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BLの丘
秋の遠足 8
2010-10-06-Wed  CATEGORY: 『想』―sou―
山に近い場所だったから余計なのだが、吹きつけてくる風はもう冷たい。
露天風呂に顎まで浸かって、雅臣は安堵の息をついていた。
「あったかーい」
「ここにいると秋というよりも冬に近くなった気がしますね」
温泉とはまた違った温もりを求めて伸びてきた龍太の手はパシッと叩かれた。
「こんなとこで何考えてんのっ!」
それこそ、立ち上がれなくなった(あっちだけはたっちゃった)ら大変だ。
大人げなく頬を膨らませた龍太が言い訳を考える。
「誰もいないんだし、せっかくの露天風呂。たまにはいいでしょ?」
「あそこにふたり、いるじゃんっ」
「あの二人はもう出ていっていますよ」
「え?」
何のことかと聞き返す雅臣の体をそっと寄せる。
「俺たちが二人きりになれるようにわざとあんなことを言ってくれたんです」
「だってあのふたり…」
「人間関係を考えてください。本気で日野君に手出ししようものなら神戸さんと榛名さんが黙っていないでしょ?ただの子供のじゃれあいですよ」
「子供…って龍太、一つしかちがわないじゃん」
しかも、自分たちのことを、ここまで気遣える”子供”か?!

その頃。大浴場では。
ヒサ「俺、もう出る。人のいちゃいちゃぶりを見ていられるほど人間できてネェし」
日野「当てつけられるの嫌だから俺も戻ろう」
ヒサ「神戸さん相手なら、人前でもどこでもなんかヤれそうだよな…」
日野「長流のこと、どんなのだと思ってるわけ?確かにあの動じなさは感服するけど…」
ヒサ「類は友を呼ぶ、で千城さんも一緒かぁ…。うちの那智もあれくらい大胆になってくれないかなぁ」(英人のように”指舐め”を催促しないですから)
日野「調教次第じゃないの?」
ヒサ「調教されたのか…(納得)」
日野「されても”精神”だけは受け入れられなかった…。フツーさぁ、やってる現場見ちゃったら動揺くらいするもんだろ?!いくら友達だって」

そして何故か始まるこれまでの違和感と愚痴大会。
湯船から上がりながらも親しくなった二人の口は閉じられることがない。
日野にしてみればこの近辺にいる”一番まとも”な人種に見えていた。
親近感があるからこそ、ベタベタと触ることもできる。

ヒサ「え?まさか3P?!」
日野「そこまでいってないけど…。たまたま見られたってか、聞かれた時があって…」(←『新装開店』参照)
ヒサ「直後に顔を合わせるって気まずいよなぁ」
日野「だろーっ?!あの二人(←あのふたりです。しつこい?)、全然きにしねーのっ」
ヒサ「(一葉と那智がそんな仲になったのならどうなのだろうとしばし考える…両方の味が堪能できるのか…なんだか楽しそう)…。この際、たのしんでおけば?」
日野「長流はともかく、千城さんを相手にする体力なんかネェって」(←受け確定)
ヒサ「っていうより、千城さん、英人君以外は酷く乱暴に扱いそうな気がするんですけど…」
日野「SMは絶対趣味じゃないしっ」
ヒサ「ほら、いいから拭けよ」(バスタオルで日野の体を覆ってあげる←体育会系、それなりに面倒見はいいです)
今日の流れを見ても普段の行動を振り返っても、日野の愚痴も相当たまっているのだろうと、ヒサは聞き役に回ってやることにした。
ここで出会ったのも何かの縁なのだろう。
急に変な連帯感が生まれる。
いつも子守を押し付けられていたせいだろうか。

神戸「なんだか縛られたいみたいだねぇ」
脱衣所の棚の陰から突如聞こえた声には、丸裸のままの二人が固まった。
『疲れきって寝ている』という日野の言葉を丸々信じていたヒサはもちろんだし、起きることはないと確信していた日野もこの状況には息を飲む。

神戸「起きたらいないからどこに行ったのかと思えばっ!!こんなところで逢引?!」
日野「たけるっ!違う、これは偶然っ!!」
神戸「問答無用!!ただでさえ、君たち、昼間っからベタベタと触りまくっていたくせにっ!!」
こんなところで嫉妬心を出されるとは思ってもいなかった。
平然としていた神戸にもそれなりに思うところはあったのだろう。
先程までの友好関係はともかく、温泉で暖まった体も途端に冷汗をかく日野とヒサだった。

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だから、日野っち、虐めてないですからぁ。
あの~(ーー゛)いつ帰るんでしょうか、こいつらは…。
10話で区切りたいです!!(←願望)
まだ"あれをやれ"とか"こんなの"とか言われたら、もしかしたら長引くかもしれません。
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コメント

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コメントmiki | URL | 2010-10-06-Wed 01:53 [編集]
日野に安息の日は、はたして来るのでしょうか?しかし、神戸気にしてないようでやっぱり気にしてたんですね^m^  さて、今頃他のグループ(?)はどうしているのでしょうか。そして、次はお土産を買ったり・帰路でまた何かあったりするのでしょうか。このシリーズにはいつも笑わしてもらってるので楽しみです(^○^)
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2010-10-06-Wed 07:29 [編集]
miki様
おはようございます。

> 日野に安息の日は、はたして来るのでしょうか?しかし、神戸気にしてないようでやっぱり気にしてたんですね^m^  さて、今頃他のグループ(?)はどうしているのでしょうか。そして、次はお土産を買ったり・帰路でまた何かあったりするのでしょうか。このシリーズにはいつも笑わしてもらってるので楽しみです(^○^)

どこか飄々としていた神戸も日野に関してはアンテナが張り巡らされているのか…。
こんな人を相手にして日野は後悔するかしないか…(←それはないでしょうけど)
ヒサと日野の会話を書いてみたくてこんなのになってしまいましたが、そう、他の人間はどうしているのか…っていうのがありましたねぇ。
このシリーズはただの笑い話になっています。
なんてったって"園児"と"保護者"ですから…。
コメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-10-06-Wed 07:35 [編集]
ら様
おはようございます。

>(*´□`)ァ゙ーやっぱり神戸さんに見つかっちゃったのね^^; 問答無用とか言われちゃって・・・日野っち頑張れぇ~(笑) リクエスト考えなくっちゃ( ´艸`) (えっ?考えなくていい?(´・ω・`))

見つかっちゃいましたぁ。
日野っちに声援ありがとうございます。
これで頑張れると思います。
この話もどこまで続くんだろう…と考えちゃいました。
期待してくださる方がいるのも分かるのですが、逆に嫌う方もいて…。
同時に何かかければいいんですよね~(←それで解決だ)
コメントありがとうございました。
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