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BLの丘
真っ赤なトマト 26
2011-05-08-Sun  CATEGORY: 真っ赤なトマト
異国の地という、慣れない雰囲気が余計に感情を昂らせる。いつもとは違う部屋といい、肌で感じる『旅』という、非日常。
圭吾に甘えられるという、酔った時の緊張感のなさ。
思いの外強いアルコールと、移動の疲れもあったのか、機内で寝たつもりなのに、孝朗は眠気を覚えた。
「タカ?」
語りかけられる口調に「ん…」と短い返事が零れる。
ただ眠いだけではない。
体の熱を奥から満たしてくれるもの…。

立ち上がってそっと近づいた圭吾が、休ませようと手を伸ばしてくる。
自然と、自分の意思ではないのに、身体が自然と求めて、孝朗の両腕が圭吾に縋りついた。
「そういうことすると、ヤバイから…」
「いいよ…」
一度は圭吾だって昂ったはずなのに、それを感じさせずに落ち着いてこんな飲みの席を作ってしまった。
自分には魅力がないのだろうかと、不安にもなる出来事。
「タカ、あのね…」
何やら言いたそうな圭吾から溜め息とも喜びともとれない吐息がこぼれてくる。
「この前、ヤっちゃった時、次の日、動けなかったの、タカなんだよ…」
ほんの僅か数日前の出来事が頭を過る。
『初夜』を迎えたその日はもちろん、次ぐ日も孝朗は足腰からくる痛みに身動きが取れなかった。
せっかく旅行に来たのに、そんな思いはさせたくないという、配慮なのだと思う。
同時に、圭吾も孝朗を気遣って耐えていたのだと伝わってくる。興奮しているのは孝朗だけでなく、圭吾も同じはず。

初めて、と2度目は違うかもしれない。
そんなことが脳裏をかすめた。
慣れたわけではないけれど、受け止め方くらいは習得できた…かもしれない。

一度覚えた味は、忘れ難く、抜けていくことなどなかった。
離れようとせず、縋りつく孝朗に、クスリと圭吾の笑みが零れ落ちる。
「意外と、酔うと大胆だね、タカ…」
カァァァッと体が熱くなる。
そんな風に言われると、いかにも浅ましい人間になってしまったようだ。
身を剥がそうとするよりも早く、ひょいっと抱きあげられ体が空に浮いた。
「え?圭吾?!」
「いいって言ったの、タカ…」
今更前言撤回などさせないと言ったふうに、孝朗の体がベッドの上へと下ろされた。
酔ってぼぅっとした瞳が目の前の凛々しい顔を見上げる。
優しさを含みながら、猛々しい雄の色香を体全体に纏わせている。
自分を引っ張っていき、包んで安堵へと導いてくれる者…。

降り下りてくる唇を受け止める。差し出される舌に、自分のものを絡める。
まだまだ未熟で、何の扱いも分からないけれど、体に刻まれた『雄の味』は忘れられない。
「けい、ご…」
重なった下腹部に、硬い雄の象徴が当たって、嫌がられていないことを知る。

「明日、動けなくなっても一緒にいてあげるから…」
決して時間の無駄はさせない、と語られる。
それもなんだか意味が違う…と内心で思うものの、与えられる快楽の波に逆らうことなどできず、素直に体を開いた。
『酔うと大胆』…。
今まで知ることのなかった未知なる世界を、自分の中にも見出した気分だった。

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短いですが…。今日はここまで書くのが精一杯でした。

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