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BLの丘
ちょうどいいサイズ 6
2010-03-31-Wed  CATEGORY: ちょうどいい
「信じらんないっ!!一葉ってばっ!!」
「さくらちゃん、ここはもういいから。中條と先に帰ってね」
連れて行かれた先はトイレだった。
「気持ち悪い…」と訴えると同時に安住に抱きかかえられるようにして運ばれてきた。
慌てた那智が追ってきたらしい。
飲み過ぎた挙句、苦し紛れにゲーゲーと吐きまくる一葉の背を、安住の掌が撫でる。
どんな状況になっているのか、呆然としたような頭はかろうじて理解していたが、身体は全く意思を無視していた。
涙目になりながら吐き出す消化されていないものが安住の手にかかっているのも見えた。
「呑ませ過ぎちゃってごめんね。全部吐いちゃっていいよ」
ほとんど無理矢理といっていいほど喉奥を攻めてきた安住の指先にこらえることのできなかった吐瀉物が便器の中へとこぼれた。
全てを吐き出せば、いくらか気持ちの悪さが軽減されたようにも思える。
自分がどれだけの醜態をさらしているのか、もう考えたくもなかった。

「でも、安住さんっ!!」
「迎え、来ているんでしょ。待たせるのは悪いよ。一葉ちゃんは僕が預かるから心配しなくて大丈夫」
「でも…」
「お願いだからね」
那智と安住の会話は一葉が声を上げる間もなく進んでいるようだった。
一葉は何一つ言葉を返せなく、そして那智にも有無を言わせない口調で安住に告げられれば従うしかなくなったのか、ドアを閉ざす音が聞こえた。

…なにもかもを消し去りたい…
酔いすぎた頭はすでに思考力などなかったが…。
一葉はもう一度だけ胃の中の物を吐くと、そのまま意識を失った。


目覚めた時、柔らかな毛布の中にいた。
明らかに自分の部屋ではない場所に戸惑いが浮かぶものの、頭をガンガンと襲う痛みや、胃を締め付けるような苦しさに起き上がることすらできない。
そんな中で、昨夜の醜態を思い出した。
十中八九、間違っていなければここは安住につれて来られた場所だ。

休日前の日を選んでもらっていたから出社の心配はなかったとしても、これほどの二日酔いは過去に経験すらしたことがない。
だいたい、今は何時なのだろうか、ここはどこなのだろうか…。
思うことはたくさんあるのに、目をあけるのさえ億劫だった。
再び眠りについてしまいたいと甘えた感情が浮かんだ時、カチャリと部屋のドアが開けられるような音がした。
衣擦れの音が自分へと近づいてくるのが分かる。
言葉を上げることもなく、眠りについているのだと思っている一葉の額に温かな掌が触れた。
それと同時になんとか瞼を上げる。
起きたのだと分かる仕草に優しい顔つきの安住が飛び込んできた。
「起こしちゃったかな、ごめんね。まだ寝てていいからね。気持ち悪いとかない?」
見慣れない私服姿はカッチリとしたいつもよりもずっと穏やかな印象がある。静かな口調で問われて、一葉はこれ以上の迷惑もかけたくなく、ただ頷くしかなかった。
「お水とか飲める?脱水症状になっているでしょう。いっぱい水分を取って。楽になれるはずだから」
安住はそういって、一葉の身体を少し起き上がらせると、いつの間にか用意されていたグラスを口元に持ってきた。
正直喉は乾いていた。だから、水が体中に浸透していくように思える。
水というよりも何か入っているようだったがとにかく水分が欲しかった一葉はごくごくと飲みほした。
ふぅ…と息を吐けば、また横にされる。
「安住さん…、ここ…???」
疑問が口に乗れば、安住は分かったように状況を説明してくれた。
「ここは、僕の家だからゆっくりしていいよ。昨日は見境なく一葉ちゃんに呑ませてしまって申し訳なかったね。あんな席は久し振りで僕もはしゃいだのが悪かったよね」
酒席でのペースすら守れなかったのは自己責任のはずなのに…。それすらも押し付けて来ない安住にむしろこちらのほうが申し訳ないと思わされる。明らかに自分の方が悪い。

状況をまともに判断できなかった頭が徐々に動き出した。
ただの毛布だと思っていた場所はベッドの中のようだった。
そして気付いた時、自分は裸だったのだ。
下着一枚も身につけていない姿で、毛布の中にうずまっていた。

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ちょうどいいサイズ 7
2010-04-01-Thu  CATEGORY: ちょうどいい
「あ、あ、あずみさん……っ」
裸であるという状況に気付いて言葉すらまともに飛びださなかった。
顔が真っ赤になっていくのが嫌でも分かる。
一時は抱き起こされ水まで飲ませてもらったのに、今では昨夜以上の醜態のように思えた。
ぎゅっと抱きしめた毛布に丸まるように一層潜り込んだ一葉に、安住も何かを感じたらしい。
「一葉ちゃんの服はクリーニングに出しちゃった。午後一で持ってきてもらえるからね」
激しく汚したのだとわかるだけに一言も出て来ない。
そのうえ、当然全てを安住に見られたのだという羞恥が津波のごとく襲ってくる。
ただでさえ貧弱な身体はとても人様に晒せるものではなかったはずだ…。
クリーニングに出された…とは、それが届くまでここからでられないということか?!
迷惑にしかなっていないはずの行動が嬉しげに伝えられれば一葉は一層縮こまった。
恥ずかしさは焦りへと向かう。
もうひと眠りしたい…とかいう思いも霧のごとく消えた。
「安住さん…」
情けない声をあげても安住は気にした様子も見せない。
「スープとかなら飲める?おかゆも大丈夫なら作ってあげるよ」
「そ、そ、そ、そんなっ…っ!」

散々迷惑をかけているはずなのに、さらにご飯の用意などさせられるわけがない。
そして自分の衣類が届くまで起き上がれない事実に、一葉は激しく首を振った。
あまりの情けなさに今にも泣きだしそうだ…。
うろたえまくる一葉を見て、少しは安心したのか、クスクスと笑みを浮かべながら、部屋の中にあるクローゼットから何やら衣類を取り出してきた。
「生憎新品のものが何もなくてね。これで良かったら着ていて。でも無理して起きなくていいからね。まだ横になっていたほうがいいでしょう」
安住が出してくれたのは洗われてしまわれていたのだと分かるシルクのパジャマで、それを一葉の寝ている横に置くと部屋を出ていってしまった。
きっと一緒にいては余計に一葉が気を使ってしまうという配慮なのだとは思うが…。

見られているわけではないことに少しだけ安心して、一葉はだるさの残る身体を起こすとパジャマの上着を羽織った。
ふんわりとした独特の香りが鼻腔をくすぐり、これが安住の家にある彼の匂いなのだと気付くと同時にドクンっと心臓が高鳴った。
再び酔わされそうな感覚に、身体から力が抜け、ベッドに落ちれば、改めて意識した香りがあちこちから自分を攻めてくるようで落ちつかなくなった。

明らかに分かるぶかぶかな格好に、きちんと前ボタンを締めても、大きく襟口が開き、鎖骨が丸見えとなる。
ひどくだらしない、そして淫らさを強調するようで結局一葉は毛布の中に潜り込んでしまった。
どうしたって身動きができない状況のような気がしたのだ。
下着も身に着けずズボンを穿くのもどうかと躊躇って(ベッドの中に入り込んでいるのも今更だけど…)パジャマの上着をなんとなく足の方へと伸ばしてみれば、予想以上に大きかったようで一葉の腿まで隠していた。
今、何時なのだろう、とグズグズとした気分で部屋を見回せば、ベッドサイドにあった目覚まし時計が10時を過ぎたばかりと伝えた。
…午後の一番で届くって言っていたけど、あと数時間も、ここでどうしろっていうの…????

身体を横にすれば、確かにまだ身動きをとるのも、はっきりと物事を考えるのも億劫なところがある。
そして何よりも安住の決して一葉を責めてこない態度に安心してしまった。
何の物音も響いてこないような静かな空間に、一葉がもう一度目を閉じれば、あっという間に睡魔に襲われた。


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ちょうどいいサイズ 8
2010-04-03-Sat  CATEGORY: ちょうどいい
次に目覚めた時、身体のだるさはまだあったが、押し潰されそうなほど痛かった頭痛は治まっていた。
介抱してもらって更にしっかり寝込んでしまった自分の図々しさに呆れながら、時計を見ればおやつの時間をとっくに過ぎている。
もう夕方になるんじゃんっ!と焦ってベッドから抜け出て、安住のパジャマの上着しか着ていない姿に気付き動きを止めた。
起き上がってみれば、裾は膝上まであるし、肩は必ずどちらか側かにずり落ちて丸出しになる。
極めつけは下着すら穿いていないこと。
いくらなんでもこの格好で部屋を飛び出す勇気はなかった。
部屋をキョロキョロと見回しても、午後には届くと聞いた一葉の衣類はどこにも見当たらない。
「あ、ずみ、さん…?」
一葉から今にも泣き出しそうな情けない小さな声が漏れた。
こういった、『予想もしていなかった現実』に一葉はとても弱い。
安住本人がここにいないのだから声をあげてみたところで意味がないのだが、どうしたらいいのか判断すらできない。
勝手に人の家を出歩くのも気が引ける。
とはいえ、ここに居続けるわけにもいかず、一葉は部屋のドアをそっと開けると、首だけを外に出した。
一番奥の部屋だったらしく、長い廊下と一直線に伸びた階段が見えた。
階段は下に繋がっているということは、ここは2階なのか…と漠然と知る。廊下添いに3つのドアが見えて、意外と大きな家なのだとも思う。

「安住さん?」
蚊の鳴くような声で問いかけてみたのだが、もちろん返事はなく、なにやらカチャカチャと物音だけが聞こえてくる。
それがどこの部屋から発されているのかもよく分からない。
「あ、安住さ~ん」
今度はもう少し大きな声を出してみたら、物音が止まった。
人がいるのだ、という気配だけがはっきりと伝わってきて、ふいに廊下の突き当たりにある、正面のドアが開いた。
「えっ?!」
いきなり表れた人物に素っ頓狂な声が上がる。
部屋から出てきたのは安住ではなく、昨夜初めて会った中條だった。

一葉の頭の中は大パニックに陥った。
咄嗟に部屋のドアを閉めてしまい、その場にへなへなと座り込んでしまう。
頭を巡らせても、どこからどこまでが現実なのか理解ができない。
昨夜、自分をここに連れてきてくれたのは安住だったはずだし、今朝目覚めた時も安住がいた。『僕の家だよ』とも言われた。だけど自分はものすごく酔っ払っていたし、今朝も二日酔いの真っただ中だった。
夢だった…と言われれば、そうなのか~と頷けるほど曖昧な記憶といっていい。

ぱたぱたと歩いてくる音が床越しに伝わってくる。
逃げ惑う間もなく、無情なほどにドアが外側に開けられて、座りこんだ一葉をキョトンとしたように中條が見下ろしていた。
が、直後、笑顔に変わる。
「やっと起きた?」
責めるようなものではなく、悪戯を施すような少年の面影すらある表情。
一葉はやっぱり固まるしかなかった。

「享はあと一時間くらいで戻るって言っていたから。…あ、そうそう。クリーニングが……。ねぇ、まさかその格好でいたの?」
ヘタリと座り込んでいた一葉の上に、痛いほどの視線が注がれている。
中條が気付けば、一葉の素足がピクリと動くくらいだった。
一葉は咄嗟に膝を隠すようにパジャマの裾を引っ張っていた。胸元が開くともしれず。
見る人間からすれば、どう見たって遊女…じゃなくて…、陰間…???
いや、そこまで若くない…。
「あぁぁ…」

情けない声がまた漏れて、恥ずかしさに胸元を抱いて俯くしかない。
…何で何で????どうしてどうして…????何故中條さんがここにいるのぉ?!…
もしかして、恋人同士の愛の巣に押し掛けちゃってたの~ぉ…????
疑問が頭の中でグルグルしたところで聞く勇気すらなかった。

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ちょうどいいサイズ 9
2010-04-04-Sun  CATEGORY: ちょうどいい
顔を赤くしたり、また青くしたりと、変化の激しい一葉をからかうように、中條はクスクスと笑みを浮かべた。
「ヤバイね、その格好。僕でもそそられる」
「ひゃっ」
言葉という肌を撫でていくような囁きが一葉の心臓をますます高鳴らせた。
何も身に着けていない下半身に気を取られ、ひっぱりすぎたせいで肩は露出し、筋肉も何もない薄い胸が上から見れば丸見えといっていい。
一葉はまずどこを先に隠すべきなのか、それすらも分からないくらいてんぱっていた。
こんな姿、人に見せたくない。

「べつに男同士なんだからいいじゃん。なんだか、このまま飾っておきたいくらいの可愛さがあるよね」
「な、な、ないですっ!ないですっ!!ないですからっ!!」
「それって享の好み?それとも一葉ちゃんの趣味?」
必死になって抵抗するような一葉の態度がおかしいのか、中條はさらにからかってくる。
もしも安住と中條の仲が本当なら嫌味でしかないはずの台詞も、中條からはそんな雰囲気は微塵も感じられなかった。
何も答えられずに真っ赤になっていれば、「まぁいいや。一葉ちゃんに食べさせてってお味噌汁があるからおいで」と呼ばれた。

『おいで』…って、いや、だから、その、あの…。

中條は座りこんだままの一葉を促しただけで、さっさと戻っていってしまった。
剥き出しの下半身にすんなり立ち上がることもできず、うろたえ続ければ、廊下の向こうの部屋から「一葉ちゃ~ん」と呼ぶ声が聞こえてくる。

…呼ばれたって行けないよ~…
一向に動かない一葉に痺れを切らしたのか、また中條の歩いてくる足音が響いてきた。
「二度手間かけさせないでね。ほら、さっさと立つ」
まるで上司にでも注意でもされているかのようだった。
腕を取られ、一葉は立ち上がらせられたのだが、スースーとする下半身を押さえるように、またパジャマの裾を引っ張った。
その行動を中條が不思議なものでも見るかのようにぱちぱちと瞬きをし、徐に「まさか…」といきなり後ろをめくり上げられた。
「わっ!!」
「あれ、何も穿いていなかったんだ」
中條は淡々と改めて事実を伝えてくれるが、普段隠している部分をいきなり人目に晒してしまった一葉は生きた心地がしなかった。
「ふぇっ」
「あー、ごめんごめん。でもクリーニングってワイシャツとスーツしかなかったけど。享ってば洗濯機の中に放り込んだままなのかな」
泣き出しそうになる一葉を宥めてはくれたが、告げられたことに涙も引っ込む。

…下着無しで帰るの…?

オロオロとする一葉をやっぱり中條は気にしていない。
「ま、享が帰ってきたら聞いてみよう。享がしじみのお味噌汁を作っていったからそれを食べて時間を潰していればいいよ」
中條に引っ張られ、一葉は否応が無く廊下を歩かされるはめになった。
どうやら安住が戻ってくるまで待っていろということらしいが、こんな格好を晒すくらいならベッドの中がいいと思わず駄々をこねてしまいそうだった。
お味噌汁とかなんとかと言っている時ではない。

安住と中條の間柄がはっきりしないから余計に心にもやがかかる。
そこには悲しさすらあった。
安住の『特別』になろうなどという図々しい夢を見ていたつもりはなかったが、彼のいない間に家のことを任されている中條の存在はやはり大きかった。

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ちょうどいいサイズ 10
2010-04-05-Mon  CATEGORY: ちょうどいい
廊下の突き当たりの部屋はリビングだった。
住居として必要なものは全て2階にあるようだ。
手前の部屋のドアを開けた中條にタオルやら来客用の歯ブラシを渡され、浴室に放り込まれた。
「シャワー浴びてくる?」という問いかけに、図々しくも起こした行動…というより、従わされたというほうが正しい。
有無を言わせないハキハキとした態度に一葉が反論できるはずもなかった。
身綺麗にさっぱりとしても、身を隠すものは先程脱いだ安住のパジャマしかない。
一葉は泣きたくなりながらその一枚を羽織ると、リビングにまたもや顔だけをチョコンと出した。
パソコンに向かって何やら作業をしていた中條が相変わらずニコニコと笑いながら「おいで」と促してくる。
もたもたしていれば強引に連れ込まれ、隣のダイニングテーブルに腰を下ろすはめとなった。
「はい、そこに座って。勧められたものはちゃんと食べる。文句言えるようになれるのは非が無いと言い切れる時」

那智がかなりの実力を身につけて営業職につけているのも分かる気がする『上司』だった。

「貴重品、預かっておいたから。そうそう。享が勝手に一葉ちゃんの携帯に出ちゃったんだよね…。会社の人だったみたいだけど」
衣類をクリーニングに出す際に取りだしたといった感じだった。
先に出された携帯電話に、一葉の視線が向く。
立て続けにあれこれと言われて一葉の頭はまたパニックになりそうだ。
休みだと分かる日にかけてくる会社の人間などまずいない。
安住から伝言を預かっていたと言われながら渡された携帯電話で着信履歴を見れば、所長の磯部からだった。
何事だったのだろうと素早くその場で電話をかけてしまえば、一つのコールも鳴り終わらないうちに怒声が聞こえた。
「馬鹿かっ!!おまえはっ!!!!!」
思わず携帯電話を放り投げてしまいそうだった。
味噌汁をよそろうと鍋の前にいた中條が振り返ったが、そんなのを気にしていられる余裕はない。

確実に一葉からの連絡を待っていたと思われる磯部の声は容赦なく一葉を責めた。
「しょ、しょちょ……」
『どこの世界に御礼言いに行って酔い潰れて迷惑をかける奴がいる?!しかも今何時だぁ?!まだ寝てたとかいうかぁ?!』
一葉は黙るしかなかった。
すでに事情は耳に入っているようだ。
「ふぇ…ぇ…」という情けない言葉だけが漏れた。
『プライベートな集まりだっていうから、口を挟みたくないがなぁ!!客まで紹介されたってなったらこちらも黙ってなんかいられないんだよっ!話を聞いていた感じでは『昔からよーく知っている仲の良いお友達』っていう感じじゃなかったから心配で電話してみればなんてザマだっ?!しかも相手は大手企業を担当する弁護士さんだってぇ?!』
耳が痛けりゃ胃も痛い。
一葉は安住のことをあまり良く知りはしなかったが、その辺のことは聞いたのか調べたのか、磯部の方が詳しそうだ。
『世界を敵に回せるくらいの企業を顧問として持っているくらいの人なんだぞっ!!おとしまえ、全部つけてから帰ってこいっ!!』
今度こそ、一葉は携帯電話を落とした。
温和そうな安住がどれほど優秀でどういった世界に君臨しているのか、一般庶民の一葉からは想像もできない。
とりあえず、生きる世界は違ったようだ…。

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