしまわなければいけない。頭ではわかっているのに…。
榛名を求める人間は星の数ほどいるはずだ。榛名の唯一になどなれるはずがない。
だって自分は穢れているのだから…。そして金で買われただけなのだから…。
榛名に洗ってもらった身体がドロドロになるほど行為に浸かった。
どれだけ求めても心の渇きが満たされることなどなく、逆に飢えていく一方だった。
榛名にしてみれば、この前の醜態に対する詫びなのだと分かるから、自分が勘違いして受け止めてはいけないのだ。
それでも、これほど優しく扱われたことのなかった英人は、榛名という波に飲み込まれていった。
啼き疲れて眠りに落ちた。英人を包むように榛名が隣にいた。
人の温もりというものが初めて辛いと思った時だった…。
目が覚めた時、英人は榛名の腕に抱かれていた。
すぐ真横に榛名の寝顔があって、目を開けた瞬間、驚きで声を漏らすところだった。
初めて見る無防備な寝顔はまた違った印象を持たせた。
以前から榛名の顔の造りに惹かれるところはあったが、間近で見ると目鼻立ちの通った出来の良さに溜め息が零れそうだった。
鋭い目が開いていないから余計に少年のようなあどけなさが漂うのだろうか。
さらさらとした黒髪が額にかかって、長い睫毛までたどり着いている。
二度も三度も印象の変わる男なんて初めてだ。
もっとも、誰かと付き合うことなどこの数年なかったので、長い間一緒にいた人物がいるわけもなく、印象を確認する時間もなかったが…。
英人は無意識のうちに榛名に見惚れていた。美しいものは見ていて飽きなかった。
だから、ふわっと榛名の目が開いた時に、まともに顔を合わせることになってしまった。
「あ…」
思わず戸惑い、顔を赤くして照れた英人は、咄嗟に視線を動かそうとしたのにそれがどうしてかできなかった。
起きた途端に目が鋭い眼光を放ったが、キツイという感じではなかった。目の形なのだろう。
「もう起きていたのか」
榛名は英人に巻いていた腕を解くと、時間を確認するようにリモコンパネルに視線を送った。
腕が離れていく瞬間、淋しさが英人を襲った。
そこでやっと榛名から視線をはずすことができた。追いかけてはいけない…と。
時間を確認した榛名が再びゴロンとベッドに転がった。
片手を瞼の上に乗せ、何かを考えているようだった。
この後、仕事にでもいくのだろうか。出張から帰ってきたばかりだから忙しのかな、それともまだ眠りたいのかなと色々なことが頭を過っていった。
束の間の沈黙の後、こちらを向いた榛名がふいに英人の柔らかな髪を撫でた。
「身体は?動けるか?」
何事かとキョトンとしながらも、頷き返せば、それなら…と榛名が身を起こした。
「外で食事をしよう」
ただ身体を洗うというだけなのに、朝から二人でシャワーを浴びるということに、奇妙な恥ずかしさが生まれた。
今日も榛名が英人の身体を洗ってくれた。
子供ではないのだから自分で洗えると言っても、榛名は譲らなかった。
榛名の逞しい体に自然と目が向いてしまって、慌てて反らすことを何度しただろう。思わず反応しそうになる節操のない下半身をどうにか抑えた。
胸の奥でちりちりするものがあって、苦しさがこみ上げてきた。
元樹を想った時とはまた違う胸の痛みだった。
泡をシャワーで流され終わると、突然脇腹を撫でられピクンとした。身体を強請る厭らしい手つきではなくて、身体のラインを確認しているようだった。
「ほとんど食べていなかったそうだな」
鋭さの中に嘆くような色を混ぜた視線で、榛名は英人を見据えた。
「…」
「おまえはどこまで馬鹿なんだ」
見下すというよりは呆れたように溜め息を一つ落として手は離れた。
何も答えられずにいる英人に榛名は言葉を続ける。
「俺も悪かったと思うが、自分が犯した罪を認めさせたかったんだ。どれほど言っても平気で男は咥えてくるし、外部に情報は漏らす。言って分からなければ身体にいい聞かせるしかないだろう?挙句の果てに体まで壊す気か?」
「あ…」
夢の世界から現実に戻ってきたような気分だった。
返す言葉が何一つ見つけられずに俯いた。榛名の言うことは正しい。これで絵まで描けなくなったらそれこそ借金まみれだ。
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千城さん…元樹くんとのこと誤解したまんまなんですね~(>_<)
英人を優しく扱いだしたことで、千城さんの気持ちが垣間見える気がしますが…
きっと、まだお互いに理解しあえてないままだから、つらいところでしょうね(;_;)
いつか…那智とヒサのような甘い関係になればいいなぁ♪
ではでは(*^o^*)
次回も楽しみにしております☆
英人を優しく扱いだしたことで、千城さんの気持ちが垣間見える気がしますが…
きっと、まだお互いに理解しあえてないままだから、つらいところでしょうね(;_;)
いつか…那智とヒサのような甘い関係になればいいなぁ♪
ではでは(*^o^*)
次回も楽しみにしております☆
メグミ様
こんばんわっ。
> 千城さん…元樹くんとのこと誤解したまんまなんですね~(>_<)
していますね~。
どうせならベッドインさせたところで登場でもさせれば良かったかと今では思っていますが…。
(言い訳も逃げ道もない状態で後悔させたほうがよかったのか!?)
英人には申し訳ないけど…。
> 英人を優しく扱いだしたことで、千城さんの気持ちが垣間見える気がしますが…
>きっと、まだお互いに理解しあえてないままだから、つらいところでしょうね(;_;)
おっしゃるとおりでございますっ!!
きっと千城は英人をどう扱っていいのか分からないのだと思います。(←他人事)
とりあえず甘やかせれば手に落ちるという感覚のようです。
続きをメグミ様に書いていただきたいくらいだわ…(泣きべそ)
> いつか…那智とヒサのような甘い関係になればいいなぁ♪
なるのかなぁ…。
> ではでは(*^o^*)
> 次回も楽しみにしております☆
はーい。ありがとうございますっ♪
こんばんわっ。
> 千城さん…元樹くんとのこと誤解したまんまなんですね~(>_<)
していますね~。
どうせならベッドインさせたところで登場でもさせれば良かったかと今では思っていますが…。
(言い訳も逃げ道もない状態で後悔させたほうがよかったのか!?)
英人には申し訳ないけど…。
> 英人を優しく扱いだしたことで、千城さんの気持ちが垣間見える気がしますが…
>きっと、まだお互いに理解しあえてないままだから、つらいところでしょうね(;_;)
おっしゃるとおりでございますっ!!
きっと千城は英人をどう扱っていいのか分からないのだと思います。(←他人事)
とりあえず甘やかせれば手に落ちるという感覚のようです。
続きをメグミ様に書いていただきたいくらいだわ…(泣きべそ)
> いつか…那智とヒサのような甘い関係になればいいなぁ♪
なるのかなぁ…。
> ではでは(*^o^*)
> 次回も楽しみにしております☆
はーい。ありがとうございますっ♪
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