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BLの丘
ただそこにいて 36
2011-09-29-Thu  CATEGORY: ただそこにいて
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


借金の肩代わり…?
「ど、して、伊佐さんが…?」
ようやく動き出したような脳が伊佐の言葉を反芻してその意味を問う。
そんなことまでしてほしくて伊佐に甘えるわけではない。
伊佐は俊輔を抱き直して髪を梳きながらこめかみに唇を寄せた。
「うん?この体をもらうから」
どことなく冗談ぼく聞こえてしまうのは伊佐のこれまでの発言の数々があったからか…。
だけど内容は冗談では済まされないことだ。
まだ質問したかった言葉は、動きだした伊佐の行為に飲みこまれてしまった。

裸にされた肌の上を伊佐の掌が撫でてしっとりとした感触を残す。一度達してしまった体は先程とは違って敏感になっているような気がした。
「あっ」
どこを触れられても体が跳ねあがるようだった。
伊佐の動きも違う。
さっきの行為が俊輔を高めるための動きであったなら、今は伊佐も本気で乗りだした…といった感じだろうか。
纏わりつくように掌があちこちをまさぐってくる。濡れた唇が肌を舐め、胸元に顔を埋められては小さな突起を甘噛みされた。
「いっ…」
痛いはずなのにジクジクとする感覚は気持ち良さも生んだ。背中を這い上がってくるものがある。
一度弾けた下肢がまた熱い…。
「俊輔、感度いいね」
褒められているのではないと捉えた俊輔は、羞恥で顔をそむけてしまう。
相手に全てを委ねるしか術を持たなく、どう反応したらいいのかも分からず、戸惑いが混じるのに、それらはあっという間に霧散していく。
たっぷりと濡らされ、ねぶられて、小さかった粒は赤くなりぷくりと膨らんでいた。
こうなるとほんの僅かな刺激でも俊輔を苛んできた。フッと息を掛けられては唾液が冷えて疼きを残す。
「あぁぁ…っ…」
声を止めることができない。開いた口から漏れる喘ぎが与えられる快感の強さを物語っているようだ。
…これがセックスというものなのか…。
漠然と頭の隅で思う。

伊佐の掌がまた俊輔の性器を包んだ。
「ひ…っぁあ…っ」
先端から零れていた滑る体液が親指の腹で塗り広げられていく。
「少し待ってて…」
片手で俊輔の雄を弄りながら、器用に伊佐は自分のズボンを脱いだ。
初めて見る伊佐のソレは、逞しく育ち元気よく天を向いていた。硬く張り詰めている怒張。
そのモノがどこに向かい何をしてくるのか…。頭を過るものにブルッと俊輔の体がひとつ大きく震える。
上半身を抱き締めてきながら、握られていた俊輔の性器に伊佐のモノが重なった。
「今日はこれだけにしよう」
俊輔が脅えたのが分かったのか。
伊佐は二つの熱棒をまとめて握るとその中で擦り合わせてきた。
垂れていた先走りが滑りを良くしている。コリコリとした感触がダイレクトに伝わってきた。
「あっ、や…っ」
…またイっちゃう…っ…。
気持ち良さの中に焦りが混じる。
揺れてしまいそうになる腰を少しでも落ち着けようとぎゅっとシーツを握りこんだ。
「気持ちいい?」
耳元で囁かれる吐息までもが刺激になって俊輔を犯してくる。
「あぅ…ん、…っんぅん…」
返事になったのかなっていないのか…。
動きを早められた時には、俊輔の堪えようとした努力は無駄なものに変わっていた。
そして伊佐も小さなうめき声を残して、白濁を迸らせていた。
二度も弾けて、俊輔の中にあった『間違った情報』は改められたかに思われた。

温もりの中で目を覚ます。
“恋人”と過ごす…という憧れや理想像が今、俊輔の目の前にあった。
こんな簡単に手に入ってしまうものなのかと拍子抜けしてしまうほどに…。
伊佐は俊輔に腕枕をし、もう片方の腕で背中を抱いていた。包まれているのだという安堵が俊輔を満たしていく。
布に擦れる肌の感触と伊佐から伝わってくる温かさで、俊輔は自分が全裸でいることに気付いた。目の前に広がる伊佐はしっかりと衣類を纏っているのだから湧きあがる羞恥心は大きい。
暗い中ではない。朝日が差し込む部屋で見る裸体に昨夜の行為が甦っては顔を赤くした。
伊佐の手で剥がされた俊輔のパジャマはどこに消えたのだろう。
背を撫でられあやされて眠ってしまった昨夜を後悔してしまった。
少なくとも伊佐が起きる前に何かを着なければ…。
だが俊輔が動きだせば自然と伊佐も目覚めてしまうというもので。クルリと伊佐に背を向けた途端に、後ろから腕を回されて捕まった。
「ひゃぁっ!」
「おーい、コラコラ。おはようのキスもしないうちにどこに行くの?」
「あ、や、あ、だ、だって…」
うなじに顔を埋めて話す伊佐の口調はいつものようなからかいを含んだものだ。こういった状況に慣れていないのだから勘弁してほしい…という思いも掠めた。
「い、伊佐さん…」
戸惑い俯く俊輔を振り向かせて、額にチュッと音を立てたくちづけを寄越した。
こうなれば動きだそうなんていう気にはなれない。布団の中に隠れるのが精一杯だ。
「…パジャマ…」
小さい声を上げれば伊佐がふふふと笑い声をあげる。
「いいじゃない、このままでも。ベッドの中で誘う俊くん」
「もうっ!」
冗談に聞こえない…。
明るい会話が新鮮でありながら、どこか親しんだ『普通』に感じられた。

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コメント

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No title
コメントけいったん | URL | 2011-09-29-Thu 14:33 [編集]
俊輔の”セックス恐怖症”を直す 伊佐医師のカウンセリングなのでしょうか?
その割には 暴走気味な感じが・・・(。・・。) ポッ

お姫様のような 至れり尽くせりの扱いの魔法の時間
「安堵」が→「愛」に変わる事だってありだよね♪

吉賀の事が引っかかるけど このままでも いいか!?と、俊輔を見てると思ってしまう(o゚ω゚))コクコク

俊輔に完全に依存させた今 伊佐はどうするの?
ほんとに 全身全霊を受け止めてくれるの~
(。¬ェ¬。)ジロリ!!...byebye☆
No title
コメント甲斐 | URL | 2011-09-29-Thu 16:22 [編集]
俊輔くんすっかり騙されてるっていうか魔法にかかってる?
こんなこと”普通”と感じちゃうんだから…

それにしても伊佐さんのソレ
きっとさぞやごりっぱな物なんでしょう
吉賀くんの暴走したアレ以上に
そんな出撃準備の万端な状態から、
暴れださなかったのは大人の余裕と思いやりかな
憧れのお兄さんだった吉賀くんもいいけど
こんな理性と余裕のあるあしながおじさんに、
心ときめいても誰も責められないと思うけどな~
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-09-30-Fri 06:57 [編集]
けいったん様
おはようございます。

> 俊輔の”セックス恐怖症”を直す 伊佐医師のカウンセリングなのでしょうか?
> その割には 暴走気味な感じが・・・(。・・。) ポッ

一応、"治療"しているらしい…です。
先生はどこまでも努力を…(?!)

> お姫様のような 至れり尽くせりの扱いの魔法の時間
> 「安堵」が→「愛」に変わる事だってありだよね♪
>
> 吉賀の事が引っかかるけど このままでも いいか!?と、俊輔を見てると思ってしまう(o゚ω゚))コクコク
>
> 俊輔に完全に依存させた今 伊佐はどうするの?
> ほんとに 全身全霊を受け止めてくれるの~
> (。¬ェ¬。)ジロリ!!...byebye☆

愛に変わればいいんですけれどね~。そしたら全てうまくいく…(←いくのか?!)
このままでもいいか…、いいかなぁ…。
なーんて思ってしまうところもありますが。
やっぱり吉賀のことが気になりますね。
けいったん様も疑われていますし。(しっかり見られている…汗)
コメントありがとうございました。


Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-09-30-Fri 07:05 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> 俊輔くんすっかり騙されてるっていうか魔法にかかってる?
> こんなこと”普通”と感じちゃうんだから…

伊佐流に洗脳されております。
手練手管、おそるべし。

> それにしても伊佐さんのソレ
> きっとさぞやごりっぱな物なんでしょう
> 吉賀くんの暴走したアレ以上に
> そんな出撃準備の万端な状態から、
> 暴れださなかったのは大人の余裕と思いやりかな
> 憧れのお兄さんだった吉賀くんもいいけど
> こんな理性と余裕のあるあしながおじさんに、
> 心ときめいても誰も責められないと思うけどな~

どんな立派なものだったんでしょうね。
まぁ、Sサイズと津和野に言われちゃった俊輔ですからね~。
他の人のはみんな立派に見えると思いますが(笑)
伊佐もそこは大人の理性をもって対応…なんでしょう。
ハイ、心変わりしちゃっても仕方ないですよね。
吉賀はまだおこちゃまだし…。

コメントありがとうございました。

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