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BLの丘
淋しい夜に泣く声 43
2009-10-04-Sun  CATEGORY: 淋しい夜
後半(最後)R18でお願いします。


英人が榛名から少しの距離を取ってソファにちょこんと腰かけると、榛名から盛大な溜め息が漏れた。
「まったく…。いつかこんなことが起こるんじゃないかと思っていた。だから正式に決定するまでおまえのことは伏せたかったんだ。やたらに調べられても困るからな」
榛名の声から厳しさが消えていた。その心配するような声に、えっ?と勢いよく顔を上げる。
刺すような痛みのかけらもなくなった榛名が英人に手を伸ばしてくる。久しく触れていなかった指先が英人の髪を撫で頬をさすった。冷たい指先なのに、あたたかい。

榛名はいたわる様な表情を英人にしか見せなかった。それは神戸からも教えられていた。
「初めて千城のあんな顔を見た」…と。

「何もなかったんだろう? 何もなかったと信じてやる。そんな時間は持たせなかったはずだしな。…バーの従業員が、様子がおかしいと連絡してきたんだ。あの男がルームナンバーでチェックをしてくれたおかげで部屋はすぐに知れた。それでいなければこんなにスムーズに事は運んでいない。…今度こんなことがあったら自己解決しようとせずに俺を呼べ。俺が話をつけるから。どうせおまえではロクな結果を生み出さない」

言い聞かせるような静かな声が英人の身体中に染みわたっていく。
男に纏わされた『恐怖』という壁が取り払われ、精神がホッとするのを感じた。
震えていた心が温められて溶け出していくようだった。こみ上げる涙腺を止めることができずにぷっくりと目に現れた涙が瞼を閉じると共に頬へと流れた。
怒られるのではないという安心が全身に満ちる。自分の失態を責められなかったという安堵感が英人の冷えた心を覆った。

どれだけ榛名を拒絶しようとしたって、何一つ敵うものなどないのだと改めて思わされた。
英人の穢れた心も身体も浄化するように、榛名は英人を包もうとするから…。
やっぱり自分は榛名から離れたら生きていけない…。ひと月も押しとどめてきた想いがダムから放出される水のように噴き出した。
可愛い子供をなだめるように、榛名の両腕が英人の体を引き寄せる。

「安心しろ。おまえのことは守ってやると言っただろう? どんなことでも受け止めてやるから何かあったら全てを話せ」
やさしい囁きが耳元を掠めていった。

この腕に縋りたい…。甘えたい…。抱かれたい…。離れたくない…。
これこそが叶わなく手の届かない『夢』だと分かっても、今だけでも英人は伸ばされた手の中に埋もれたかった。
「ち、しろ……」
英人はこらえきれずに榛名の胸に顔をうずめ、背に手をまわした。
榛名の手が幾度も英人の髪を撫でた。


一か月振りに抱いてもらえる体は興奮の渦のようだった。
どれほどの歓喜をもらっても次から次へと欲望があふれて、榛名を困らせるのではないかと思った。
榛名は丁寧に優しく英人の体を満足させようとしてくれた。

「…ふっ…は…、っあぁ…」
赤く輝くルビーのような乳首を榛名の舌先が何度も舐めてくる。すでに尖り痛みさえ感じるくらいなのに、それもまた快感として英人を攻めた。
一度として榛名を離さない後孔はどれくらい開いてしまったのかと思うくらいだ。
ゆっくりとした挿送にぶるりと体を震わせれば、榛名の指先が英人の先端を弄った。
濃密な液体を二度も吐いたそこも、触れられて痺れる痛みがあるのに、萎えることもなくしどしどと体液を流し続けていた。
「あぁんっ…」
甘い快感を与えられ、熱のこもった声が途絶えることはなかった。

大きく反らされた英人の白い首筋に、榛名の唇が落ちた。
刺さるような刺激が喉元の肌を突き抜ける。
同時にグイッと杭を奥まで押し込まれて一際高い声が上がった。
「んっあっっ!」

榛名の端正な顔が英人の顔に近付いた。
貪るように銜え込む英人を嫌がるわけでもなく、呆れもせず、榛名はひたすら英人の欲求に答えようとしていた。
「おまえが一カ月もよく耐えたな」
勢いよく差し込まれた雄もそのままで、榛名が感心したように英人に話しかけた。
疼き、収縮を繰り返す英人の中で、榛名も少し苦しそうに荒い息を吐いた。
榛名はまだ一度だって達していなかったから、いつもよりもぎちぎちに嵌めこまれている気がする。
自分の体内で榛名の分身が脈打つのが分かるくらい、英人は榛名を離したくないと後孔でしゃぶった。
「俺の方が耐えられそうになかった」
切ない瞳で見降ろされた時、どういうことかと英人は咄嗟に判断もつかなかった。
体中を巡る熱い血飛沫のような血液が濁流のように指の先端まで流れ込むような興奮があった。

「え?…ちし…」
英人は最後まで榛名の名前を呼び掛けることができずに、榛名の唇に飲み込まれた。

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