圭吾がすぐそばにいるのだから誤魔化しようがない。
シャワーを浴びる間中も、孝朗は視線をどこに置いたらよいのか分からずにいた。
恥ずかしがって必死に隠そうとする孝朗とは違って、圭吾は実に堂々としたものだ。余計に目のやり場に困る。
先にシャワーを浴びた孝朗は、バスタオルで軽く水気を取り、それを巻いて急いてバスルームを飛び出していく。
不埒なことを思い出さなければ、下半身は沈静化してくれるだろうと、気を反らせるものが欲しかった。
すぐに着替えを取り出し、何もなかったように、荷物の整理を始めていると、後からのんびりと圭吾が出てきた。
「あー、さっぱりしたー。…、何?もうちょこちょこと動いてんの?」
圭吾は荷物に関しては、今日のところこれ以上何もする気がないらしい。
特に予定はないし、移動するわけではない旅なので、急ぐ必要はないといった態度だ。
落ち着きのない様子でいる孝朗を呆れたように見ている。
いつ飛びつかれてくるかとビクビク(ワクワク)する孝朗の心境とは裏腹に、腰にバスタオルを巻いたままの恰好で圭吾は平然と冷蔵庫を開けていた。
「おぉっ!!あった、あった、ラク!」
何やら目当てのものを見つけた、といった感じで小瓶を出してくる。
自分の想像が杞憂に終わったことは、安堵でもあり残念でもあった。
「ホテルだと割高だけど、こんな時間だしいいよね?」
さすがに今から外に買い物に行こうとは思えなかった。
到着の乾杯をしたいらしい圭吾に頷いて見せる。
透明な液体の入った瓶とミネラルウォーターを取り出して来て、そのままグラスを窓際にあるテーブルの上に置いた。
「ついでにルームサービス、取っていい?」
「圭吾の好きにしなよ」
このホテルで出されるものは市場の数倍の値段になっているのだろう。そのことを心配するのだろうが、たまにはこんな贅沢もいいと思えてしまう。
様子からして圭吾が食べたいものは、このお酒に見合ったつまみだと分かるから、反対する気持ちもない。
孝朗も立ち上がってメニューを覗きこんでいる圭吾の前に座る。
「『ナントカ・メゼ』…、これでいいのかなぁ…」
「ナントカ?」
メニューに写真があるわけではないし、当然日本語の表記などないのだから、片言を読んでいるのだろう。
「あぁ、まぁ、軽食みたいなものなんだけど…」
メニューを差し出されても、料理名などサッパリ理解できなかった。
「とにかくさ、白チーズとメロンがあればいい」
「はぁ…」
どんな組み合わせだ?と疑問を持ちながら、受話器を取り問い合わせてみると、圭吾の希望のものはもちろん、他にも数種類の料理があるということだった。
圭吾に確認をとると、「充分、充分」と返事があるのでそれを注文してあげる。
テーブルに戻ると、てっきりアルコールの準備をしていると思ったのに、圭吾は瓶とミネラルウォーターの蓋を開けただけで待っていた。
「さぁ、マジック」
何やら嬉しそうに孝朗に話しかけてくる。
グラスに瓶の液体を少し入れ、その上に水が注がれた。
不思議なことに、無色透明だったはずの液体が乳白色に変化した。
「なにっ?!これぇぇっっ!!!」
孝朗は思わず目を見開く。
圭吾はグラスの半分くらいまでしか水を注がずに手を止めた。
「ブドウで作られて、アニスで香りづけされた蒸留酒なんだ。これは、まぁ、ちょっとした化学変化?割り方は好みだからさ。でも結構アルコール度高いんだよね。これも45パーセントだし」
差し出されたグラスと、まだ瓶に残っている透明な液体を見比べてしまう。不思議なものを見る目だ。
こちらに到着して、いきなりこのようなびっくり体験をするとも思わなかった。
これも圭吾がいるからのことなのだろうが…。
「じゃあ、まず、乾杯」
グラスを持ち上げられて、カチンと軽く合わさる。
飲もうと口を近付けただけで薬草っぽい独特な香りが鼻についたが、恐る恐る口に含んだ液体の濃さにむせ返りそうになった。
「きっつーっぅっ!」
「やっぱりもうちょっと薄めよう」
「うっわー、これ、酔いそう…」
「だから機内で飲まなかったんだよ」
あぁ、確かにあったかもしれない…と孝朗は振り返った。
二人が飲んでいたのはもっぱらビールだった。
機内で多くのアルコールを摂取するのはあまり好ましいことではなかったから、圭吾は期待しつつも避けていたらしい。
そしてあとは、孝朗にもこの感動を見せてやりたかったらしい。
機内では大はしゃぎなどできない。
子供心に返った気分で、これから始まる未知なる世界に心を躍らせた。
部屋に届けられた『メゼ』と呼ばれる前菜を口にしつつ、明日、どこに行こうかと話は尽きることなく夜が更けていく。
いつの間にか沈静化していたはずの体だったのに、酔いがふと期待を膨らませた。
目の前に半裸の圭吾がいるのだ。当然と言うべきか…。
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Rかと思われていたそこのあなた様…すみません.....(;__)/|
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シャワーを浴びる間中も、孝朗は視線をどこに置いたらよいのか分からずにいた。
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不埒なことを思い出さなければ、下半身は沈静化してくれるだろうと、気を反らせるものが欲しかった。
すぐに着替えを取り出し、何もなかったように、荷物の整理を始めていると、後からのんびりと圭吾が出てきた。
「あー、さっぱりしたー。…、何?もうちょこちょこと動いてんの?」
圭吾は荷物に関しては、今日のところこれ以上何もする気がないらしい。
特に予定はないし、移動するわけではない旅なので、急ぐ必要はないといった態度だ。
落ち着きのない様子でいる孝朗を呆れたように見ている。
いつ飛びつかれてくるかとビクビク(ワクワク)する孝朗の心境とは裏腹に、腰にバスタオルを巻いたままの恰好で圭吾は平然と冷蔵庫を開けていた。
「おぉっ!!あった、あった、ラク!」
何やら目当てのものを見つけた、といった感じで小瓶を出してくる。
自分の想像が杞憂に終わったことは、安堵でもあり残念でもあった。
「ホテルだと割高だけど、こんな時間だしいいよね?」
さすがに今から外に買い物に行こうとは思えなかった。
到着の乾杯をしたいらしい圭吾に頷いて見せる。
透明な液体の入った瓶とミネラルウォーターを取り出して来て、そのままグラスを窓際にあるテーブルの上に置いた。
「ついでにルームサービス、取っていい?」
「圭吾の好きにしなよ」
このホテルで出されるものは市場の数倍の値段になっているのだろう。そのことを心配するのだろうが、たまにはこんな贅沢もいいと思えてしまう。
様子からして圭吾が食べたいものは、このお酒に見合ったつまみだと分かるから、反対する気持ちもない。
孝朗も立ち上がってメニューを覗きこんでいる圭吾の前に座る。
「『ナントカ・メゼ』…、これでいいのかなぁ…」
「ナントカ?」
メニューに写真があるわけではないし、当然日本語の表記などないのだから、片言を読んでいるのだろう。
「あぁ、まぁ、軽食みたいなものなんだけど…」
メニューを差し出されても、料理名などサッパリ理解できなかった。
「とにかくさ、白チーズとメロンがあればいい」
「はぁ…」
どんな組み合わせだ?と疑問を持ちながら、受話器を取り問い合わせてみると、圭吾の希望のものはもちろん、他にも数種類の料理があるということだった。
圭吾に確認をとると、「充分、充分」と返事があるのでそれを注文してあげる。
テーブルに戻ると、てっきりアルコールの準備をしていると思ったのに、圭吾は瓶とミネラルウォーターの蓋を開けただけで待っていた。
「さぁ、マジック」
何やら嬉しそうに孝朗に話しかけてくる。
グラスに瓶の液体を少し入れ、その上に水が注がれた。
不思議なことに、無色透明だったはずの液体が乳白色に変化した。
「なにっ?!これぇぇっっ!!!」
孝朗は思わず目を見開く。
圭吾はグラスの半分くらいまでしか水を注がずに手を止めた。
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差し出されたグラスと、まだ瓶に残っている透明な液体を見比べてしまう。不思議なものを見る目だ。
こちらに到着して、いきなりこのようなびっくり体験をするとも思わなかった。
これも圭吾がいるからのことなのだろうが…。
「じゃあ、まず、乾杯」
グラスを持ち上げられて、カチンと軽く合わさる。
飲もうと口を近付けただけで薬草っぽい独特な香りが鼻についたが、恐る恐る口に含んだ液体の濃さにむせ返りそうになった。
「きっつーっぅっ!」
「やっぱりもうちょっと薄めよう」
「うっわー、これ、酔いそう…」
「だから機内で飲まなかったんだよ」
あぁ、確かにあったかもしれない…と孝朗は振り返った。
二人が飲んでいたのはもっぱらビールだった。
機内で多くのアルコールを摂取するのはあまり好ましいことではなかったから、圭吾は期待しつつも避けていたらしい。
そしてあとは、孝朗にもこの感動を見せてやりたかったらしい。
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お風呂から上がれば ・・・って 妄想してたの私です(。・ω・。)ノぁぃ♪
でも せっかくのトルコまで来たんだから(´ェ`*)ネー
食って飲んで エッチして、食って飲んでエッチして、と、た~くさん二人で 楽しんで下さいな♪
色が変わる不思議な蒸留酒、初めて知った!
飲んでみたいなぁ~゙ヨッパライヘ(~~*ヘ))ヨイヨイ...byebye☆
でも せっかくのトルコまで来たんだから(´ェ`*)ネー
食って飲んで エッチして、食って飲んでエッチして、と、た~くさん二人で 楽しんで下さいな♪
色が変わる不思議な蒸留酒、初めて知った!
飲んでみたいなぁ~゙ヨッパライヘ(~~*ヘ))ヨイヨイ...byebye☆
けいったん様
こんにちは~。
> お風呂から上がれば ・・・って 妄想してたの私です(。・ω・。)ノぁぃ♪
すみません、裏切りました―――。
> でも せっかくのトルコまで来たんだから(´ェ`*)ネー
> 食って飲んで エッチして、食って飲んでエッチして、と、た~くさん二人で 楽しんで下さいな♪
そうですね。せっかくここまで来たんだから―。
二人きりの世界を楽しんでもらいましょうっっっ。
喰って飲んでエッチして…。テヘッ
> 色が変わる不思議な蒸留酒、初めて知った!
> 飲んでみたいなぁ~゙ヨッパライヘ(~~*ヘ))ヨイヨイ...byebye☆
けっこう、キツいお酒です。
好みもあるのでしょうが、私は飲めませんでした…。(酒好きなくせに…)
『ラク』で調べると出てくると思いますよ。
コメントありがとうございました。
こんにちは~。
> お風呂から上がれば ・・・って 妄想してたの私です(。・ω・。)ノぁぃ♪
すみません、裏切りました―――。
> でも せっかくのトルコまで来たんだから(´ェ`*)ネー
> 食って飲んで エッチして、食って飲んでエッチして、と、た~くさん二人で 楽しんで下さいな♪
そうですね。せっかくここまで来たんだから―。
二人きりの世界を楽しんでもらいましょうっっっ。
喰って飲んでエッチして…。テヘッ
> 色が変わる不思議な蒸留酒、初めて知った!
> 飲んでみたいなぁ~゙ヨッパライヘ(~~*ヘ))ヨイヨイ...byebye☆
けっこう、キツいお酒です。
好みもあるのでしょうが、私は飲めませんでした…。(酒好きなくせに…)
『ラク』で調べると出てくると思いますよ。
コメントありがとうございました。
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