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BLの丘
あの日の夢 1
2012-11-16-Fri  CATEGORY: あの日の夢
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


うつ伏せだった姿勢から、ベッドのシーツに背中が押し付けられる。
三条燕(さんじょう つばめ)は拡げられた足の間、解された後孔に灼熱が当てられるのを感じて息を飲んだ。
ずっと見えてはいなかったが、改めてその熱を視界にいれれば、大きさと質量感に喉が鳴った。
「力、抜いていろよ」
強張った体が分かったのだろう。
掠れた声が降り注いできた。
両腕でもっと大きく足を抱え上げられて、逃げを打つこともできなくなった。
知らない世界ではない…。もう何度も経験してきたこと…。
一夜限りの逢瀬。目の前の相手とも、この場だけのことなのだと、漠然と分かっていて、受け入れたこと。

行き慣れた飲み屋で、マイノリティな人間が互いに交渉する。
燕にとってあたりまえの世界だった。
そこから恋人同士になる人間たちもいたが、燕は巡り合えていなかった。
それより、独り歩きした『噂』のほうだろうか。
『燕は抱かせてくれる』…。
尻軽な人間だと思われている方が強くて、相手のほうが、一時的な性欲処理としてしか捉えてくれなかったのだ。
それでも『相手』を求めてしまうのは、肌の温もりを感じたいからだろう。
また、夢の中に落としてくれるような甘い囁きが、そこにあったから…。

ホテル備えつけの袋式のローションを全部使い切って、濡らされた秘孔はヒクついていたけれど…。
改めて見た熱棒は想像していたものを上回っている。
「あっ…っ、だめっ、はいっんなぃっ」
「入んないじゃない。挿れるんだよ」
咄嗟の拒絶は、当たり前だが受け入れられることもなく、あっさりと却下される。
燕の後孔を解す間だけで、興奮をまとっていたのか、先走りの蜜がまぶされたローションと混じり合った。
グッと体を畳まれて、熱が喰い込んでくる。
「あっ」
「力抜けって言ってんだろ」
高圧的な言葉が注がれた。
それでも挿入の瞬間は慣れるものでもない。裂けてしまうような恐怖心がつきまとう。
カリの部分が差し込まれれば、それだけで何故かホッとしてしまう。
あとは飲み込んでいくだけ…。

ゆっくりと押し進められることには、酷い扱いにされない安堵感が広がった。
だから余計に力が抜けられた。

「やっべぇ、おまえん中、超キモチいい…」
下生えが尻の狭間に触れる。
奥まで全てが収まったことが分かる。
「ん…っ」
苦しいが充足感に息が漏れていく。
抱いてくれる肌の温もりが気持ち良い…。
相手が満足してくれることがまた、喜びに繋がっていく。

「五泉(いつみ)…」
本名だろうか。
出会ってわずか二時間後の出来事に、聞いた名前を呼んでみた。
30歳だと聞いた。そのとおりなら7歳は年上の逞しい体格の持ち主だ。
左右から後ろへと流した髪も、今では汗に濡れて額にかかっている。
燕の呼びかけに口角を上げた男は、切れ長の目を細めて「おまえ、可愛いな」とポツリ呟いた。
甘えるための手段はすでに身に付けられている。
年上だというのに、呼び捨てにできる、『近さ』のようなものもその手管。
その場だけの、見せかけの、雰囲気作りとでもいうのだろうか。

背を抱いても良いだろうか…。行き場を失っていた、シーツを掴んだ手を重ねられたことで、また新たな安堵が広がった。
「ツバメ…」
耳元で囁かれた低い声にゾクリとし、胎内が蠢く。
少し顔を歪めた五泉が腰を回した。
「あっ、ぅんっ」
「動くぞ」
欲望に溺れていく。
吐き出したい思いを、共に抱えていた。
それだけで繋がった関係…。

イイ部分を見つけた五泉は執拗にそこを責めて、燕は喘ぎ声を堪えることができなくなっていく。
両手をまとめられてシーツに押さえつけられて、自身で扱くこともできずに、性器を相手の腹に擦りつけたく、腰が浮く。
「あっ、ぁぁっ、っ…っ、イ、…イきた…っ」
願いを口に乗せた時、やっぱり口角を上げた五泉が、腰の動きを激しくする。
濡れた眦を撫でてくれた指は、それから燕の性器を握り込んでくれた。
先端を指の腹で撫でられ、適度な強弱をつけて射精を促す。
同時に抜き差しされる後孔が相手を締め付けて、同じように絶頂に導いた。
「あぁぁっ、いつ…みっ」
「ツバメ…」
吐き出せる快楽。注がれる熱欲…。
湿った体が重なった。

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新作。いきなりこんな始まり…。
『あ』つみ の次は『い』つみ ってことで(←どうでもいい回答)
五十音でいったら『た』つみまではとおいいなぁ。
きえちんはどんだけベッドの写真を持っているのか…(そこもどうでもいい)
まぁ、ゲストルームだと思ってください。
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コメント

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お久し振りの”セツナ”系?
コメントけいったん | URL | 2012-11-16-Fri 15:35 [編集]
きえ様が書かれる ホワホワ&キャピキャピ系の微笑ましい作品も好きですが、
ジワジワ&キュンキュン系の切ない作品も 好き~♪

所で 今回の三条燕と五泉も 何処かの地名ですか?

新作品、期待大☆⌒ヾ(*゚∀゚)ノヒャッホォ-ゥ♪...byebye☆
Re: お久し振りの”セツナ”系?
コメントたつみきえ | URL | 2012-11-16-Fri 16:44 [編集]
けいったん様
こんにちは~。

> きえ様が書かれる ホワホワ&キャピキャピ系の微笑ましい作品も好きですが、
> ジワジワ&キュンキュン系の切ない作品も 好き~♪

せつな系…。
そうなんですかねぇ。
反面でバカバカしい『お子様作品』を書きながら、こんな、キュンキュンしそうなものも書いています。

> 所で 今回の三条燕と五泉も 何処かの地名ですか?
>
> 新作品、期待大☆⌒ヾ(*゚∀゚)ノヒャッホォ-ゥ♪...byebye☆

期待、ありがとうございますヽ(゚∀゚)ノ♪
今回もどこかの地名です。
検索サイトに打ち込んだらそのまま出てきますよ~。
地名シリーズのようになっています我が家ですが…。
地元とはまったく縁もゆかりもありませんのでそのあたりは、サラリと流していただきたいです。
コメントありがとうございました。
お久しぶりの尻軽系?
コメントちー | URL | 2012-11-16-Fri 20:56 [編集]
て、上手い言葉が出てきませんでした。失礼しました。

珍しく?久しぶりに、こんなシーンからですね?
最近、ウブウブちゃんが続いたから良いよね。
ついでに、相手が真剣すぎてヤバイってのも良くない?

きえさん、シリアスなのも上手いからなあ。
どうなるのかしらね。
楽しみです。


「師匠。ちーは、風邪を引いたようです」
「温泉に潜み過ぎじゃないの?」
「マジですってばあ」
「それより、新しい話でしょ?」
「師匠~、ヒドイヨ・・・」
Re: お久しぶりの尻軽系?
コメントたつみきえ | URL | 2012-11-16-Fri 21:51 [編集]
ちーさま
こんばんは。

お体大乗腐ですか? あ、大丈夫?(この打ち間違いは時に怖いなぁ)

> て、上手い言葉が出てきませんでした。失礼しました。
>
> 珍しく?久しぶりに、こんなシーンからですね?
> 最近、ウブウブちゃんが続いたから良いよね。
> ついでに、相手が真剣すぎてヤバイってのも良くない?

シリアスもの~。
そうなるのでしょうか。
また見切り発車している作者も未来は分かりません(←)
でもとりあえず、こんなシーンから始めないと先に進まない気がしたので書いてみた…。

> きえさん、シリアスなのも上手いからなあ。
> どうなるのかしらね。
> 楽しみです。
>
>
> 「師匠。ちーは、風邪を引いたようです」
> 「温泉に潜み過ぎじゃないの?」
> 「マジですってばあ」
> 「それより、新しい話でしょ?」
> 「師匠~、ヒドイヨ・・・」

もうひとつのコメントレス、こちらから失礼しますね。
ちー様、たぶん、新しい機材(きえお勧め)を手に入れて、お風呂の中に入り過ぎていたんじゃないですか?
そこで何を撮影していたかは…だまっていてあげます。
レアものとれました?
あ、でも雅臣はそう簡単にお風呂には入れてもらえないからねぇ。
体を壊さない程度に部隊に参加してくださいね。
コメントありがとうございました。
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