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BLの丘
Present 15
2010-01-26-Tue  CATEGORY: Present
ビミョーにR18です。閲覧注意お願いします。

『ずっと信じない』…。
雅臣が呟いたその意味は『ずっと待たせる』ということにも等しいと分かっているのだろうか…。
そして待っていてほしいと願う心。ただの我が儘にすぎない。

初めて抱かれた時が少々(?)強引な流れだったことを振り返ると、今回の抱かれ方は慈しむような優しさがあった。
前回は雅臣に鹿沼を植え付けるようだったが、今回は雅臣の全てを包むような抱き方だった。
何度も口付けを繰り返され、柔肌を撫でられて、その肌に時折チクリと痛みが走る。鹿沼が自分の痕を雅臣の身体に刻んでいた。

「んっぅ…」
焦らすことは変わらなかったが、以前のような攻め立てるものとは明らかに違った。
鼓膜まで犯すような水音に羞恥心はどんどんと膨れ上がり、それと同時に雅臣の性が蜜を零し始める。
触れられると敏感な雅臣の身体は陸に揚げられた魚のように幾度も撥ねあがった。
醜態は散々晒したはずなのに、やはり厭らしい身体と言われるようで恥ずかしさが込み上げてくる。
上半身を舐めまわされて辿り着いた先、垂れた先走りを赤い舌先で掬われるのを見てしまった時、それがひどく官能的で顔が火照った。
「かぬ…」
「龍太」
「りゅ…、あっ」
訂正された名前を呼ぶ間もなく、性器が湿った口腔内に咥えられた。
「あ…あぁ…ん…」
女のような甘ったるい息が抜けていく。
巧みに動かされる、絡みつくように這わせられる舌には思わず腰が引けそうになる。
鹿沼の両手ががっしりと細い腰を掴んで動きを封じ、強く吸い上げられることに激しい焦りが生まれた。
「だ、だめ、だめっ!」
強い刺激をこのまま送り続けられたらどうなるのか想像は容易い。
鹿沼の髪に手が触れたが雅臣の今の力では添えるだけのものにしかならなかった。
生温かくねっとりとした鹿沼の口の中で、ビクビクと雅臣の分身が脈打つ。雅臣は口内への放出だけはどうにか避けたかったが、鹿沼の窄められた口できゅっと絞られるように数度扱かれたらあっけなく股間は限界を迎えた。
「ああぁぁっっ!!…や、…も、はなし…っ!!……んんっんっっ!!」
勢いよく白濁を零した性器をさらに二度三度と擦られ、綺麗に絞り取るように鹿沼は全てを口腔に収めて、ゴクリと喉を鳴らして飲みこんでしまった。
とても気持ち良かったことはあるにしても、それ以上の恥じらいがある。
「…あ…、やだ…」
まだ吐き出してくれれば少しは気分的に救われるところがあったのに…。
雅臣の下半身から顔を上げた鹿沼と視線が合うと、口角を上げてニッコリと笑ってから「ごちそうさまでした」と呟いた。
朝ごはんじゃないのだ…。

一気に全身を覆う羞恥心。呼吸を乱しつつ呆然としながらも恨みの言葉が漏れる。
「しんじ…らん、ない…。…うそ、…ばかっ」
恥ずかしくて照れてそっぽを向いてしまえば、その表情を追いかけてくる精悍な顔があった。
鹿沼の唇が頬に触れ、唇を奪われ、絡まった舌先に感じるのは苦い自分の味…。
それすらも、再び体を高める材料にしかならない。

「ねぇ…、またオリーブオイル、使ってもいい?それともごま油がいいですか?」
「ごま…っぁっ??!」
別に返事をしたわけではない。あまりにも意外なものの名前が飛び出したので繰り返してしまっただけだ。
あんな芳醇な香りのするものを使われた日には、二度とごま油を使った料理など食べられそうにないだろうと脳裏を横切っていった。
オリーブオイルだってあまり変わらないと言われればそれまでだが、とにかく香りの高さは比ではない。
今の行為に必要とされるものがないのだから仕方がないとはいえ、できることならどちらも使用してほしくはないと思うのは我が儘だろうか。
重なった身体の上に鹿沼の昂ぶりが触れれば、彼に我慢をさせているのは一目瞭然で、二択しかないのであれば前者を選ぶしかない雅臣だった。
「ちょっとまってて」
嬉々としてベッドを飛び降りた鹿沼の背中を、またもや見つめるしかない。
もう絶対にキッチンではあのオリーブオイルは使わない…と雅臣は心に決めた。

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