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BLの丘
策略はどこまでも 番外ヒサ編 13
2009-07-26-Sun  CATEGORY: 策略はどこまでも
途中から閲覧注意で…R18?

学生時代から久志はそれなりに人気があったと思う。生まれながらにして親から頂いた、秀麗ないでたちは人もうらやむほどだと知っていたが、そんなことに興味もなかった。
大学に進むと同時に、高校時代から続いていたラグビーに興味を示した。
途中でいざこざがあってアメフトに転向したが、夏合宿や冬合宿でもそれなりの成果を見せ、大学対抗大会でもいいとこなりの成績も収めた。就職するときにはその成果も多少有意義になったようだったが、実践を離れれば過去の栄光と話さざるを得ない。

そんな学生の頃からの友人付き合いも、地方に散った人間をさて置き、集まるメンバーは日毎に偏りをみせることになる。
駅近くを理由にして那智の家に転がり寄った人間は何人に及んだだろうか。
時間帯によっては、呼び出される女人を放っても那智の家に転がり込んでいた。
那智の家に着替えを持ちこんだのは在学中からだった。特に意識したつもりはなかったが、那智のそばには常に『高柳』という人間がいることを他の連中に知らしめたかったのは事実だ。


在学中のある時、都合のつかなくなった女の代わりに、那智をコメディ映画の試写会に誘ったことがあった。その時久志は、上映される内容よりも、隣で笑い転げる那智の姿に見惚れていたような気がする。
それを境に、久志は付き合っていた女たちをわずらわしいと思うようになった。言い寄ってくる者にも何も感じず、とにかく後腐れなく過ごせるものを選んでいたようだ。その場限り、または長く持っても1~2か月程度の付き合いしかしなくなった。

求められ、ヤるときでさえ、無理に自分自身を奮い立たせ、目をつむった最後には那智の艶やかな顔が浮かんでくるのが不思議だった。そして達ってからは必ずといっていいほど自己嫌悪に陥った。
そんな久志の横で那智は常に呆れた表情を浮かべていた。また相手が変わったのか…とぽつり呟く。その瞳が表すのは…どんな想いか…。


在学中に行われた合コンはいくつもあったが、いつの頃からか、飲み会と称して那智を個人的に呼び出すものがいること知った。
童顔でどちらかといえば女性のような可愛い顔つきをした那智は年下に見られることも多かったが、それ以上に年ごとに増す色香は中性的な何かを纏い始めていた。
自分と同じく、いや、自分以上に人を寄せ付ける那智の魅力は色々な人から聞かされた。
近寄ってくるすべてのものが久志にとっては耐えがたい異物でしかなかった。
本人に気付かせないように、久志は那智にかけられる声をそっと踏みにじった。那智に近づきかけた女のほとんどを喰い散らかした。下心のありそうな男も近寄らせないようにガードを引いた。常に自分の身を那智の隣において、必要外の接触を避けてきた。
それに気付いたのは、昔からの馴染みの岩村だった。久志の溢れ出る感情に嫌悪を見せることもなく、彼は何かと気にかけてくれていた。『情報屋』とも言われた岩村は様々な事を久志に伝えてくれた。

ラグビー部の不当な輩に襲われて以来、那智は久志に従順だった。
何かの意見を述べても嫌な気はなかったようで、久志の言う通りの行動を取っていたし、時折感じる仕草や雰囲気には久志に対する情があるように思えた。
自分だけが那智の一番になると信じて、那智を守り続けていたはずなのに…。

いざ想いを打ち明けてみたところで、那智からは思っていた答えは聞かれなかった。初めて想いを打ち明けた夜から、体を繋いだ時でさえ、何かを覆った雰囲気はくずされることなく、久志を不安に陥れたままだ。

那智の体の線はあまりにも綺麗だった。那智の全てを初めて見たのはお湯の流れる中。
自分のようにしっかりとした筋肉などなかったが、全身を纏う艶っぽさは他に見たことがなかった。
しっとりとした肌に吸い寄せられるかのように掌が那智の身体を抱いた。
多少の抵抗はあっても、抱きかかえた中で那智の身体は大人しかった。
ガクガクと身体を震わせてはいたが、久志を拒絶するような態度はどこにもなかった。

「エッチしたい」
欲求のままにこぼれる久志の言葉を耳にした那智は多少の抵抗を見せたが、強引に口づけた先には、溜息だけが漏れた。

ほしかった…。


「好き」
言いそびれた言葉が久志の胸の中にある。



今、久志は那智の身体を抱いていた。
幾度となく触れた体の隅々まで、久志は知っていると思った。

首筋を舌で撫でると身を震わせ、その先を求めるかのように那智の腕が久志の体中に這わせられる。
色白の肌が僅かに桃色に染められ、那智の指先が久志の肌を滑った。触れてくる指の動きがせつない。
きゅうっと那智の全身が久志を包み込んだ。軟らかな肌が常に久志を求めて彷徨った。やんわりと開いた下肢へ掌と膝を割り込ませるとまるで木の葉を落とすかのように小さな震えを纏わせた。全身を紅く染め上げこの先にある快感を待ち焦がれたように、小さな口が久志の名前を呼んだ気がした。

口づけを待つように紅く熟れた唇から舌がのびて、久志の薄い下唇を舐めた。

応えるように、久志の肉厚な舌先が那智のものをからめとった。

久志自身の高まりが絶えず出口を求めて脈を打つ。
沸き上がる感情は果てがなく、求めても求めても返されることのない声。受け入れる那智の全身が久志を欲しているのがわかるのに何一つ声に出して答えてくれようとしない。
すでに弄り回し解きほぐれた後孔に指を添えれば、耐え切れなかったように久志の指を飲み込んでいく。那智から漏れる熱い息を感じると久志は何もかもが吹っ飛ぶ気がした。

構わずとも勃ちあがった己自身を、指を引き抜いた箇所に宛がう。
「あぁ…ぁん…」
堪え切れなかった息が口からなのか鼻からなのか出されると久志の脳みそは溶けだしそうだった。
「那智…」

鎮まりに自身の昂りを押し当てると何の抵抗もなく先端を飲み込んだ。熱く、溶岩のような内壁が久志自身を粘りっこく包んでいく。すべてを飲み込むかのように収縮しながらうごめく内部に久志は何度も息を殺した。
「は…ぁ…」
那智の熱い息は久志から吐き出される欲望と同調する。久志自身の昂りが那智の内部に馴染むのを待つようにじっくりと時間をかけて待っていると、突然耐えられないような収縮が久志を襲った。
「なっち…、待って…」
そんな勢いで締め付けられたならひとたまりもない。気持ちよく迫りくる快感をやり過ごしながら、久志はじっと耐えるしかなかった。

「ね…ぇ…、もっと……おく…ぅ…、いれて…」

馴染むのを待とうにも、強請られる舌足らずな口調には耐え切れずに、久志が最奥を突くと那智からは待ち焦がれた息が漏れた。
「…ふ…ん…、アっ…やっ…」
すでに自分の手に堕ちた身体。わずかにでも触れれば、欲望の渦が那智の全てを煽り立て、久志を強請った。

久志の体に巻きつく細い腕。しなやかに反らされる弓のような那智の弾力が久志を捉えて離そうとしなかった。
「は…ぁん、ね…、もっと……、ふぅン…」
更に奥へと導く那智の後孔がうねりを帯びて久志のモノを掴んだ。
緩やかなストロークを始めると大きな嬌声がとどろく。甘く鼻にかかるような声が絶えずに久志を煽った。
「あ…アぁ…っッ!!いっ…、ダメッっ…フッ…いいっ…っ」

脳を突き抜ける嬌声には逆らうことができず、久志は腰の動きを大きくした。
抱え上げた足の付け根、ふるっと震えた那智の分身から透明な蜜がこぼれおちた。今のこの時間、久志を感じて悶える姿があまりにも愛おしい。
「はぁ…ぁん、…だめ…ひさぁ…もっと…ぉ」
ちょうだい…
今にも消えそうな声が久志の耳に届いた。
どれだけ体のつながりを強くしたって手に入らない。
「那智、すげー、好き。すき。絶対誰にも……、っ!」
やらないっ!!

那智の感じるところはもうすでに全部知っている。
耳の裏から鎖骨までの首筋と、胸の尖り。背中の背骨の筋と、脇腹…。足の付け根の内股…内部の前立腺を沿う裏側。あぁ、もっと他にもあったはずだ…。
内部の那智が一番感じる場所を、自身の先端で擦りあげると意識も飛びそうなほど大きな痺れと喘ぎ声が久志を責め立てた。

那智の全てが久志を犯しているかのようだった。
捕らえたのは那智ではない。囚われたのが自分自身だと思うのに時間など必要なかった。

「あぁ、ひっ…さぁぁーぁ…」
耳の鼓膜を破りそうなほど、その声はこだまする。瞳を閉じ、全身で久志を感じようとする那智の全てが愛おしくて。蕩けそうなほどの声を感じながら、それでも涙をこぼす那智をどうしたら包んでやれるのか分からずに、ただ身体のつながりを強くするしかなかった。
自分にはこの行為しかないのだろうか。淫靡な水音をたてる箇所以外でつながるのは無理なのか?
このすべてを見てほしい。何をどうしたらその涙を拭いとれるのだろうか。
―――那智、おまえは何をそんなに怖がっているんだ?…俺を見ろよ。那智―――
答えは聞き出すことができない。
絶えずこぼれる熱い息を唇で吸い取りながら久志は思いの丈を内部にまき散らすことしかできなかった。

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長くなっちゃった…。二日分くらいありそうだ…
そんでもって夢の中です。
こんななっち、現実じゃありえません…
じっくり堪能しとけ、ひさしくんよぉ。
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コメント

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コメントメグミ | URL | 2009-07-26-Sun 12:49 [編集]
こんにちわ
毎日お昼が楽しみです


R18描写がとても情熱的で、読みながらニヤニヤしてしまいます(≧∇≦)

もう一回じっくり読んで来よ♪~θ(^O^ )
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コメント | | 2009-07-26-Sun 13:27 [編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2009-07-26-Sun 23:24 [編集]
メグミ様

こんばんは。
毎日お越しくださっているようで感激です(^O^)/

今日は長すぎちゃってご迷惑だったかなーとちょっと後悔が入ってたんですけどね…
少しは楽しんでいただいたようで嬉しかったです。

とはいえ…この文章力の無さに呆れかえっておりますが…
つまらない文にお付き合いくださって感謝です。
コメントありがとうございました。
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2009-07-26-Sun 23:33 [編集]
Y様

またお越しいただきありがとうございます。
コメントいただけるのは嬉しいのでつい書いちゃいます。
ただお返事が遅くなってしまって、それが申し訳ないのですが…


> そんでもって目覚めたら~..どうなる!?(妄想中)
さぁて、Y様の妄想のように進んでいるのでしょうか(笑)
ヒサってば寝ても覚めても激しいえっちばっか繰り返してるキャラになっちゃって…(私のせいか???)
那智が壊れないことを祈ってます。

コメントありがとうございました。
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