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BLの丘
木漏れ日番外 鳥海と藤里のお買い物
2013-08-27-Tue  CATEGORY: 木漏れ日
突然思いついたものです。


「八竜さんと一緒に海水浴に行けるんだから」と、遠足気分満々の藤里に付き添って買い物に出かける。
選ぶのはお菓子…じゃなくてパンツ。
見られても恥ずかしくないように…という藤里の思いは、すごーく良く分かるけど。
家の中ではトランクス一枚で動き回っても平気な五城目家だが、それは、あくまでも家族の前でだけ。
藤里が猫の世話で出入りするようになってから、そんな醜態は八竜も鳥海も自粛している。
当然、八竜の友達も一緒なら鳥海だって気を使うオトメンなのだ。

ショッピングモールの中には様々なテナントが入っている。
男性用の下着店には、普通のトランクスやボクブリなど、奇抜な柄も多く取りそろえてあって目移りしてしまう。
奥に進むと、一角に作られた遊び心満載のコーナーがあった。
きちんと男性器のついたマネキンがその形を誇示するような布に覆われて鎮座していた。
前列の二体は、ゾウの鼻とキリンの首の、動物を象ったもので、筒の中に大事な部分をしまえるようになっている。
ゾウは根元に耳までついた顔があって、キリンは先端に顔がついていた。
くるっと見まわすと、布はそこだけで、腰に巻く二本の紐があるだけ。
『伸縮性抜群! フィット感業界ナンバー1!!』というキャッチコピーがマネキンの横のボードに書かれていた。
早速藤里が「可愛いね」と手で撫でるのだが…。
「でもさぁ、おしり、何もないよ。ふんどしにもならないじゃん」
鳥海があまりの布地の少なさを心配する。
もちろん落ちないのかの不安もあった。
「うーん。一応、このマネキンの腰のサイズには合ってるよ。あ、ほら、指で紐引っ張ってもこんなに伸びる~」
これなら落ちないのではないかと確かに安心感も生まれた。
だけど藤里はあることに気付いた。
そして顔をほのかに赤く染める。
鳥海の耳元に口を寄せて、内緒話の態勢になる。
「…ねぇねぇ、これって…、ビキニラインのお手入れ、しなきゃダメかな…」
当然ながらマネキンにはふさふさとしたものはなかった。
自分の裸体を思い浮かべても、少しははみ出しそうだとよぎる。
「だ、だって…どうやって…?」
これには鳥海も戸惑いをもった。
マネキンだから綺麗に着こなせているけれど、自分たちには似合うのだろうか。
「やめて、ちがうのにしない?」
鳥海が他の品も見てみようと提案すると、名残惜しそうな表情を見せながら、とりあえず頷く。
ヘビ(先端から赤い舌がチロッと見えてる)やウナギ(ひげがついてる)、サメ(先っぽが口を開いた顔の形)のも売り場にはあったけれど、ちょっと怖い感じだ。
他にキュウリとナスとオクラなどの野菜シリーズも並んでいたが、基本的な作りは変わらない。

後ろのコーナーに行くと、レース仕様のものがズラリと並んでいた。
一応ビキニスタイルなのだが、透け感は半端ない。
『通気性最高』とあるのは理解できる。
こちらもマネキン二体が赤と黒のものを身につけている。
ためしに脇から指を入れてみたら、自分の肌の色がはっきりと見えた。
腰のラインまではきちんと布地があるから、隠れるには隠れるのだろうけれど…。
やっぱり後ろに回った藤里が、「ねぇねぇ、これもおしりは丸出しだよ」と教えてくる。
陰嚢までは包んでくれるようだが、その先はひも状になって腰に繋がっている。
…これってTバックっていうやつ…???
「八竜さんってレース好き?」
「そんなの聞かれたって、オレ知らないよ~」
「鳥海、はいてみて、これどお?って聞いてみてよ」
…家の中でファッションショーをやれってか?!…
いくら下着でうろつける家の中とはいえ、…さすがに「見て見て~」とは言えない。

横のコーナーには、普通の布地のTバックも並んでいた。
これくらいなら穿いていても違和感がないかも…と思う。
さらに奥には同じビキニタイプでも二重構造の、裏地と呼ぶのか、筒がついていて、そこにポンと収められるものがある。
マネキンが着用しているのを良く見ても、一見ただのビキニにしか見えない。
ただ、筒に収められているモノの布地を指を入れて確かめたらあまりにも硬い素材で、緩みがないんじゃないか…と心配してしまう。
「この中に入ると思う?」
藤里に聞くと同じように感触を確かめながら、「僕のは入ると思う」との答え。
ビキニと変わらない見た目なら、揺れない安定感もあっていいかも…と脳裏を過っていった。

「え~、どうする?いっぱいあり過ぎて迷うよ~」
藤里に嘆かれて、売り場を見回したら、こちらの一角のポップには『エコ商品』と飾ってあった。
…そうか。夏は暑いから、少しでも露出を増やしたほうが涼しいんだぁ…。(←ちょっと意味勘違い…)

近づいてきた店員さんがいたので"売れ筋商品"を聞いてみた。
ついでに疑問点も尋ねてみる。
売り場の人なら、恥ずかしくても似たような質問はされるんだろうし。
「若い方は遊び心があって、あちらの"キリン"が売れていますよ。起ちあがったときにちょうどキリンがエサを食べるときに似ていて」
あぁ、なるほどね、とふたりして頷く。
恥ずかしいアソコの処理はどうするのかともじもじしたら、「試着してみます?気になる方には無料で剃毛のサービスをしていますけれど」と親切な答えが返ってきた。
「あと、これは?こんなに硬くて痛くないの?」
鳥海が指をさすと、「そちらは勃起防止機能がついているんです。予想外のところで起っちゃうとはずかしいでしょ?」と、こちらも親切商品だと教えられた。
…そうか…、だから膨らまないように硬いんだ…。

鳥海と藤里はしばらく悩んで、「もうちょっと考えてからきます」と返事をした。
店員はニコニコスマイルで出口までついてきた。
「あ、こちら、試供品です」
そう言って小さい紙袋をくれた。
「何?」
「お肌がツヤツヤに保てるクリームです。使い続けるとムダ毛も自然とお手入れされる万能クリームなんですよ」
美肌効果ばっちりだ、と説明されたら、藤里は目がランランと輝いた。
「当店オリジナル商品ですからね。あ、あちらの下着も特許をとっておりますので」
つまりは他店では買えないのだと、売り文句を忘れない。
そして店員は「ナイショネ」と割引クーポン券も渡してくれた。
「本当はリピーターの人にしかあげないんだけど、君たちはトクベツ♪」
ものすごくお得感満載だ。
「また来るね~」と手を振って去っていく鳥海たちに、店員は姿が見えなくなるまで天使(悪魔?)の頬笑みで見送ってくれた。

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村から来た方ごめんなさい。色々手こずりました…。
え~何買ったかって?無防備にクーポン券を投げ出しておいて、お兄ちゃんに見つかって捨てられて、予算不足になって買えなかったんじゃないですか~?


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コメント

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こ、仔猫達てばっ
コメントちー | URL | 2013-08-27-Tue 21:01 [編集]
えっとー、こやつらどこにお買い物に?
普通のお店じゃないよねえ?
何で、モールにあるのかは置いといて。
(だって、きえちんの丘ですし?)

おばちゃんにもスベスベクリームくれないかなあ?
欲しいなあ、モドキーズ。
あんた達、手入れなんてしなくても良さそうじゃん。
ツルツルって感じ~。
脇毛も頑張って生えました!位じゃないの?
だから、チョーダイ。

モドキーズは、フッツウのボクサーで良くない?
え?可愛くない?
じゃ、レース買ってみて?
スッケスケ~(笑)双子ちゃんと揃って着用されるのを希望します!
ちーさま こんばんは
コメントたつみきえ | URL | 2013-08-27-Tue 23:16 [編集]
どこに買いにいったんでしょうね(笑)
きっと丘の上にモールが建っているんですよ。
身勝手な仔猫は好きなところにいっちゃうから~。

こんなクリームがあったらほしいなぁ。
モドキーズは使わなくてもきっとツルンツルンだろうね(あそこも)


由良「ユーリ パンツ屋さんがあるよ」
由利「由良とお揃いのを買ってみる?」
由良「あ、いいかも」
由利「ゾウさんだ~♪」
由良「小さい時、こういうパンツはいてたの、おぼえてる?」
由利「うん。もっと大きかったけどね」(ぶりーふのことらしい)

萩生「二人で試着室に入っていくな~っ」
雄和「見学したからもういいだろっ。帰るぞ、帰るのっ」

同じ考えを持つ双子をいつも怖いと思う保護者達。

コメントありがとうございました。
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