R15 微妙な性描写が入ります。閲覧にはご注意ください。
うなじを這う唇がくすぐったく感じる。包まれた背中が熱い。風邪をひいて熱を出した時の熱さとは違う。
吉賀に抱かれそうになった時は勢いと、吉賀の欲求でいっぱいだった。
生活のあれこれなど巣食うものがいっぱいあって、待った!をかけて抵抗するのに、だけど嫌でも感じてくる体があって訳が分からなかった。
触れられたら感じるんだ、と知ったことでもある。強制的な何かでも…。
今は…。
ゆっくりと何かを引き出そうとする穏やかな時間に感じる。
性行為のことについてなんてこれといった知識があるわけではないけれど…。
当然『違い』なんていうものも分からないけれど。
吉賀と伊佐は確実に違う動きを辿っていた。
「俊…」
耳元で囁かれた優しさを纏う声音に体の中心からゾクリとくるものがある。
弱った心と体を、全てを受け止めてくれると分かる、安心したものを持っている人だから、何もかもを投げ出して溺れてしまいたかった。
…これを手に入れられたら、安息の日々が待っている…。
俊輔の中で湧きあがるものに支配されていく。
「伊佐さん…」
俊輔は伊佐の腕の中で、コロンと向きを変えた。
いつも眠っている時と同じ、伊佐の心音を聞く姿勢だ。背中をとんとんとたたかれて、やすらぎを覚える。
胸元に鼻先をつけて伊佐の香りを吸い込む。慣れてしまった『あってあたり前』の香り。
伊佐は額に口付けをひとつ落とした。
これから始まることを漠然と思う。
吉賀の時に感じたような『嫌』はなかった。
あれほど好きだった人なのに、この違いは何なのだろうか。
俊輔は自分で考えることも取っている行動も理解できない。自分自身が何者なのかも分からなくなるような感覚…。
…本能の赴くまま…。
導き出せる答えは一つしかない。
『かぼちゃの馬車に乗ったお姫様…。…素直に楽しいとか嬉しいと感じたことを顔に出したり声にするんだ…』
伊佐の声が胸の中に響く。
欲しいのは追われるような生活ではなくて、今日味わってしまったゆとりのあるもの。
額から頬へ。顎先を掠めて首筋へと唇が動いていく。
俊輔のために用意された、俊輔のサイズのパジャマの裾から入り込んだ温かな掌が、脇腹と背を撫でた。
横向きだった体が静かに仰向けに変わる。
太腿の上に跨ってきた伊佐は、確認を取るように一度俊輔の顔を覗きこんできた。
望んでいるのは自分なのか…。
『同意の上ですること』と聞かされたことが脳裏を過る。
声が出ることはなかったけれど、伸ばした手は伊佐を求めるものだった。
手を取った伊佐は甲に唇をつける。
『お姫様』…。
伊佐の声が聞こえた気がした。
覆いかぶさってきた伊佐の唇が俊輔のものと重なった。
そっと差し込まれた舌先が歯列をなぞり俊輔の舌を捕ろうとする。
夢中で貪られた吉賀の動きよりもずっと緩慢で、じわりじわりと俊輔の体に火を灯していくようだった。
触れる伊佐の掌が、布の上から内股をさすってくる。
勃ちあがる兆しをみせた股間があることを、触られて気付く。
そのことが恥ずかしくて両腿を固く閉じようとするのに、伊佐の片足が挟まれるほうが早かった。
「い…さ…」
「嫌ならやめるけれど。そしたら今日、俺はリビングで寝るよ」
「や、だ…。ここに、いて…」
縋ったのは気持ちなのか体なのか…。
訳の分からない渦に飲み込まれていく。
ただ感じるのは…。『安堵』。
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うなじを這う唇がくすぐったく感じる。包まれた背中が熱い。風邪をひいて熱を出した時の熱さとは違う。
吉賀に抱かれそうになった時は勢いと、吉賀の欲求でいっぱいだった。
生活のあれこれなど巣食うものがいっぱいあって、待った!をかけて抵抗するのに、だけど嫌でも感じてくる体があって訳が分からなかった。
触れられたら感じるんだ、と知ったことでもある。強制的な何かでも…。
今は…。
ゆっくりと何かを引き出そうとする穏やかな時間に感じる。
性行為のことについてなんてこれといった知識があるわけではないけれど…。
当然『違い』なんていうものも分からないけれど。
吉賀と伊佐は確実に違う動きを辿っていた。
「俊…」
耳元で囁かれた優しさを纏う声音に体の中心からゾクリとくるものがある。
弱った心と体を、全てを受け止めてくれると分かる、安心したものを持っている人だから、何もかもを投げ出して溺れてしまいたかった。
…これを手に入れられたら、安息の日々が待っている…。
俊輔の中で湧きあがるものに支配されていく。
「伊佐さん…」
俊輔は伊佐の腕の中で、コロンと向きを変えた。
いつも眠っている時と同じ、伊佐の心音を聞く姿勢だ。背中をとんとんとたたかれて、やすらぎを覚える。
胸元に鼻先をつけて伊佐の香りを吸い込む。慣れてしまった『あってあたり前』の香り。
伊佐は額に口付けをひとつ落とした。
これから始まることを漠然と思う。
吉賀の時に感じたような『嫌』はなかった。
あれほど好きだった人なのに、この違いは何なのだろうか。
俊輔は自分で考えることも取っている行動も理解できない。自分自身が何者なのかも分からなくなるような感覚…。
…本能の赴くまま…。
導き出せる答えは一つしかない。
『かぼちゃの馬車に乗ったお姫様…。…素直に楽しいとか嬉しいと感じたことを顔に出したり声にするんだ…』
伊佐の声が胸の中に響く。
欲しいのは追われるような生活ではなくて、今日味わってしまったゆとりのあるもの。
額から頬へ。顎先を掠めて首筋へと唇が動いていく。
俊輔のために用意された、俊輔のサイズのパジャマの裾から入り込んだ温かな掌が、脇腹と背を撫でた。
横向きだった体が静かに仰向けに変わる。
太腿の上に跨ってきた伊佐は、確認を取るように一度俊輔の顔を覗きこんできた。
望んでいるのは自分なのか…。
『同意の上ですること』と聞かされたことが脳裏を過る。
声が出ることはなかったけれど、伸ばした手は伊佐を求めるものだった。
手を取った伊佐は甲に唇をつける。
『お姫様』…。
伊佐の声が聞こえた気がした。
覆いかぶさってきた伊佐の唇が俊輔のものと重なった。
そっと差し込まれた舌先が歯列をなぞり俊輔の舌を捕ろうとする。
夢中で貪られた吉賀の動きよりもずっと緩慢で、じわりじわりと俊輔の体に火を灯していくようだった。
触れる伊佐の掌が、布の上から内股をさすってくる。
勃ちあがる兆しをみせた股間があることを、触られて気付く。
そのことが恥ずかしくて両腿を固く閉じようとするのに、伊佐の片足が挟まれるほうが早かった。
「い…さ…」
「嫌ならやめるけれど。そしたら今日、俺はリビングで寝るよ」
「や、だ…。ここに、いて…」
縋ったのは気持ちなのか体なのか…。
訳の分からない渦に飲み込まれていく。
ただ感じるのは…。『安堵』。
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ご無沙汰してました。┏○))ペコ
色々な相手が登場して 誰が俊輔の恋人になるの?って ずっと思ってました。
私の想像(妄想とも言う(笑))では、真っ先に消去された伊佐医師!
彼は、結局 ”いい人”で終わるのかと...
なのにーこの展開だよーー∑((*゚д゚*))ドキッ
俊輔が伊佐に抱く感情が『安堵』で 『愛』では無い!?
いいの!? これで いいの~~!?!?∑(; ̄□ ̄Å アセアセ...byebye☆
色々な相手が登場して 誰が俊輔の恋人になるの?って ずっと思ってました。
私の想像(妄想とも言う(笑))では、真っ先に消去された伊佐医師!
彼は、結局 ”いい人”で終わるのかと...
なのにーこの展開だよーー∑((*゚д゚*))ドキッ
俊輔が伊佐に抱く感情が『安堵』で 『愛』では無い!?
いいの!? これで いいの~~!?!?∑(; ̄□ ̄Å アセアセ...byebye☆
安らぎを与えてくれる優しい手と慣れた匂い
トラウマになって人との接触や好きになった人との触れ合いさえも
怖いものだと心と身体に記憶されてしまったらかわいそうだなと思っていました
魔法使いのような伊佐先生の呪文に
いろんな物がとけて来るようですね
ん~
だけどこれでいいのか?
吉賀は?
トラウマになって人との接触や好きになった人との触れ合いさえも
怖いものだと心と身体に記憶されてしまったらかわいそうだなと思っていました
魔法使いのような伊佐先生の呪文に
いろんな物がとけて来るようですね
ん~
だけどこれでいいのか?
吉賀は?
けいったん様
こんにちは。ご無沙汰です。
静観してくださっていたのですね~。
> 色々な相手が登場して 誰が俊輔の恋人になるの?って ずっと思ってました。
>
> 私の想像(妄想とも言う(笑))では、真っ先に消去された伊佐医師!
> 彼は、結局 ”いい人”で終わるのかと...
> なのにーこの展開だよーー∑((*゚д゚*))ドキッ
>
> 俊輔が伊佐に抱く感情が『安堵』で 『愛』では無い!?
> いいの!? これで いいの~~!?!?∑(; ̄□ ̄Å アセアセ...byebye☆
誰が相手~~~???はまだ決まっていない(←そんなわけはありませんが)状況です。
いや、流れで色々な方向に…。
真っ先に消去されていたのかΣ( ̄□ ̄;)伊佐!!!
でもこの展開ヽ(゚∀゚)ノ。予想外路線いけてちょっと満足(←)
で、読みが深いですよ。そう、『安堵』なんですよ。愛じゃないです。
そこんとこね~。
どうなるんでしょうね~。
コメントありがとうございました。
こんにちは。ご無沙汰です。
静観してくださっていたのですね~。
> 色々な相手が登場して 誰が俊輔の恋人になるの?って ずっと思ってました。
>
> 私の想像(妄想とも言う(笑))では、真っ先に消去された伊佐医師!
> 彼は、結局 ”いい人”で終わるのかと...
> なのにーこの展開だよーー∑((*゚д゚*))ドキッ
>
> 俊輔が伊佐に抱く感情が『安堵』で 『愛』では無い!?
> いいの!? これで いいの~~!?!?∑(; ̄□ ̄Å アセアセ...byebye☆
誰が相手~~~???はまだ決まっていない(←そんなわけはありませんが)状況です。
いや、流れで色々な方向に…。
真っ先に消去されていたのかΣ( ̄□ ̄;)伊佐!!!
でもこの展開ヽ(゚∀゚)ノ。予想外路線いけてちょっと満足(←)
で、読みが深いですよ。そう、『安堵』なんですよ。愛じゃないです。
そこんとこね~。
どうなるんでしょうね~。
コメントありがとうございました。
甲斐様
こんにちは。
> 安らぎを与えてくれる優しい手と慣れた匂い
> トラウマになって人との接触や好きになった人との触れ合いさえも
> 怖いものだと心と身体に記憶されてしまったらかわいそうだなと思っていました
> 魔法使いのような伊佐先生の呪文に
> いろんな物がとけて来るようですね
> ん~
> だけどこれでいいのか?
> 吉賀は?
俊輔、根の部分はすごく傷ついているんでしょうが。
伊佐はそれをうまく癒してくれているんだと思います。
だけど~~。これはちょっと…。
魔法使い、伊佐先生、いろいろな呪文をかけすぎてなんか違った方向に~~~。
俊輔の心がとけるのはいいんですけどね~~~。
吉賀、知ったらそれこそ殴りこみになりそうだな…。
(いや、そこは黙っていてね…。闇に葬るのが得意そうな大人さん…)
コメントありがとうございました。
こんにちは。
> 安らぎを与えてくれる優しい手と慣れた匂い
> トラウマになって人との接触や好きになった人との触れ合いさえも
> 怖いものだと心と身体に記憶されてしまったらかわいそうだなと思っていました
> 魔法使いのような伊佐先生の呪文に
> いろんな物がとけて来るようですね
> ん~
> だけどこれでいいのか?
> 吉賀は?
俊輔、根の部分はすごく傷ついているんでしょうが。
伊佐はそれをうまく癒してくれているんだと思います。
だけど~~。これはちょっと…。
魔法使い、伊佐先生、いろいろな呪文をかけすぎてなんか違った方向に~~~。
俊輔の心がとけるのはいいんですけどね~~~。
吉賀、知ったらそれこそ殴りこみになりそうだな…。
(いや、そこは黙っていてね…。闇に葬るのが得意そうな大人さん…)
コメントありがとうございました。
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