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BLの丘
乱反射 22
2012-10-28-Sun  CATEGORY: 乱反射
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


真室からくちづけてくるとは、その気になっていると捉えるのが当然の男の性。
チュッチュッと軽く吸い上げるくちづけを送りながら、真室が手にしていた食べかけのピザを取り上げてテーブルの上に戻した。
少しばかり汚れてしまった指先を手繰り寄せては口に含んで舐める。
真室の肌にはまだ湯船での火照った感触が残っていた。
食欲より性欲…とは誰が言ったことだろう。

背を倒した先はもうベッドだ。
移動する手間もないくらいの狭い部屋。
首を大きく反らす態勢に、胸元が反り返って鎖骨が丸見えとなる。
しゃぶりつきたい肌が目の前に広がった。
情けないながらもあつみの本音が零れ落ちる。
「ごめん…。我慢できないや…俺…」
分かったように真室も頷いてきた。
それが全ての合図。
あつみは細くて軽い真室の体を抱き上げては、ベッドの上へと移動させた。
大人しく身を任せる姿がまた健気だと思わせてくれる。
真室の体に跨り、顔中にキスの雨を降らせれば、くすぐったいというように身を捩らせた。
鼻息荒く、猛進してしまったせいだろうか…。
かぶっただけのシャツの裾に、手のひらを潜り込ませる。一層籠った熱を感じた気分だった。
「真室…」
耳朶を食んでは囁き、また、こちらも首をすくめる仕草を見せた。
「んっ…。…湯田川さんの匂いがする…」
顔を反らして枕に鼻先を埋めた結果か…。
会社と家を往復するだけの日々に、こまめに洗濯している余裕などなく、改めて伝えられたことに、こちらのほうが羞恥心を与えられた。
「そんなこと、言うなよ…」
首筋に顔を埋めては、自分では分からない自分の匂いと、…だけどはっきりと感じられる真室の体を嗅ぐ。
石鹸の香りに混じって独特の芳醇なものを漂わす肌の感触に、うっとりと目を細めた。

「いい?」
今更問うのも失礼な気がしなくはないが…。
絶対に確認しておきたいものでもあった。
シャツの裾から潜り込んだ指先は、すでに胸の尖りに行きついていた。
「あっ」
確認…の意味があるのか…。またくちづけた舌先に、絡みついてくる真室の舌があって、全てのGOサインを感じる。
…もう止まれるか…っ!

潜り込んでいた手は、一気に真室のシャツを脱がしにかかっていた。
薄い筋肉に覆われた、幼さを残す体を見下ろす。華奢で、力を込めたら折れてしまいそうな…。
何があっても守ってやろうと、深く、強く思わせてくれるものだった。
「真室…」
呼んでは伸びてくる手が、あつみの首に巻きついてくる。
どこで見聞きしたのか、大胆な行動は”憧れ”の心境を残しているのだろうが…。
充分なほど煽ってくれる態度には、大人げなく突っ走ってしまいそうな、冷静さを失わせるに匹敵するものがあった。
暴走すれば、真室の期待していたものを壊すことになってしまうのだろうか…。
少しの不安を持ちながらも、欲望は抑えることができない。
「湯田川さん…」
「『あつみ』でいいよ…。瀬見のことも、名前で呼んでいた時があったじゃん…」
ささやかな嫉妬心が芽吹いて、過去を嗜める。
真室も分かったのか、一時の感情に流されたことを後悔しているようだった。
別に責めたかったわけではないが…。結果的にそうなってしまったことを、今更ながらに後悔したのはあつみのほうだ。
「ごめん…。ちょっと悔しかっただけ…。真室が呼んでくれれば、俺はそれでいいから…」
隠すこともない嫉妬心。
心を打ち明ければ真室も応じてくる。
ふたりの間に生まれる、”特別”なもの…。
「あつみ…さん…?」
名前で呼ばれてはくすぐったさが過っていく。
だけどとても嬉しいもので…。
「真室」とまた呼んでは、幾度も啄ばむようなくちづけを贈った。
恋人同士、名前で呼びあう、そんな憧れも、真室の中にはあったのかもしれない。

喉仏から鎖骨、指を這わせて、後を追うように唇と舌がなぞった。
慣れない感触なのか、ピクピクと肌を、体を震わせながらも大人しくしている姿がなんともいじらしい。
胸を彩る小さな粒を舐め、舌先で転がして甘噛みする。
次第に赤みを増していく存在があまりにも可愛らしくて、あつみは無心に貪ってしまった。
「あっ、やぁ…っ」
真室が奏でる艶やかな美声が、尚もあつみを煽りたて、虜にしていく。
まだ布地に包まれたままの、真室の下肢が盛り上がり、あつみの肌に触れたことで、興奮度は増していくばかりだった。
もちろん自分のムスコも大変なことになっていたのだが…。
そこは大人の余裕ぶりか。
唾液で濡れた乳首からようやく唇を離しては、少しずつ腹へと下り、潜む茂みを目指した。
衣類のゴムに指をかけて、少しばかりの抵抗が感じられたが、容認した雰囲気のほうが強い。
真室なりに精一杯落ち着こうとしているのが分かる。
そして、すべてを委ねてくれていること。
恥ずかしさも怖さも、何もかもを隠して、これが”大人”なのだと思おうとする態度。
そんなに慌てて、大人の階段を上らなくてもいいのに…。
あつみはこれまでの自分の人生を少しばかり振り返ってしまった。
こんなにいじらしかった時代があっただろうか…。
無垢で可愛らしい人。
もう一度くちづけては、「真室、絶対に傷付けないから…」と誓いの言葉を告げた。
「うん…。あつみ、さん…」
囁かれた声に、真室を隠す最後の布地を剥ぎ取る。
ツルンとしたモノは上を向き、銭湯でもわざと反らしていた視線を釘づけにしてくれた。
もちろんあつみの下肢に対しても、良い影響ではないことは確かだった。

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関連記事
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コメント

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ご飯・・・
コメントちー | URL | 2012-10-28-Sun 00:39 [編集]
あらあら、ご飯途中でまあ。
あーあ、ピザが冷める~。
(気になるのはそこか?)

マムちゃん、そんなにしたかったのか?
いやいや、大人になりたかったのかと言いますか。
なりたかったのね、きっと。

あっちゃん、もう止まりません。
嫌と言おうが絶対止まりません。
ええ、止まりませんとも。
あっちゃん、腕の見せどころだね←そうなの?


「師匠は、鎖骨に前腕フェチですかぁ」
「うん♪もうねー・・・(語りまくる師匠)」
「へえ?ちー、鎖骨出ないですよ」
「鎖骨から水滴が流れたりしてさぁ♪」
「はあ、水滴がねー←何かを考えてる」
「きえ様は、声フェチらしいよ?」
「私、渋い声が好きですね」
「でも、鎖骨~♪」

保護者(タチヒロシ側とでも言うか)連中の湯上がり写真で、鎖骨王を決めてる師匠であった。
注 決して盗撮ではありません。
No title
コメントけいったん | URL | 2012-10-28-Sun 14:17 [編集]
マムの今日は、ナンヤカンヤと初体験の日♪

あぁ~今頃 兄の若美は、気もソゾロではないでしょうか?
ヾ(:´Д`●)ノアワワワヾ(●´Д`;)ノ

「きえ様は、声フェチなのね~♪」
「作品中で 素敵な声の持ち主って誰かな?ね、ちーさん♪」
「筋肉では~♡」
「ちーさん!ちーさんったら! ダメだ。脳内はもう筋肉しかないようね…」
「筋肉~筋肉~♪ルンルン((o(*・ω・*)o))ルンルン♪」
ナカミハ ナニ?(o・ω・o)σツンツンッ((○Oo(//▽//)...byebye☆
Re: ご飯・・・
コメントたつみきえ | URL | 2012-10-28-Sun 16:21 [編集]
ちー様
こんにちは。

> あらあら、ご飯途中でまあ。
> あーあ、ピザが冷める~。
> (気になるのはそこか?)

ごはん、取り上げられちゃいました~。
冷めた分はまたチンして…。(美味しくないかもしれないけれど)

> マムちゃん、そんなにしたかったのか?
> いやいや、大人になりたかったのかと言いますか。
> なりたかったのね、きっと。

なりたかったんでしょうね。
お兄ちゃんお姉ちゃんに囲まれて過保護に育てられた真室はきっと、外泊なんてできなかったのでしょう。
(え?しなくても?!)
映画とかドラマとか、友人の話題とかで興味津津だったはず。(だからそんな理由で、とはねぇ…)

> あっちゃん、もう止まりません。
> 嫌と言おうが絶対止まりません。
> ええ、止まりませんとも。
> あっちゃん、腕の見せどころだね←そうなの?

あつみ、過去遊んだ(?)経験を生かせるでしょうか。
そこはやっぱり瀬見に負けないテクで…。
かっぱ○びせんのごとく…、いや、スッポンかな…。

~省略~

あつみ「瀬見って何フェチ?」
瀬見「脚。短パンとか履かれて細い足がすら~って延びててキュッてしまった足首、たまらん」
萩生「おまえ、夏仕様だな…」
あつみ「セミだけに…。萩生は?」
萩生「いじっぱりなとこ。でも俺だけには…(デレデレ)」
あつみ「それ、性格だろ…。もういいよ…」
瀬見「で、湯田川はどうなの?」
あつみ「うなじ。髪に隠れていそうな、でも見えちゃうってとこ。後ろから吸いつきたくなる」
萩生「吸血鬼かよ…」

それぞれ何か思うところはありそうですね。
コメントありがとうございました。
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2012-10-28-Sun 16:26 [編集]
けいったん様
こんにちは。

> マムの今日は、ナンヤカンヤと初体験の日♪
>
> あぁ~今頃 兄の若美は、気もソゾロではないでしょうか?
> ヾ(:´Д`●)ノアワワワヾ(●´Д`;)ノ

いっぱい体験していますね~。
とっても刺激的な一日…の終わりを迎えようとしています。
あ、まだ刺激的な朝とか、帰宅後とかあるんですかねぇ。
お兄ちゃん、帰ってこない真室を、もしかしたら帰ってくるかも…と待っていたりして…。(いつかの由利のような…)

> 「きえ様は、声フェチなのね~♪」
> 「作品中で 素敵な声の持ち主って誰かな?ね、ちーさん♪」
> 「筋肉では~♡」
> 「ちーさん!ちーさんったら! ダメだ。脳内はもう筋肉しかないようね…」
> 「筋肉~筋肉~♪ルンルン((o(*・ω・*)o))ルンルン♪」
> ナカミハ ナニ?(o・ω・o)σツンツンッ((○Oo(//▽//)...byebye☆

作者では分からない魅力、是非とも語ってください。
ちー様の脳内は筋肉じゃないだろうな。とっても柔らかな発想をしてくださるので。
けいったん様もとても魅力的ですし~。
私の頭はカチコチ(-_-;)コマッタ…
コメントありがとうございました。
美声の持ち主
コメントちー | URL | 2012-10-28-Sun 17:21 [編集]
「ちー、誰が良い声か聞いてるでしょ?」
「筋肉はぁ、ヒサ?もしくはー・・・て、声?」
「そう、声よ、声!」
「ちーの好みは、安住さんかぁ、ひなパパでっす」
「どーして?」
「安住さんは、きっと穏やかなバリトンで優しい声だと思うのね。ひなパパは、森山周一郎(字があってるかしら?)ばりのシッブイ声だと思う~♪」
「子供らは?」
「ちーの好みじゃないなあ」
「あー、何かわかる~」

きえさん、久々同期の会話楽しかったです。
Re: 美声の持ち主
コメントたつみきえ | URL | 2012-10-28-Sun 17:50 [編集]
ちー様
こんばんは。(すっかり陽がつまりましたね)

> 「ちー、誰が良い声か聞いてるでしょ?」
> 「筋肉はぁ、ヒサ?もしくはー・・・て、声?」
> 「そう、声よ、声!」
> 「ちーの好みは、安住さんかぁ、ひなパパでっす」
> 「どーして?」
> 「安住さんは、きっと穏やかなバリトンで優しい声だと思うのね。ひなパパは、森山周一郎(字があってるかしら?)ばりのシッブイ声だと思う~♪」
> 「子供らは?」
> 「ちーの好みじゃないなあ」
> 「あー、何かわかる~」
>
> きえさん、久々同期の会話楽しかったです。

皆様、色々と想像してくださっているようで嬉しいです。
それぞれに描いているものがあるでしょうからあえてコメントしませんけれど。
体と声に堕ちた生命保険社員がいたような…。
周防パパは何をとっても、オヤジ好みの私のもの~ヾ(≧▽≦)ノ彡☆バンバン!!(←え?!)
凛々しい体、的確な判断、物申すシブイ声~♪
子供たちはキャーキャー言っているだけだね…。
コメントありがとうございました。
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