燻っていた想いはお互いにあったのだろうか…。
戸惑いを宿した信楽の瞳は揺れ、それを追いかけるように旭の目は縋りついていった。
濡れた信楽の手が迷うように手拭きへと移る。
小さな溜め息をこぼされ、今いる存在自体が邪魔なのかと焦りもした。
「浅井さん…」
そっと囁きかけた言葉。…彼の元へ踏み込めない現実を知りはしても…。どこかで追い求めている。
彼の返事を待つ時間などなかった。待ちたくなかったというほうだろう。
ぎゅっと抱きついた先。硬い筋肉が戸惑いながらも旭を包んでくれた。
旭は顔を上げる。戸惑う表情を無視して、想いのたけをぶつけるキスを贈った。
触れあわせるだけのものかもしれない。子供っぽいものなのか…。
でも嫌われるような抵抗がなかったことで安堵も生みだした。
信楽は、一切の抵抗をみせずに、おとなしく旭の出方をみまもってくれたようだった。
反応がない…。それはありがたいことになるのだろうか…。
旭は甘えたように、強く唇を押し付けた。
揺れる体を支えてほしくて両手が信楽の腕にしがみつく。嫌がってはいない信楽の腕が、旭の体を支えた。
それに気を良くしてそっと差し込んだ舌先。
絡め取ってくれる舌上がある。
撫でられる上顎は旭の感覚を刺激し、絡ませられる水音が耳に響いて更なる興奮を生みだした。
息が苦しくなる…。
「あ、…っはぁ…」
けしかけたのは自分で、束の間離れただけでもったいなさを感じ、もっと…と強請る。
その意味を理解するのか、信楽は止めることなく旭を貪ってくれた。
彼にとって、対象外ではない、その事実を突き付けられているようで喜びが湧きあがる。
嫌われているのなら、家に呼ばれることもないし、たとえけしかけたとしてもこうして受け入れてくれることなどないだろう。
唇を触れ合わせることに疲れた…といった感じで、ふたりに隙間ができた。
離れた時に旭は大きな吐息をつく。
信楽の胸元にもたれながら、全てが遊びで一時的なものでないことを祈った。
なにもかも旭が望んだことだけれど…。今現在信楽に特別な相手がいないと知ってはいるけれど…。
信楽が軽率に相手を求めたりなどしない人。旭だからこそ許してくれた相手。
そう思いたい…。
「浅井さん…」
ポツリと呟いた声に、やはり困惑した信楽の声が舞い降りた。
「困ったね…。俺も一人の男なんだって忘れてる?」
「いいです。浅井さんにだったらなにされても…」
「簡単にそういうこと、言うもんじゃないよ」
戸惑いはある。感じる。旭だけではなくて、信楽が持つもの。
だけど、伊吹と別れてから溜めこんでいたナニカはあるのだろう。
その一時しのぎになってしまうのかもしれないけれど。
“対象”として見られることが旭には嬉しいことだった。
始まりは”体”から。
それでもいい…。
旭は拒まないというように、もう一度唇を合わせた。
掴んだ手のひらを自分の首筋にあて、スッとシャツの合わせ目から下へと促す。
ヒクッと反応してしまった下半身に言い訳もしない。
ひとつの飢えをしのぐかのように、信楽の手が自ら旭の肌を舐めることに、ホッと溜め息が漏れる。
全ては嫌われていないとつながる。
「寝室に行こう…」
耳元で囁かれた言葉に、無言で頷いた。
夢の空間なのかもしれない。
…でも今、信楽は自分のものになる…。
体を明け渡しても、何を晒しても、欲しいものを繋ぎとめたい執着心。
自分がこんなに貪欲な性格だと初めて知った気分だ。
連れられる腕が、支えられる手のひらが熱くて、より興奮させてくれるものとなった。
ずっと控え目に過ごした日々。『好き』の言葉を今なら言っても嫌われないような気がする。
今だからこそ言えるような気がする。
誰とも付き合わないと言った信楽の本音は、旭を抱いた時にどう変わるのだろうか。
優しさの影に付け入りたい卑しさがふつふつと湧いた。
体を繋げられる…。それは弱みになるのか、武器になるのか…。
足元を照らすだけのようなオレンジ色の照明が宿る部屋で、ベッドを前にして真っ先に丸裸になったのは旭だった。
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ごめんなさい。全然書けませんでした。休もうかと思ったくらい…。短いですけれどお許しください。
戸惑いを宿した信楽の瞳は揺れ、それを追いかけるように旭の目は縋りついていった。
濡れた信楽の手が迷うように手拭きへと移る。
小さな溜め息をこぼされ、今いる存在自体が邪魔なのかと焦りもした。
「浅井さん…」
そっと囁きかけた言葉。…彼の元へ踏み込めない現実を知りはしても…。どこかで追い求めている。
彼の返事を待つ時間などなかった。待ちたくなかったというほうだろう。
ぎゅっと抱きついた先。硬い筋肉が戸惑いながらも旭を包んでくれた。
旭は顔を上げる。戸惑う表情を無視して、想いのたけをぶつけるキスを贈った。
触れあわせるだけのものかもしれない。子供っぽいものなのか…。
でも嫌われるような抵抗がなかったことで安堵も生みだした。
信楽は、一切の抵抗をみせずに、おとなしく旭の出方をみまもってくれたようだった。
反応がない…。それはありがたいことになるのだろうか…。
旭は甘えたように、強く唇を押し付けた。
揺れる体を支えてほしくて両手が信楽の腕にしがみつく。嫌がってはいない信楽の腕が、旭の体を支えた。
それに気を良くしてそっと差し込んだ舌先。
絡め取ってくれる舌上がある。
撫でられる上顎は旭の感覚を刺激し、絡ませられる水音が耳に響いて更なる興奮を生みだした。
息が苦しくなる…。
「あ、…っはぁ…」
けしかけたのは自分で、束の間離れただけでもったいなさを感じ、もっと…と強請る。
その意味を理解するのか、信楽は止めることなく旭を貪ってくれた。
彼にとって、対象外ではない、その事実を突き付けられているようで喜びが湧きあがる。
嫌われているのなら、家に呼ばれることもないし、たとえけしかけたとしてもこうして受け入れてくれることなどないだろう。
唇を触れ合わせることに疲れた…といった感じで、ふたりに隙間ができた。
離れた時に旭は大きな吐息をつく。
信楽の胸元にもたれながら、全てが遊びで一時的なものでないことを祈った。
なにもかも旭が望んだことだけれど…。今現在信楽に特別な相手がいないと知ってはいるけれど…。
信楽が軽率に相手を求めたりなどしない人。旭だからこそ許してくれた相手。
そう思いたい…。
「浅井さん…」
ポツリと呟いた声に、やはり困惑した信楽の声が舞い降りた。
「困ったね…。俺も一人の男なんだって忘れてる?」
「いいです。浅井さんにだったらなにされても…」
「簡単にそういうこと、言うもんじゃないよ」
戸惑いはある。感じる。旭だけではなくて、信楽が持つもの。
だけど、伊吹と別れてから溜めこんでいたナニカはあるのだろう。
その一時しのぎになってしまうのかもしれないけれど。
“対象”として見られることが旭には嬉しいことだった。
始まりは”体”から。
それでもいい…。
旭は拒まないというように、もう一度唇を合わせた。
掴んだ手のひらを自分の首筋にあて、スッとシャツの合わせ目から下へと促す。
ヒクッと反応してしまった下半身に言い訳もしない。
ひとつの飢えをしのぐかのように、信楽の手が自ら旭の肌を舐めることに、ホッと溜め息が漏れる。
全ては嫌われていないとつながる。
「寝室に行こう…」
耳元で囁かれた言葉に、無言で頷いた。
夢の空間なのかもしれない。
…でも今、信楽は自分のものになる…。
体を明け渡しても、何を晒しても、欲しいものを繋ぎとめたい執着心。
自分がこんなに貪欲な性格だと初めて知った気分だ。
連れられる腕が、支えられる手のひらが熱くて、より興奮させてくれるものとなった。
ずっと控え目に過ごした日々。『好き』の言葉を今なら言っても嫌われないような気がする。
今だからこそ言えるような気がする。
誰とも付き合わないと言った信楽の本音は、旭を抱いた時にどう変わるのだろうか。
優しさの影に付け入りたい卑しさがふつふつと湧いた。
体を繋げられる…。それは弱みになるのか、武器になるのか…。
足元を照らすだけのようなオレンジ色の照明が宿る部屋で、ベッドを前にして真っ先に丸裸になったのは旭だった。
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ごめんなさい。全然書けませんでした。休もうかと思ったくらい…。短いですけれどお許しください。
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旭くん、信楽さんの最初のステップになれば良いですね。
旭くん、知れば知るほど好きになりますね。健気だし。
伊吹は伊吹、旭は旭なんだから本当に上手くいって欲しいです。
旭くん、知れば知るほど好きになりますね。健気だし。
伊吹は伊吹、旭は旭なんだから本当に上手くいって欲しいです。
ちー様
おはようございます。
初めの一歩(爆)
> 旭くん、信楽さんの最初のステップになれば良いですね。
> 旭くん、知れば知るほど好きになりますね。健気だし。
>
> 伊吹は伊吹、旭は旭なんだから本当に上手くいって欲しいです。
信楽もいっぱいかかえているところはありますからね~。
旭が何か解消してくれるといいです。
旭って、ほんとけなげです。
イジワルな(←いや、そんなことないけど)伊吹とは違うよな~。
このままラブイチャにいけるでしょうか。
コメントありがとうございました。
おはようございます。
初めの一歩(爆)
> 旭くん、信楽さんの最初のステップになれば良いですね。
> 旭くん、知れば知るほど好きになりますね。健気だし。
>
> 伊吹は伊吹、旭は旭なんだから本当に上手くいって欲しいです。
信楽もいっぱいかかえているところはありますからね~。
旭が何か解消してくれるといいです。
旭って、ほんとけなげです。
イジワルな(←いや、そんなことないけど)伊吹とは違うよな~。
このままラブイチャにいけるでしょうか。
コメントありがとうございました。
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