土曜日の朝、天気は快晴だった。
8時に迎えに来る…と言った虎太郎だったが、10分以上前に到着してくれた。
すでに準備万端で待ちかまえていた凛は(恵亮談:1時間以上も前からそわそわしていたらしい)、虎太郎のステーションワゴンに乗り込んだ。
「販売店の人と一緒?!そういうことだったの~???」
ここ数日間の機嫌の良さであった原因を知った恵亮はあからさまに驚いていたが、お互いの状況をとやかく言うほど馬鹿な子でもない。
それにしても本人を前にこの発言は何なのだろう…。
一葉繋がりで名前も聞いているだろうに、全く覚えようともせず、いや、それはいいが、もう少し言いようというものがあるだろうが…。
我が弟ながら情けなくなってくる。
わざとらしく玄関先に顔を出した恵亮をにらみつつ、バツの悪そうな、困ったような表情を浮かべた虎太郎に、「ごめん。アイツの発言は気にしなくていいから」と凛は謝った。
だけど虎太郎が気にしたのは二人の関係を見破られたことのようだった。
こんなところも実に初々しいと、内心でほくそ笑んでいるのは内緒だが…。
『車中泊』と言っていた理由が分かるくらいに、虎太郎の車は広かった。
そして見たことのない装備が幾つも見受けられる。
窓にはカーテンもあったし、後部座席には丸められたマット類の他に意味の分からない機械が積まれている。
さすがに機械好きは備えるものが違う…と変な感心をしてしまう。
自分の車にはないものが、ここにはゴロゴロとしていた。
逆にそれは安心だった。
なにかトラブルに巻き込まれても、回避できるのではないかというような備え。
「この車で最長どれくらいの旅行をしたの?」
「んー、1週間かな。北海道、周ってきた」
「北海道っ?!」
「そ。フェリーに乗って。なんか、気ままにぷらぷらと走っちゃったけど。あ、夏休みにね。いくらなんでも雪道は怖いし」
「いや…、そういうことじゃなくてさ…」
凛だって北海道くらい行ったことがある。
ただ、利用する交通機関は必ず飛行機だった。
虎太郎の話には驚かされることが多く、だが、思考の違いは新鮮で良い。
虎太郎の運転は静かだった。
自分がいるからなのかは分からないが、他の車に対しての配慮も良く、安心して乗っていることができた。
まだまだ知らない事だらけの二人の会話は尽きることなく、凛はどこに向かうとかいうことよりも、二人で居られる空間を楽しんだ。
外から見られる窓ガラスがありはするが、会話を邪魔されることもない。
ある種の密室と言って良かった。
車は町の喧騒を離れて山奥へと向かっていく。
木々は芽が膨らみ始めていて、寒い冬が終わろうとしているのを感じさせた。
暦上ではすでに春なのだが、触れる空気はまだ冷たさを孕んでいる。
しかし車内は適度な温度の空調で保たれていた。
そのうえ、暖かな日差しが注ぎこんでくるし、静かな振動がゆりかごのようで、凛はいつの間にか睡魔に襲われた。
昨夜、眠りが浅かったこともある。
遠足を待つ児童じゃあるまいし…と何度も思ったが、凛の興奮は治まらなかった。
凛がうつらうつらとし始めると、虎太郎の口数も減った。
静けさに自然と目は閉じられ、運転をしてくれている虎太郎に申し訳ないと思いながら、眠気には勝てず、とうとう目も口も閉じてしまった。
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短くてごめんなさい。でもきりが良かった、ここで…。そして遅くなってスミマセンm(__)m
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8時に迎えに来る…と言った虎太郎だったが、10分以上前に到着してくれた。
すでに準備万端で待ちかまえていた凛は(恵亮談:1時間以上も前からそわそわしていたらしい)、虎太郎のステーションワゴンに乗り込んだ。
「販売店の人と一緒?!そういうことだったの~???」
ここ数日間の機嫌の良さであった原因を知った恵亮はあからさまに驚いていたが、お互いの状況をとやかく言うほど馬鹿な子でもない。
それにしても本人を前にこの発言は何なのだろう…。
一葉繋がりで名前も聞いているだろうに、全く覚えようともせず、いや、それはいいが、もう少し言いようというものがあるだろうが…。
我が弟ながら情けなくなってくる。
わざとらしく玄関先に顔を出した恵亮をにらみつつ、バツの悪そうな、困ったような表情を浮かべた虎太郎に、「ごめん。アイツの発言は気にしなくていいから」と凛は謝った。
だけど虎太郎が気にしたのは二人の関係を見破られたことのようだった。
こんなところも実に初々しいと、内心でほくそ笑んでいるのは内緒だが…。
『車中泊』と言っていた理由が分かるくらいに、虎太郎の車は広かった。
そして見たことのない装備が幾つも見受けられる。
窓にはカーテンもあったし、後部座席には丸められたマット類の他に意味の分からない機械が積まれている。
さすがに機械好きは備えるものが違う…と変な感心をしてしまう。
自分の車にはないものが、ここにはゴロゴロとしていた。
逆にそれは安心だった。
なにかトラブルに巻き込まれても、回避できるのではないかというような備え。
「この車で最長どれくらいの旅行をしたの?」
「んー、1週間かな。北海道、周ってきた」
「北海道っ?!」
「そ。フェリーに乗って。なんか、気ままにぷらぷらと走っちゃったけど。あ、夏休みにね。いくらなんでも雪道は怖いし」
「いや…、そういうことじゃなくてさ…」
凛だって北海道くらい行ったことがある。
ただ、利用する交通機関は必ず飛行機だった。
虎太郎の話には驚かされることが多く、だが、思考の違いは新鮮で良い。
虎太郎の運転は静かだった。
自分がいるからなのかは分からないが、他の車に対しての配慮も良く、安心して乗っていることができた。
まだまだ知らない事だらけの二人の会話は尽きることなく、凛はどこに向かうとかいうことよりも、二人で居られる空間を楽しんだ。
外から見られる窓ガラスがありはするが、会話を邪魔されることもない。
ある種の密室と言って良かった。
車は町の喧騒を離れて山奥へと向かっていく。
木々は芽が膨らみ始めていて、寒い冬が終わろうとしているのを感じさせた。
暦上ではすでに春なのだが、触れる空気はまだ冷たさを孕んでいる。
しかし車内は適度な温度の空調で保たれていた。
そのうえ、暖かな日差しが注ぎこんでくるし、静かな振動がゆりかごのようで、凛はいつの間にか睡魔に襲われた。
昨夜、眠りが浅かったこともある。
遠足を待つ児童じゃあるまいし…と何度も思ったが、凛の興奮は治まらなかった。
凛がうつらうつらとし始めると、虎太郎の口数も減った。
静けさに自然と目は閉じられ、運転をしてくれている虎太郎に申し訳ないと思いながら、眠気には勝てず、とうとう目も口も閉じてしまった。
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短くてごめんなさい。でもきりが良かった、ここで…。そして遅くなってスミマセンm(__)m
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運転する人が 安心できる虎太郎だから 助手席で うつら~うつら~(_ _)zzz 。o 0
凛の寝顔って 可愛いんだろうなぁ。
車が走るなり 遠慮もなく助手席で 半目、半口で 寝ちゃう私とは 大違いでしょうね!
寝顔が 可愛くなりた~い(^^:)ゞbyebye☆
凛の寝顔って 可愛いんだろうなぁ。
車が走るなり 遠慮もなく助手席で 半目、半口で 寝ちゃう私とは 大違いでしょうね!
寝顔が 可愛くなりた~い(^^:)ゞbyebye☆
静かな運転な上、暖かな車内( ´艸`)ムププ
眠くなるのはしょうがないですよねぇ~Zzz…(*´~`*)。o○ ムニャムニャ
虎太も信頼されてるって嬉しいでしょうね♪
車中泊が出来るなら。。。お泊りも可能?(*ノωノ)キャー
眠くなるのはしょうがないですよねぇ~Zzz…(*´~`*)。o○ ムニャムニャ
虎太も信頼されてるって嬉しいでしょうね♪
車中泊が出来るなら。。。お泊りも可能?(*ノωノ)キャー
けいったん様
こんにちは~。
> 運転する人が 安心できる虎太郎だから 助手席で うつら~うつら~(_ _)zzz 。o 0
> 凛の寝顔って 可愛いんだろうなぁ。
どんな顔をして眠っていたんでしょうね。
それは虎太郎だけの秘密ってことで(o´艸`o)
そうやって気を許して眠ってもらえれば、虎太郎も気分がいいでしょうよ。
淋しいなんて思わないだろうね。
> 車が走るなり 遠慮もなく助手席で 半目、半口で 寝ちゃう私とは 大違いでしょうね!
> 寝顔が 可愛くなりた~い(^^:)ゞbyebye☆
私も涎垂らしてるような人間です。
うーん、でも移動も旅行と思う私はあまり眠らないですね…。
飛行機の中だけは爆睡しますが…。
それこそ衆人環視の中で…。
コメントありがとうございました。
こんにちは~。
> 運転する人が 安心できる虎太郎だから 助手席で うつら~うつら~(_ _)zzz 。o 0
> 凛の寝顔って 可愛いんだろうなぁ。
どんな顔をして眠っていたんでしょうね。
それは虎太郎だけの秘密ってことで(o´艸`o)
そうやって気を許して眠ってもらえれば、虎太郎も気分がいいでしょうよ。
淋しいなんて思わないだろうね。
> 車が走るなり 遠慮もなく助手席で 半目、半口で 寝ちゃう私とは 大違いでしょうね!
> 寝顔が 可愛くなりた~い(^^:)ゞbyebye☆
私も涎垂らしてるような人間です。
うーん、でも移動も旅行と思う私はあまり眠らないですね…。
飛行機の中だけは爆睡しますが…。
それこそ衆人環視の中で…。
コメントありがとうございました。
らぅら様
こんにちは~。
> 静かな運転な上、暖かな車内( ´艸`)ムププ
> 眠くなるのはしょうがないですよねぇ~Zzz…(*´~`*)。o○ ムニャムニャ
> 虎太も信頼されてるって嬉しいでしょうね♪
しかも興奮して眠れなかったという凛でした~。
そりゃ、寝ちまうわなぁ…。
頼りない印象だと最初に言われた(?)虎太郎にとっては、嬉しかったことでしょうね。
> 車中泊が出来るなら。。。お泊りも可能?(*ノωノ)キャー
Σ( ̄□ ̄;)
( ̄≠ ̄)オクチチャック
コメントありがとうございました~(逃げる)
こんにちは~。
> 静かな運転な上、暖かな車内( ´艸`)ムププ
> 眠くなるのはしょうがないですよねぇ~Zzz…(*´~`*)。o○ ムニャムニャ
> 虎太も信頼されてるって嬉しいでしょうね♪
しかも興奮して眠れなかったという凛でした~。
そりゃ、寝ちまうわなぁ…。
頼りない印象だと最初に言われた(?)虎太郎にとっては、嬉しかったことでしょうね。
> 車中泊が出来るなら。。。お泊りも可能?(*ノωノ)キャー
Σ( ̄□ ̄;)
( ̄≠ ̄)オクチチャック
コメントありがとうございました~(逃げる)
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