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BLの丘
淋しい夜に泣く声 50
2009-10-09-Fri  CATEGORY: 淋しい夜
R18でお願いします。

体内を擦られ、全身を揺すぶられ、英人は今がどんな状態なのか分からないほど翻弄されていた。
秘められた箇所に榛名を迎え入れて、それを嬉しいと思いながら、反面で離れて行くことの悲しさを覚えた。
どうやったって、未来の世界に榛名と並ぶ自分がいるとは思えない。

…早菜香でも嫉妬をする…
聞けた言葉は自分自身を粉々にするほどの驚嘆で、英人を強く抉った。
与えられる喜びの反動があまりにも大きすぎる。そんな言葉を聞かされても自分は捨てられるのだ。
それに欲しかったのはその程度の言葉ではない…。
榛名は英人が男しか相手にできないことを知っている…。あえて藤原を対象にしたのか…中途半端な想いだったら言葉にしてほしくなかった。

…お願いだから、離さないと言葉にして…!どれだけ惨めでもいい、どんな存在でもいい…、榛名から離れたくない…!!

「ち…し…」
このまま…、このまま…
時が止まればいいと本気で思った…。

「あ…っぁ…」
願いが言葉になって表れることはなかった。
彼に用意された世界が浮かべば、続く言葉を唱えることなど出来なかった。卑しくみすぼらしく地の底まで落ちたような自分が、煌々と輝く榛名に近づけるはずがない。
自分に残された人生は体だけだ…。
結びつけようと、彼が喜ぶような反応をなんとか表そうとするのに、どうやって出せばいいのか、もう、今の身体では分からない…。

「英人」
榛名の声が聞こえた。
激しく蠢く肉棒に我を忘れそうな頃、掠れるような声に榛名と視線を合わせた。
鋭く研ぎ澄まされた瞳が英人を捕らえていた。
「誰も近付けたくない。おまえは最高だ」

どういった意味なのか考える余裕もなかった。
だけど、身体のことを言われたのだとは漠然と感じた。
チュッと唇を合わせられただけで、激しく求められるような素振りもなく、緩やかに動き始めた榛名の肉望が英人の体内を弄り回した。
以前感じた、肉食獣のような激しさも無かった。
何もかも全てがここでしか繋がれないのだと感じた時、英人は榛名に対する恋心を捨てようと覚悟した。

自分の想いは、彼の負担にしかならないから…。

身体だけの関係でいいと、幾度も思ったはずだった。
その願いどおりになろうとしている…。
それがこれほど辛くて悲しくて淋しいものだったとは……

「んっ、だめっ…、いく…っ!」
貼り合わせられるようにくっついた榛名と英人の腹の間で、擦られた己自身が激しく脈を打ち、英人は強く強く榛名を抱き寄せた。
ぎゅうっと締め付けた体内でも、擦りつけられる榛名の弾けるような音が聞こえる気がした。


真夜中に目が覚めた。
英人を抱えるように眠る榛名の腕の中で顔を上げると、端正な造りの顔が薄明りの中でぼんやりと浮かんだ。
寝室の光量は最低限まで落とされていたが、一度目を開けてみれば慣れてきて充分なほど状況を教えてくれた。
榛名の胸元で縮こまるように合わせられた手に力が込められるのがわかった。この手を榛名に回したかった。
榛名は決して英人を離すまいと両腕でしっかりと英人の身体を抱きこんでいた。
それが嬉しいのと悲しいのがごっちゃまぜで、英人は自分の気持ちすら表すことができなかった。
プロジェクトがはっきりと開始された今では、榛名の傍にいる存在価値がない…。
明日にでもこの部屋を出て行けと言われそうで、こわくて…、それだけではない。榛名から引き離される恐怖で身が竦んでいた。
ぷくっと浮かび上がった涙を必死でこらえた。
息を飲みながらそっとゆっくりと自分を抱え込む榛名の腕を解いてみた。
上半身だけを起こして榛名の額にかかる黒髪を掬いあげた。
そして剥き出しになった額に唇を落としてみる。
それから瞼の上と頬にと、…唇の上に添えた時、眠りについていたと思った榛名の瞳が開いた。

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コメント | | 2009-10-09-Fri 10:34 [編集]
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Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2009-10-09-Fri 12:33 [編集]
Mi様

こんにちは。お越しいただきまことにありがとうございます。

>ご無沙汰してます。コメント欄に久しぶりにお邪魔します。
身体だけでもという英人の気持ちが切なくて悲しいです。朝から泣きそうになりました(>_<)

ひぃぃぃぃ。M様を泣かせてしまったようでとても申し訳なく思います。
すいません、もうちょっとハッピーな話にしたいのに…。

>榛名さん本当に言葉がたりませんよ~あと一言お願いします(>_<。)
えぇ、本当に足りないですよね…(反省)
洞察力がありすぎて全てが見える人間だけに相手から言わせようとする態度がまたむかつく。(私が言うな?)

>お体など無理のないよう更新して下さいね(^-^*)
ありがとうございます.。
リアルも結構忙しい状態で書いた文を見返す暇もなくup してて
あぁ、こんなのを載せていいのだろうかって思うところもあるのに、連日来てくださる方々に本当に感謝しております。

>すみません!先ほど50話にコメントしたつもりがなぜか42話に載ってますO(><;)(;><)O
> 本当すみませんm(_ _)mボケボケです
> 無視して下さい~。
お気になさらずに。
コメいただけて本当嬉しかったです。
ありがとうございます。
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