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BLの丘
乱反射 25
2012-10-31-Wed  CATEGORY: 乱反射
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


「ごめん…ごめん…」
それ以上、何も伝えられる言葉がなかった。
あつみは必死に、口をパクパクするだけの真室の口端、頬、瞼へとくちづけて、落ち着きを取り戻そうとした。
なによりは自分なのかもしれないけれど…。
「真室…」
最奥まで埋めた分身はそのままで、グルリと絡みついてくる内筒に、これ以上真室に与えるのは…と必死で耐えた。
くちづけを贈っては、締め付けられるキツサを解そうとする。
すぐにでも動きたくなる、絡まれ具合。
はらはらと零れ落ちていく涙の粒を唇で掬い取り、背中と肩を抱く。
包んだ細い体は半ば呆然としているようだった。
あつみの体に巻きついていた腕が外れないのが不思議に思えるくらい…。
いや、縋るものがそこしかないと捉えるべきだろうか。

「真室…」
「…っく…っ、あ、…ぁあぁ…」
あつみの呼びかけに何か声を返そうとする真室がいる。
唇を寄せたり、髪を撫でたり、あつみは極力体を動かさない行動を続けた。
「無理しなくていい…。痛いよな…。辛いだろう…。ゴメン…。酷くしないって言ったのに…」
自分の欲望のままに進んでしまった反省はあつみの中に強くあった。
真室が一人だけで先にイかされることを拒んで、繋がりを求められて、それに応えた形ではあっても、もっと手順を踏むべきだっただろうと後悔がある。
分かってはいても堪えられない魅力が目の前にいたという言い訳は、聞いてもらえるだろうか…。
「あ…っ、は…っ…、んっ…」
「真室、好きだよ…。…また大きく深呼吸できる?小さいのでもいいから…。いっぱい息吸って吐いて、少しずつ楽になれるはず…」
何も話さなくていいと宥める。
知らない世界のことに、できるだけのアドバイスは与えてやりたい。
それは今後の自分のためでもあるのだが…。
慣れてくれたらいい…というささやかな期待。

コクコクと無言のまま頷いてくれる真室を、改めて抱きこんでは、これ以上膨張させないようにとあつみはじっとしていた。
耳元で荒々しい息づかいが聞こえてくる。
強張っていた体から少しずつ力が抜けていくのも、収めたモノが感じ取っていく。
「あ、…あつみ…さん…」
「ん?」
ようやく吐き出してくれた声は小さく掠れていたけれど、すぐそばにいればはっきりと聞き取れるものであった。
そっと見下ろした表情は涙で潤み、頬を紅潮させている。
絞り出すように、「ありがと…」と耳に飛び込んできた時には、落ちつけたはずの気持ちも雄も跳ねあがった。
「あぅっ」
「真室、頼む…。あんまり煽らないでくれ…」
真室の頭を抱えては、ドクドクと脈打つ分身をどうにも抑えられなくなってしまった。
酷いことをされた…という自覚は、真室にはないようだった。
「すご…、…あつ、いよ…。いっぱい…」
「真室の中もすごく熱い。分かる?俺を締め付けているの…。千切られそう…」
それはもちろん、慣れていない狭さのせいもあるのだろうが…。
余計に神聖な場所なのだと思わせてくれる。
腹の間に手を差し込み真室の先程まで興奮にまみれていた分身を握った。
やはり先程の硬さはなくなっている。
気を反らす意味もあって、あつみは掌でくるんでは、そっと扱いた。
「あっ、あつみ…さ…っ」
「俺だけが気持ちいいって言うわけにはいかないんだよ。本当の意味はこれから…」
それが何を表すことなのか、漠然と真室は悟ったらしい。
本当に…。真室はあつみに満足を与えるためだけに存在すると思っていたのだろうか…。
そんな酷い存在にできるわけがないだろうと、健気さもどこまでいけば…と嗜めそうになる。

「ぼ、…僕、どうしたら…」
「そのままでいい。何もしなくていいから。耐えることもしなくていい。真室のありのままを見せて…」
性器を扱き、すでに動かさなければ我慢ができなくなっている自分の腰をグラインドさせた。
「あ…っ」
一層キツく抱きついてくる腕が、頼りなさそうにしがみついてくるのが酷く嬉しい。
「真室、足、あげられる?」
「あし?」
「そう、サルの子が抱きついているみたいに…」
今、何もしなくてもいい、と言ったばかりなのに、結局自分の欲求を押し付けていることに対して、内心で苦笑が漏れてしまう。
何も知らぬうちから好みのように育てていく…。その夢は男ならではのことだろうか…。
逡巡した様子が見られたが、伏せたあつみの腰に細い足が巻きつくと、一層体が密着した。
グッと深くなる挿入に、また甲高い嬌声が吐き出された。
「あぅっんっ」
真室の性器が成長するまで掌で刺激を与え続けて、蜜がこぼれるようになれば…。
あとは互いの腹筋で充分なほど擦り合わせることができる。
真室は引き離されないようにとでも思うのか、精一杯の力でしがみついたままでいた。
あつみが動きやすいようにと膝を立てれば、自然と真室の腰も上がった。
角度がついては、どう擦っても真室の弱い部分に当たる。
「ひ、ゃあっ…っ。や…っ、あぁぁぁ、あつみさんっ」
後ろから責められる刺激と、前の敏感な部分に与えられるふたつの刺激に、真室の声は高くなるばかりだった。
「真室…」
耳元で囁いた声に、ぶるりと震えられる。
徐々にスピードをつけたあつみも、情けないながら限界が近いことを理解した。何より自分の体のことは自分が良く知るというものだ。
再び真室の雄を握れば、先走りの汁にまみれている。
指先で先端部分をひっかくようにすれば、掠れた声が吐かれる。
「あぁっ、だ…め…っ、イ…っちゃ…」
「いいよ、イッて…。俺もちょっと、もう…」
パンパンと肉を打つ音が響き、また真室の苦しげな喘ぎ声も木霊し…。
より強く扱きあげると、肉筒がぎゅっと締まった。
「あぁぁっっ…っんっ…っ」
「う゛っ…っ」
絞り取られる…。まさにそんな感じだろう。
熱に包まれるその快感は、高まった感情と共に最高の興奮を生みだしてくれた。
掌に真室の放熱が伝わるのも感じたが、真室の最奥に放精する自身もわかった。
ほぼ同時に果てれば、しがみついていた真室の全身から一気に力が抜けていった。
どこに焦点を置いているのか分からないような、呆然とした姿がシーツの上に横たわる。ただ荒々しい呼吸を繰り返して…。
まだ繋げたままの状態で、覆いかぶさるように、真室と頬を寄せあった。
「ありがとう…」
今度はあつみから感謝をこめて、愛おしい体を抱き寄せた。

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乱れているんだか乱されているんだかのあつみ…。

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コメント

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はあー
コメントちー | URL | 2012-10-31-Wed 05:28 [編集]
あーん、コメント消しちゃった。
バカバカ。

マムちゃん、あっちゃん、お疲れ様。
きえさんも~。

私もマムちゃんと一緒にスーハースーハー。
終わりと共に脱力した(笑)

あっちゃん、光源氏になりたいのか・・・
マムちゃんが、いろいろ覚えたら何かヤバイ気がするけど。素直だから、何でも吸収しちゃうもんね。
あっちゃん、光源氏計画はホドホドにね。

「師匠~♪」
「ちー。来たよ来たよ」
「ここも、イケメンばっかり~」
「可愛いお姉さんもいるし」
「目の保養だねー。あ、たかちゃんが来たよ」
「本庄さんも」
「ん?由良由利もホンジョウ?」
「字が違うんだよ、由良由利は、本荘」
「そっか。あ、お兄さんデザートのメニュー下さい」
「私は、ワインおかわりしよっ」
Re: はあー
コメントたつみきえ | URL | 2012-10-31-Wed 07:54 [編集]
ちー様
おはようございます。

> あーん、コメント消しちゃった。
> バカバカ。
>
> マムちゃん、あっちゃん、お疲れ様。
> きえさんも~。
>
> 私もマムちゃんと一緒にスーハースーハー。
> 終わりと共に脱力した(笑)
>
> あっちゃん、光源氏になりたいのか・・・
> マムちゃんが、いろいろ覚えたら何かヤバイ気がするけど。素直だから、何でも吸収しちゃうもんね。
> あっちゃん、光源氏計画はホドホドにね。

ちー様も やっちまったぜえ状態なのね。
ご愁傷様です。
えちは息切れをおこしますね。サクサクと進めたいのに…。
(私の書き方が悪い。ハイ)
光源氏…そうなのかなぁ。
自分好みになって自分だけを見てくれたら、もっと可愛い存在として目に映るでしょうね。
無垢な真室ちゃん、染められていくのでしょう。
あんまりやりすぎるとお兄様がチクチクと小言を言ってくるでしょうが。
今のところ、"お兄ちゃん仕様"なので。

> 「師匠~♪」
> 「ちー。来たよ来たよ」
> 「ここも、イケメンばっかり~」
> 「可愛いお姉さんもいるし」
> 「目の保養だねー。あ、たかちゃんが来たよ」
> 「本庄さんも」
> 「ん?由良由利もホンジョウ?」
> 「字が違うんだよ、由良由利は、本荘」
> 「そっか。あ、お兄さんデザートのメニュー下さい」
> 「私は、ワインおかわりしよっ」

そう。同じホンジョウなんです。
気付いたのは由利を書き始めた後のことでしたが…。
息子の名前は大半を忘れています(←)
美味しいお料理、是非堪能していってください。

『この店でうるさい客だな…』
「圭吾っ、お客様に向かって…っ」
『それより写真撮影禁止って言って来いよ』
「料理の写真撮っているだけじゃない…」
『タカ、それ、マジで信じてるの?』
「う、…うん…」
『(…この世間知らずさも問題だ…)』

コメントありがとうございました。
グルメツアー2店め♪
コメントけいったん | URL | 2012-10-31-Wed 12:39 [編集]
ちーさん同様 私も 息切れ状態&虚脱感!
あつみ=seme、マム=uke、どっちの立場になっても すっごくすっごく 気持ち的にも体的にも ハード?だったような♪
( ̄u ̄;) ハァハァゼェゼェ…(* ̄Ω ̄*)ボーーー

明日から 社内で2人の雰囲気が変わっちゃう~
それに いち早く気づくのは、瀬見に違いない!(`・ω・´)b
からかわれるのは 覚悟しなきゃね。

「☆パシャッパシャ☆> Σ 【ヽ( ̄ * ) ポッ*:.。☆」
「ちょっとちょっと ちーさんって!圭吾が睨んでいるって~!」
「目の保養~♪目の保養~♪」
「冷たい視線が気になって ワインが…うっ」
「ンフフフフッ、これで コレクションが、ンフフ、アーッヒャッヒャッヒャッヒャァー~♪」
「ブルッ 何か寒気が~~」
美味しいお酒と美味しい料理とイケメンズ♪
幸せなひと時に 吹き荒れるブリザード~~
{{{{(|||▽|||)}}}}サァーーーーー...byebye☆

Re: グルメツアー2店め♪
コメントたつみきえ | URL | 2012-10-31-Wed 13:41 [編集]
けいったん様
こんにちは~。

和食の次は創作料理ですね~。
グルメツアー、楽しまれてください。
(なんか…問題児(←)抱えているみたいですけれど…(失礼しました))

> ちーさん同様 私も 息切れ状態&虚脱感!
> あつみ=seme、マム=uke、どっちの立場になっても すっごくすっごく 気持ち的にも体的にも ハード?だったような♪
> ( ̄u ̄;) ハァハァゼェゼェ…(* ̄Ω ̄*)ボーーー
>
> 明日から 社内で2人の雰囲気が変わっちゃう~
> それに いち早く気づくのは、瀬見に違いない!(`・ω・´)b
> からかわれるのは 覚悟しなきゃね。

敏感な、というか、繊細な瀬見は、すぐにも気付くでしょうね。
部署がちがっていることが唯一の救いです。
とはいえ、同僚の萩生も気付くのはすぐでしょうが。
そこは同室の職場…。
散々嫌味を浴びせていたあつみが、次に言われる言葉は分かるでしょうね。

> 「☆パシャッパシャ☆> Σ 【ヽ( ̄ * ) ポッ*:.。☆」
> 「ちょっとちょっと ちーさんって!圭吾が睨んでいるって~!」
> 「目の保養~♪目の保養~♪」
> 「冷たい視線が気になって ワインが…うっ」
> 「ンフフフフッ、これで コレクションが、ンフフ、アーッヒャッヒャッヒャッヒャァー~♪」
> 「ブルッ 何か寒気が~~」
> 美味しいお酒と美味しい料理とイケメンズ♪
> 幸せなひと時に 吹き荒れるブリザード~~
> {{{{(|||▽|||)}}}}サァーーーーー...byebye☆

そろそろブリザードの季節…(寒くなりました)
いえいえ、あたたかなおもてなしをしてくれるレストランのはずです。
ニコリと笑ってくれる接客態度の後ろ側は見ないようにして…。
ワイン飲んで酔っ払ってください。
給仕係がただいま…ε=ε=ε=ε=ヘ(*゚ー゚)_U~~ ノンデノンデ!!

『ちー(敬称略)、全部ピンボケだぞ…ヒック』
「師匠、そんなこと言わないでぇ」
『これじゃあ、誰がだれだか…』
「レンズが重かったのかなぁ…」
『だからこの距離で望遠レンズってねぇ』
「細腕の私では安定しないことが分かりました。ししょぉぉぉぉ」

勝手に登場させるのはいつものこと(ゴメンナサイ)
コメントありがとうございました。
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