R18 ちょっとだけ性描写があります。閲覧にはご注意ください。
早目の夕食を済ませて、一段落したところでバスルームに入り、それぞれが部屋着の姿に変わる。
休日の夜、いつもの姿…ともいえるのか、まだ早い時間にリビングでワイングラスを傾けながらゆったりとした時間を過ごす。
昨夜も同じ光景を見たのに、意識が違うと、こうも異なった空間に見えてしまうものだろうか。
L字型に置かれたソファの角の部分に膝を突き合わせるくらい近くに寄って座ったのは初めてのことだった。
だけどすでに慣れているかのように、改まった恥ずかしさなどないのが不思議なくらいだった。
春日がグラスに残った最後を飲み干し、テーブルの上に置くと、スッと羽生の手が伸びてきて春日の頬を撫でた。
「春日…」
掌に吸い付くように引かれてコトンと羽生の胸の中に収まる。
触れられる温かさが…、響いてくる声音が、春日に安堵を与えてくれる。
「今日はもう、おかわり、いらないよね?」
春日に聞いてくるところが少し憎たらしい、と思いはするものの、素直に頷くと、額へのくちづけが一つ落ちてきた。
先に立ち上がった羽生が春日の手を取る。
緊張と期待、欲望など、様々な感情が心に押し寄せてきた。
従うように後を追い、引かれて再び羽生の寝室に足を踏み入れた。
寝室に入ることは滅多にない。ただ、リビングの隣にある部屋、ということで見慣れてはいたかもしれない。羽生はわざとらしく隠したりなどしなかった。
他人がいても気にしないといった態度でいてくれたから、春日も早々に馴染むことができたのだと振り返る。
昨夜はリビングで眠ってしまったために、どうやってベッドに入ったのかの記憶もない。
ダウンライトのオレンジ色の明りは暗めに落とされた。
それでも充分なほど、お互いの動きも表情も窺える。
ベッドの脇に並んで立つと、羽生の手が春日の衣類に触れた。
「あ、じ、自分で脱ぐし…」
「俺が脱がせたいの」
手に手を重ねれば言葉で拒絶をされ、ひとり、あっという間に剥かれていく。
全裸にされては居た堪れなく、春日はすぐに布団の中に潜り込んだ。
羽生が脱いでいるところを見るのも失礼だろうと、頭の半分ほどまで布団をかぶり、背を向けていれば、続いて入ってきた羽生が背中から春日を抱きしめてくる。
人肌が直に触れて心臓が跳ねた。
「春日、あったかいね」
「羽生さんこそ…」
耳元で囁かれる声さえ、鼓動を速めるものになる。
「春日…」
呼ばれて振り返ると、目の前にある凛々しい大人の顔が春日を見つめていた。
引力が働くかのように重なっていく唇。上下の唇を食まれ舐められ、僅かな隙間から入り込んできた舌先が春日の口腔内を貪りはじめる。
子供をあやすような、優しいくちづけだった。
一度唇を離すと、羽生のそれは春日の項を這い、肩甲骨を辿る。
時々吸い上げるような動きをするものの、骨格を確かめているような動きだ。
春日は身じろぎをしてもいいものか束の間悩んだ。羽生の顔が見えないのはなんだか不安になる。
だからといって、羽生が愉しんでいるのであればそれも取り上げたくない。
肩から上腕を通って、クルッと春日は仰向けになるよう転がされた。同時に羽生が春日の腰の上を跨っている。
羽生が上半身を起こしたことで、被っていたはずの布団がスルスルっと落ちていった。
「あっ」
部屋の明りの下に晒された身体を隠してくれるものがなくなってしまったのがなんとも心許ない。
顔を見たいと思ってはいたが、こうなっては逆に合わせる方が恥ずかしい。
「なに?」
いたって落ち着いた羽生がそのまま足元に絡んだ掛け布団を床の上に落としてしまった。
手を伸ばしても届く距離ではない。
全てが見える、という点では羽生も同じことなのだが…。
支配人らしく店ではきっちりとスーツに身を包み、家ではラフな格好でいても、骨格の良さは外観から伺えた。
初めて見る裸体は想像以上に締まっていて貫禄すら浮かばせる。
浮いた腰の中心にあるものは、力をつけていなくても見劣りすることのない立派なものだった。
何気なく視線を這わせてしまっただけで、ズクリと体の奥から湧きあがってくる興奮を感じた。
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関連記事の貼り方を教えていただきました。少しは見やすくなってきましたでしょうか。何かご希望がありましたらまたこっそりでも教えてください。
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休日の夜、いつもの姿…ともいえるのか、まだ早い時間にリビングでワイングラスを傾けながらゆったりとした時間を過ごす。
昨夜も同じ光景を見たのに、意識が違うと、こうも異なった空間に見えてしまうものだろうか。
L字型に置かれたソファの角の部分に膝を突き合わせるくらい近くに寄って座ったのは初めてのことだった。
だけどすでに慣れているかのように、改まった恥ずかしさなどないのが不思議なくらいだった。
春日がグラスに残った最後を飲み干し、テーブルの上に置くと、スッと羽生の手が伸びてきて春日の頬を撫でた。
「春日…」
掌に吸い付くように引かれてコトンと羽生の胸の中に収まる。
触れられる温かさが…、響いてくる声音が、春日に安堵を与えてくれる。
「今日はもう、おかわり、いらないよね?」
春日に聞いてくるところが少し憎たらしい、と思いはするものの、素直に頷くと、額へのくちづけが一つ落ちてきた。
先に立ち上がった羽生が春日の手を取る。
緊張と期待、欲望など、様々な感情が心に押し寄せてきた。
従うように後を追い、引かれて再び羽生の寝室に足を踏み入れた。
寝室に入ることは滅多にない。ただ、リビングの隣にある部屋、ということで見慣れてはいたかもしれない。羽生はわざとらしく隠したりなどしなかった。
他人がいても気にしないといった態度でいてくれたから、春日も早々に馴染むことができたのだと振り返る。
昨夜はリビングで眠ってしまったために、どうやってベッドに入ったのかの記憶もない。
ダウンライトのオレンジ色の明りは暗めに落とされた。
それでも充分なほど、お互いの動きも表情も窺える。
ベッドの脇に並んで立つと、羽生の手が春日の衣類に触れた。
「あ、じ、自分で脱ぐし…」
「俺が脱がせたいの」
手に手を重ねれば言葉で拒絶をされ、ひとり、あっという間に剥かれていく。
全裸にされては居た堪れなく、春日はすぐに布団の中に潜り込んだ。
羽生が脱いでいるところを見るのも失礼だろうと、頭の半分ほどまで布団をかぶり、背を向けていれば、続いて入ってきた羽生が背中から春日を抱きしめてくる。
人肌が直に触れて心臓が跳ねた。
「春日、あったかいね」
「羽生さんこそ…」
耳元で囁かれる声さえ、鼓動を速めるものになる。
「春日…」
呼ばれて振り返ると、目の前にある凛々しい大人の顔が春日を見つめていた。
引力が働くかのように重なっていく唇。上下の唇を食まれ舐められ、僅かな隙間から入り込んできた舌先が春日の口腔内を貪りはじめる。
子供をあやすような、優しいくちづけだった。
一度唇を離すと、羽生のそれは春日の項を這い、肩甲骨を辿る。
時々吸い上げるような動きをするものの、骨格を確かめているような動きだ。
春日は身じろぎをしてもいいものか束の間悩んだ。羽生の顔が見えないのはなんだか不安になる。
だからといって、羽生が愉しんでいるのであればそれも取り上げたくない。
肩から上腕を通って、クルッと春日は仰向けになるよう転がされた。同時に羽生が春日の腰の上を跨っている。
羽生が上半身を起こしたことで、被っていたはずの布団がスルスルっと落ちていった。
「あっ」
部屋の明りの下に晒された身体を隠してくれるものがなくなってしまったのがなんとも心許ない。
顔を見たいと思ってはいたが、こうなっては逆に合わせる方が恥ずかしい。
「なに?」
いたって落ち着いた羽生がそのまま足元に絡んだ掛け布団を床の上に落としてしまった。
手を伸ばしても届く距離ではない。
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支配人らしく店ではきっちりとスーツに身を包み、家ではラフな格好でいても、骨格の良さは外観から伺えた。
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- 関連記事
ああ、いよいよですね。
邪魔さえ入らなければ…
素敵な照明の灯る寝室に連れられて
一枚一枚服を脱がされて
きゃぁーなんか恥ずかしいよー。
わ、関連記事っていうんですか。
そういえばこんなのってほかで見た事あります。
確かにあるといいですよね。
もう一回前回を見直したいとか
あるいはまとめ読みしたいときとかに。
進化してますね。
すごい!!
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すごい!!
甲斐様
おはようございます。
> ああ、いよいよですね。
> 邪魔さえ入らなければ…
> 素敵な照明の灯る寝室に連れられて
> 一枚一枚服を脱がされて
> きゃぁーなんか恥ずかしいよー。
いよいよ♪
いや、もう邪魔はこないでしょう。←石投げられます
脱がされてそのまま待っていられないですよね。
そりゃ、布団の中に潜り込むってもんですわ~。
> わ、関連記事っていうんですか。
> そういえばこんなのってほかで見た事あります。
> 確かにあるといいですよね。
> もう一回前回を見直したいとか
> あるいはまとめ読みしたいときとかに。
> 進化してますね。
> すごい!!
関連記事を貼りつけるためにいじっていた時に、広告まで変更されていたことに気づきませんでした。
今までずっと広告なしにしていたのに…。
一度設定されてしまうとしばらく外せないので、ちょっとがまんしてやってください…。
一応、右カラムに記事一覧は出ているので最近のはいいんですけれど、過去作がバラバラだったから、見返すとすっきりしました。
いちいち目次に戻らなくて済むようになったし。
2年も続けていても分からないことだらけです(涙)
コメントありがとうございました。
おはようございます。
> ああ、いよいよですね。
> 邪魔さえ入らなければ…
> 素敵な照明の灯る寝室に連れられて
> 一枚一枚服を脱がされて
> きゃぁーなんか恥ずかしいよー。
いよいよ♪
いや、もう邪魔はこないでしょう。←石投げられます
脱がされてそのまま待っていられないですよね。
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いちいち目次に戻らなくて済むようになったし。
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