日野が夜中に近い時間に大浴場に行くと、ポツンと一人の影があった。
湯船の中に大きな身体を横たえて目を閉じて浸かっている。
その姿は良く知っていた。
「あれ、ヒサシ、こんな時間に来てたのか」
「日野?おまえこそどうしたの?今頃」
日野が声をかければヒサが瞼を上げて入ってきた人間をとらえた。
「んー。なんか、ちょっと気分転換」
「神戸さんは?」
「疲れ切って寝てる」
「ってことはすでに情事の後デスカ…」
軽く身体を流しながら、日野は「ま、ね…」とフッと笑うだけに留まった。
日野は広い大浴場なのに、さりげなくヒサに並んで肩までつかった。
「あ~~…」
大きく伸びをする姿をヒサが嫌味ったらしく見てくる。
「いいねぇ。食後の運動を満喫したみたいで」
「え?那智君は?」
「あのまま爆睡。あの様子じゃ、朝まで起きないよ」
「で、不貞腐れてこんなところにいたわけ?」
「うるせーよ」
ムッとするヒサに日野がクスクスと笑いかけた。
「可哀想に。こんないい身体、もてあましちゃって」
またなんの躊躇いもなく湯船の中で日野の手がヒサの筋肉を撫でた。
誰もいないのをいいことに好き勝手に触りまくっているという感じか…。
日野に抵抗はなさそうだし、本人が言うように厭らしさを持って撫でる手付きではなかった。
が、胸から腹筋を這い太腿に辿り着くと、話を聞いただけで不満の湧いたヒサは大人しくしていられないものを感じた。
「ちょっとマズイから。それ以上」
「ヒサシってどっちもOKなわけ?」
「タチだけ」
「そうじゃなくて、男も女もってこと」
「強制的にでも触られれば反応するもんじゃない?」
「そうなの?」
「日野ってまさか神戸さんだけ?!」
「その発言、ヒサシって相当遊んでたって言ってるよな」
「あー…、まぁ…。那智を捕まえるまでは色々とありましたよ」
「自慢かよ…」
「いいから、手ぇ離せよ」
「なんだったら手伝ってやろうか?」
ニヤリと笑われることに、絶対にからかわれているのがはっきりと分かって、益々機嫌が悪くなるヒサだった。
太腿をさすっていた掌が素早く股間をひと撫でしてくれば、情けなくもズクンと疼くものがある。
「うっ!」
突然のことに後ずさりもできなかったヒサは、ただ日野の手首を掴んで離させるのが精一杯だった。
日野のことだ、すでに変化には気付いている。
いたずらをされれば仕返しをしたくなるというもので、所詮腕力では敵わない日野の両手を背中の後ろでひとまとめにした。
「日野、おまえな~」
「ちょっ、ヒサシ、やめろよ!なんだよこれっ!?」
もがいても握力が緩むことのない目の前の人間に焦りを感じ、逆にヒサは明らかな目的を持った手付きで日野の首筋から下腹部までを一気に撫でる。
この手の動きは男を相手にした数の経験値の違いというべきなのだろうか。
日野がしたのと同じように大事な部分を軽く撫で上げる程度で終わりにしたが、日野の先程までの快感を呼び起こすのには充分だった。
「バカヒサシっ!!出ていけなくなるだろっ!!」
「自業自得っ!!」
「くそっ」
逃げようともがいた日野を拘束していた手を離せば、勢い余って湯船の中に頭ごと沈んでいく。
「あっ」
一応気の毒に思ったヒサが湯の中から日野を抱きあげる。
「ぷはーっ」
ずぶぬれになった日野の髪を軽く梳いてやったところ、入口のドアが開いて、人の声が聞こえた。
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別に苦労人日野っちを虐めているわけではありませんので…
湯船の中に大きな身体を横たえて目を閉じて浸かっている。
その姿は良く知っていた。
「あれ、ヒサシ、こんな時間に来てたのか」
「日野?おまえこそどうしたの?今頃」
日野が声をかければヒサが瞼を上げて入ってきた人間をとらえた。
「んー。なんか、ちょっと気分転換」
「神戸さんは?」
「疲れ切って寝てる」
「ってことはすでに情事の後デスカ…」
軽く身体を流しながら、日野は「ま、ね…」とフッと笑うだけに留まった。
日野は広い大浴場なのに、さりげなくヒサに並んで肩までつかった。
「あ~~…」
大きく伸びをする姿をヒサが嫌味ったらしく見てくる。
「いいねぇ。食後の運動を満喫したみたいで」
「え?那智君は?」
「あのまま爆睡。あの様子じゃ、朝まで起きないよ」
「で、不貞腐れてこんなところにいたわけ?」
「うるせーよ」
ムッとするヒサに日野がクスクスと笑いかけた。
「可哀想に。こんないい身体、もてあましちゃって」
またなんの躊躇いもなく湯船の中で日野の手がヒサの筋肉を撫でた。
誰もいないのをいいことに好き勝手に触りまくっているという感じか…。
日野に抵抗はなさそうだし、本人が言うように厭らしさを持って撫でる手付きではなかった。
が、胸から腹筋を這い太腿に辿り着くと、話を聞いただけで不満の湧いたヒサは大人しくしていられないものを感じた。
「ちょっとマズイから。それ以上」
「ヒサシってどっちもOKなわけ?」
「タチだけ」
「そうじゃなくて、男も女もってこと」
「強制的にでも触られれば反応するもんじゃない?」
「そうなの?」
「日野ってまさか神戸さんだけ?!」
「その発言、ヒサシって相当遊んでたって言ってるよな」
「あー…、まぁ…。那智を捕まえるまでは色々とありましたよ」
「自慢かよ…」
「いいから、手ぇ離せよ」
「なんだったら手伝ってやろうか?」
ニヤリと笑われることに、絶対にからかわれているのがはっきりと分かって、益々機嫌が悪くなるヒサだった。
太腿をさすっていた掌が素早く股間をひと撫でしてくれば、情けなくもズクンと疼くものがある。
「うっ!」
突然のことに後ずさりもできなかったヒサは、ただ日野の手首を掴んで離させるのが精一杯だった。
日野のことだ、すでに変化には気付いている。
いたずらをされれば仕返しをしたくなるというもので、所詮腕力では敵わない日野の両手を背中の後ろでひとまとめにした。
「日野、おまえな~」
「ちょっ、ヒサシ、やめろよ!なんだよこれっ!?」
もがいても握力が緩むことのない目の前の人間に焦りを感じ、逆にヒサは明らかな目的を持った手付きで日野の首筋から下腹部までを一気に撫でる。
この手の動きは男を相手にした数の経験値の違いというべきなのだろうか。
日野がしたのと同じように大事な部分を軽く撫で上げる程度で終わりにしたが、日野の先程までの快感を呼び起こすのには充分だった。
「バカヒサシっ!!出ていけなくなるだろっ!!」
「自業自得っ!!」
「くそっ」
逃げようともがいた日野を拘束していた手を離せば、勢い余って湯船の中に頭ごと沈んでいく。
「あっ」
一応気の毒に思ったヒサが湯の中から日野を抱きあげる。
「ぷはーっ」
ずぶぬれになった日野の髪を軽く梳いてやったところ、入口のドアが開いて、人の声が聞こえた。
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別に苦労人日野っちを虐めているわけではありませんので…
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人がきたら二人とも湯船から出られないね~。
じゃあ、日野っちとヒサでぷち水泳大会だ!
じゃあ、日野っちとヒサでぷち水泳大会だ!
さえちゃん、
こんにちは~♪
> 人がきたら二人とも湯船から出られないね~。
> じゃあ、日野っちとヒサでぷち水泳大会だ!
まだそこまで完起ちではないのでしばらく湯船の中で大人しくしているかと思います。
この二人が水泳大会をやってもなにも萌えはない気がするのは私だけでしょうか…。
てか、身体が大きすぎて傍迷惑?!(なんだかんだいって日野もそれなりなので)
それより抱き合いっこをしているほうが問題かと…。
誰が来たのか、今考えているんですけど…。
コメントありがとうございました。
こんにちは~♪
> 人がきたら二人とも湯船から出られないね~。
> じゃあ、日野っちとヒサでぷち水泳大会だ!
まだそこまで完起ちではないのでしばらく湯船の中で大人しくしているかと思います。
この二人が水泳大会をやってもなにも萌えはない気がするのは私だけでしょうか…。
てか、身体が大きすぎて傍迷惑?!(なんだかんだいって日野もそれなりなので)
それより抱き合いっこをしているほうが問題かと…。
誰が来たのか、今考えているんですけど…。
コメントありがとうございました。
miki | URL | 2010-10-04-Mon 15:08 [編集]
日野っちを虐めているようにしか見えませんよ、きえ様…(-_-) 誰か彼に平和な日をあげて下さい。
今頃お子様達は呑気に今日の夢でも見てるんだろうな~(-_-)zzz
今頃お子様達は呑気に今日の夢でも見てるんだろうな~(-_-)zzz
miki様
こんにちは。
> 日野っちを虐めているようにしか見えませんよ、きえ様…(-_-) 誰か彼に平和な日をあげて下さい。
> 今頃お子様達は呑気に今日の夢でも見てるんだろうな~(-_-)zzz
虐めてないですよ~ぉ。最初に仕掛けたのは日野ですよ~ぉ。
とはいえ、ままごとのお母さん役までやらされて面倒みているのはいつも日野?!
これではいじめと言われても仕方ない…(ーー゛)
日野の優しすぎる性格故のことなのか…。
お子様は今日の出来事の夢か次のまた無謀な冬のリゾートの夢か…。
呑気なのは確かです。
コメントありがとうございました。
こんにちは。
> 日野っちを虐めているようにしか見えませんよ、きえ様…(-_-) 誰か彼に平和な日をあげて下さい。
> 今頃お子様達は呑気に今日の夢でも見てるんだろうな~(-_-)zzz
虐めてないですよ~ぉ。最初に仕掛けたのは日野ですよ~ぉ。
とはいえ、ままごとのお母さん役までやらされて面倒みているのはいつも日野?!
これではいじめと言われても仕方ない…(ーー゛)
日野の優しすぎる性格故のことなのか…。
お子様は今日の出来事の夢か次のまた無謀な冬のリゾートの夢か…。
呑気なのは確かです。
コメントありがとうございました。
きえ | URL | 2010-10-04-Mon 21:34 [編集]
ら様
こんばんは
>あらw お風呂で何してるんだか。。。(笑) ってか・・・きえさんw 後ろで睨んでる二人がいますよw(lll'□'o)ァ・・・・手に何か持ってるぅ~(爆)
何している二人なんですかね~ぇ。
って、あれ?狙われているのは私?!そんなぁ母に向かって…っ!!
石鹸でつるんつるんに磨かれちゃうんでしょうか…ひぃぃぃっΣ=(lll'□'o)
いつもたのしいコメ嬉しいです。
コメントありがとうございました。
こんばんは
>あらw お風呂で何してるんだか。。。(笑) ってか・・・きえさんw 後ろで睨んでる二人がいますよw(lll'□'o)ァ・・・・手に何か持ってるぅ~(爆)
何している二人なんですかね~ぇ。
って、あれ?狙われているのは私?!そんなぁ母に向かって…っ!!
石鹸でつるんつるんに磨かれちゃうんでしょうか…ひぃぃぃっΣ=(lll'□'o)
いつもたのしいコメ嬉しいです。
コメントありがとうございました。
この二人いつかやってれると思っていたら・・・
おしい!
時間切れ
誰が来たのでしょう
神戸さんかな、なっちーかな
わくわく
おしい!
時間切れ
誰が来たのでしょう
神戸さんかな、なっちーかな
わくわく
甲斐様
まとめレス失礼しますm(__)m
> この二人いつかやってれると思っていたら・・・
> おしい!
> 時間切れ
> 誰が来たのでしょう
> 神戸さんかな、なっちーかな
> わくわく
いつか何かやらせてみたかったらこんな結果になりました。
このシリーズ、BL要素もなんにもない気がしていましたが、意外と楽しんでくれている方が多いようで嬉しいです。
毎回何かの行事ごとに登場しそうで…(英人が行きたいと言い出してみんなを下僕として連れまわすんでしょう)
ホントパパも大変だ。
さて。誰が登場でしょう。
コメントありがとうございました。
まとめレス失礼しますm(__)m
> この二人いつかやってれると思っていたら・・・
> おしい!
> 時間切れ
> 誰が来たのでしょう
> 神戸さんかな、なっちーかな
> わくわく
いつか何かやらせてみたかったらこんな結果になりました。
このシリーズ、BL要素もなんにもない気がしていましたが、意外と楽しんでくれている方が多いようで嬉しいです。
毎回何かの行事ごとに登場しそうで…(英人が行きたいと言い出してみんなを下僕として連れまわすんでしょう)
ホントパパも大変だ。
さて。誰が登場でしょう。
コメントありがとうございました。
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