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BLの丘
ふたり 40
2012-05-22-Tue  CATEGORY: ふたり
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


温泉街を歩こう…という言葉は幻にならなかった。
このまま寛いでしまうのではないかと思ったが、お茶の一杯を飲んだだけで信楽は動きだそうとする。
夕食は部屋まで運ばれるようだし、全室20室しかない旅館は、各室に客室風呂がついているそうだ。
大浴場もあるが宿泊人数が少なければ当然出会う人も多くなく、混雑するものがないのだと、嫌でも教えてくれる。
たとえ誰かに出会ってしまったとしても…、多くの人間に囲まれることはない。
旭が想像していた大衆浴場とは違う。

早速、お風呂に入りたいのではないのかと気遣ったが、信楽は閉じこもることより、見回る行動力を見せた。
ほんのちょっとの刺激が信楽の新たな文を生むのかと思えば逆らう気も起きない。
車で通り過ぎるだけと、歩いて味わうものはまた違うもの。
「うんっ」
素直に従う旭に、そっと抱き寄せた信楽が、「迷子にならないでね」と釘をさしてくる。
いくら感情任せに動くからといって…。
見知らぬ土地で信楽から離れることなどないと剥れて見せる。

まだ時間のあるふたりは近くの場所だけでも、と表通りに出た。
賑わっている…とは言えないのかもしれないが、その中に古き良き時代の流れのようなものを感じたりした。
旭はあまり興味がなかったが、信楽には観察する部分が大きいのだろう。
常にデジタルカメラを持参し、店員とも会話を進めていく。
新しく聞くこと、あれこれと結び付けていく思考力の柔らかさ。
培ってきた年齢とは違う、なにかがある。
未知の世界に引きこんでくれる力はそこかしこから感じられた。
だからこそ、五感で感じて生まれる言葉があるのだろうか。

陽が傾き、旅館へと戻る。
夕食の時間を遅らせてくれたのか、一風呂あびる時間があるのだと説明された。
それは大浴場でも個室でも良かったのだが…。
「今の時間なら、人もいないはずだよ」
客室数、宿泊人数、何もかもを考慮して連れ込まれた大浴場は、緊張感を持たせずに入らせてくれる信楽の配慮によるものだ。
状況を確認したのだろう。躊躇いは信楽にない。
お腹をすかせた空腹音が、少し響き渡ってしまったが…。
誰かに見られるのではないのかという強張りがはがれる。
時間帯はもちろんのことながら、その場には自分たち以外に誰もいなかった。
洗い場で、腰に巻いたはずの布地がさらりと剥がされた。

いつ誰が来るかも分からない…。
だけど、だからこそ、公共の場で繰り広げられる行動の全てが興奮の渦となってヒクリと蠢く。
「旭…」
どんな反応を見せているのかすでに目の前にいる信楽は知る。視線は釘付けになっているようで膝を閉じようとした。
「あっ…っ」
それすら許されなく、相手の希望のまま足を広げた。
恥ずかしさ…はすでに消えている…。
いや、あるのだけれど、ふたりでいる分にはなにもかも許されると思えた。
双丘を椅子のぎりぎりのところにかけさせて、跪いた信楽は正面に佇み、泡をまとって潜り込んできた指が、狭い道をかきわけた。
わずかに生えた毛の上を指の腹が撫でるたびに、ゾクゾクと全身が粟立つ。
「ふっ…んっ…っ」
旭が漏らす抑えた声も、浴槽に流れてくる湯の音でかき消された。

信楽は自ら椅子に座ると、旭の背中を預かって、膝の上に座らせた。
後孔に屹立したものがあたり、信楽も待っていたのだと感じては嬉しくなる。
ゆっくりと潜り込んでくる熱棒。
身近に感じられる存在に喉奥を鳴らした。
「あっ…っんっ…」
後ろから両膝を抱えられて、体を支えてくれるものが雄の存在しかなくなった。
奥の奥まで貫かれて、苦しさと悦びが同時に襲ってくる。
「あっ…っ…」
「旭、見て…。全部入っている…」
正面にある鏡が、現在のふたりの動きをうつしだしていた。
曝け出した後孔は、目一杯広がり、信楽を飲みこんでいる。
卑猥な光景に、起ちあがった性器からコプッと新たな体液が零れ出る様まで見えた。
改めて見せられる姿は、誰かに見られているような緊張を運んできた。
「あっ、ゃ…っ…」
浅ましい自分の姿を確認させられるようで視線を反らす。しかし小さな拒絶も信楽は聞き入れてくれなかった。
「ほら、ちゃんと見ていて。旭がどんなふうに善がるのか俺に教えて…」
そんなのは信楽一人が知ればいいことだと思うのに…。すでに知っているだろうに…。
反論の言葉も出てこない。
僅かな揺すぶりで、もっと強い刺激が欲しくなって、この場所に長くとどまることへの焦りも追い打ちをかけてくる。
いつ、誰が来てもおかしくない場所…。
「あ、…信楽、さん…っ」
鏡越しに視線が絡まり合った。
互いの視線がどこに向いているのかも見ることができる。
接合部分をはっきりと見せつけられ、羞恥は新たな興奮を呼び込んだ。
体の奥底から湧きあがる欲情は、これまでに知らなかった世界観だ。
逆らうことなく足を広げ、下から突き上げられて本能のままに欲望を滾らせる。
「し、…っ、信楽、さ…っ」
旭の性器に信楽の指が絡まり、手のひらで包まれて扱かれて…。気持ち良さに背が反りかえり信楽の肩に後頭部が乗った。
「旭…、可愛いよ…」
「あぁぁぁっ…っ…っ」
湿った空気と声が鼓膜に響き渡る。
大浴場に弾け飛ぶ白濁と、旭の嬌声。体内に注がれる愛の証。
どんなに恥ずかしいことでも、信楽のためなら受け入れられると、また思っていた旭は、くたりと大きな胸に倒れ込んだ。

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あと2話くらいで…。
なんで延びたかって…。
だって…。…おふろえっちしたいって信楽が言うから…(ボソ)
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コメント

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何かあ
コメントちー | URL | 2012-05-22-Tue 21:27 [編集]
旭の呪いとでも言うかぁ、書いたコメが消えるんですけど!

早く、番外編になれば良いのにとか書いたから?
良いじゃん、今幸せでしょ?
公共の場で何してんのかしらっ!
旭も嫌がりなさい。
絶対しない、知ってる(笑)

そうかあ、あと五話くらい?
信楽さんの体力がまだまだって。

Re: 何かあ
コメントたつみきえ | URL | 2012-05-23-Wed 06:57 [編集]
ちー様
おはようございます。

> 旭の呪いとでも言うかぁ、書いたコメが消えるんですけど!

あら、また消えちゃったの?
旭に呪われてるのか(爆)

> 早く、番外編になれば良いのにとか書いたから?
> 良いじゃん、今幸せでしょ?
> 公共の場で何してんのかしらっ!
> 旭も嫌がりなさい。
> 絶対しない、知ってる(笑)
>
> そうかあ、あと五話くらい?
> 信楽さんの体力がまだまだって。

公共の場ですよね~。
何しているんですかね~。
楽しんでますね~。

あと五話?!Σ (゚Д゚;)
信楽、まだ若いつもりでいるようですが…。
えち、書けない私は逃げ出したいです。
そろそろ終わりにしなければ…。
コメントありがとうございました。

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