ジュースは周防に持たれて、その場で日生はちゅーちゅーと半分くらいを飲んだ。
その後抱きあげられて、周防の歩幅でたこ焼き売り場へと戻った。
よちよち歩きの日生のペースとは明らかに違って移動は早い。

再び姿を現したことに、和紀は「もう帰るの？」と驚いてもいた。
「いや、日生が服を汚してしまったからここで着替えさせてもらおうと思って」
どんな過程があったのかを説明すると　和紀はあからさまに怒った。
「なんで　ひなに持たせるのっ。飲ませてあげればいいじゃんっ。ひな、冷たいよね。風邪ひいちゃうから早く脱ごう」
「下着までは濡れていないだろう」
テーブルの上に荷物を置かせてもらって、日生は椅子に座らせられる。
和紀とは対照的に実にのんびりとした態度の周防だった。

バッグの中身をあさってはさっさと準備する和紀を、友人たちは不思議なものをみる視線で眺めていた。
「ひな、ばんざーいして・・・　本当だ。上の服だけですんだね」
確認をしては新しい服に着替えさせて、和紀はちょっとホッとしていた。
汚れものを父親に渡してあとのことはどうでもいいところが和紀らしいが。

「和紀って本当に子育てしているんだな」
感心したように声をかけられて、和紀　日生　周防と順に視線を回した。
周防は苦笑を浮かべる。
「子育てっていうより、単に甘やかしているだけだよ。日生くらいの年の子はやらせないとダメなのに」
「いくつなんですか？」
質問には、機嫌よくなっていたはずの和紀がピクンと眉を寄せる。
「もう八歳なんだ」
「親父っ」
見た目はとてもそうは見えない。
今までとってきた行動も、世間一般ではその年くらいの子供にするものではないのは、その場にいる全員が分かる。
日生の知能の低さを露呈するようで和紀は制止させようとしたのだが、周防は隠すことをしなかった。

『引き取った』とは先ほど聞いたばかりの話で。
事情があるのだとはすぐさま悟れる友人たちは、深く突っ込んでくることはなかった。

また校内を見に行くという周防に日生は手を引かれて連れられる。
和紀は「今度こそ気を付けてよ」と釘をさすのだが、周防は「はいよ」と軽く流していた。
思えば、和紀はすぐに抱き上げようとするが、周防は日生のペースで歩かせている。
そこも育て方の違いが表れていた。

周防に連れられるまま歩いて、声をかけられては分からなくて首を傾げたりして、動きなれない日生はしばらくして疲れてしまった。
周防は歩幅が狭くなった日生に気付いては抱きあげた。
「眠いか？今日は昼寝もしていないしな」
カクンと日生の額が周防の肩に当たり、スンと嗅いだ匂いに安心感を覚えて、一気に睡魔に襲われた。
食べたり飲んだりしてお腹がいっぱいになっていたこともある。
「和紀に会って帰ろう」
歩く揺れも心地よくて、日生はすぐに瞼を閉じて寝息をたててしまった。

だから和紀のもとに戻った時、日生は熟睡中だった。
「寝ちゃったの？」
周防に抱かれて安らかな寝息をたてる日生をのぞきこむ。
「疲れたのもあるんだろう」
「俺、今日遅くなるし、もうひなに会えないかな」
柔らかな髪を名残惜しそうに撫でてやりながら、和紀はポツリとつぶやく。
どこまでも構いたい態度に　やはり周防は苦笑いだった。

和紀は帰り際、ビニール袋に入れたたこ焼きのパックをふたつ持たせてくれた。
「清音さんにと、ひなが起きたらあげてよ」
「俺の分はないのか」
「親父、さっき食ったじゃん」
親孝行と言う言葉を知らないのか　と責めたくなる言葉を発さないのは周防らしかった。
和紀なりに自腹をきっているのだろう。

「ひな　また明日ね」
聞こえてはいないのに語りかけたい愛情か。
周防は周りの皆にも軽く頭をさげて　挨拶をしてその場を去った。

その日の夜、起きた日生に、周防は温めなおしたたこ焼きを出してやった。
自分でフォークで刺したものをそのまま口にいれて、口を火傷したことに、和紀はわめきたてることになる。

―完―


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はい、ひなちゃんの可愛いショット。
パパに抱かれて眠ったひなちゃん。
バンザイして、お着替えひなちゃん。
レンチンしたたこ焼き食べて、アチチのひなちゃん。

あー、可愛い。可愛いよー。

きえちん、ありがとうございました。
ひなちゃんが熱いものをいまだに一人で食べられないのは、お兄ちゃんが過保護だったからだとよくわかりました。パパに育てられたら逞しく育ったのに(笑)

本当の子供って　日生だけでしょうね
と、作者は思います。

アイツラは子供に化けているだけなので。

ちーさま　いっぱい撮れたみたいですねぇ・
保護者にばれないように売ってくださいねぇ。

もうすでに和紀の過保護ぶりがあらわれました
周防に育てられたならっ
すこしは違ったのか?

・・・でも和紀流はどこまでもつづくよね
コメントありがとうございました

日生に　構い過ぎの和紀と　ペースを合わせてあげる周防
口出し、手出しの新米な和紀より
子育て経験値の差で　周防には「ゆとり」があるのは確か！

ひなちゃんへの接し方が、対比できて　面白い(笑)

ひなちゃんの猫舌は　和紀の教育の賜物！？
一生　ふぅーふぅーして貰わないとね♪

ちーさん、プリン上手な　さえさんの様に交換できるモノは無いけど
私にも　写真一枚下さいな。
出来れば
『寝落ちてしまった　ひなちゃんを抱っこする周防』を！

柱の影ですが、　私も　写っているはずですから～
（ｏ＾-＾ｏ (-_- ) zzz　。o　０|柱|（ｙ＾＾ｙ）ﾋﾟｰｽ♡... ｷﾈﾝｻﾂｴｲ♪　　
　　

日生を大事にしてくれるところはお互い変わりませんね
周防はさすがに一児のパパです
どっしり構えていますね

日生の猫舌は一生このままだと思います
だっていつも隣に和紀がいるもん♪

ねちゃった日生を大事に包んで抱っこする周防(様)！！
めっちゃ興奮度あがりました
パパ　かっこよすぎ～(←親父好き)

けいったんさま　しっかり背後霊のように写っているのですね
周防に張り付いて
(ｳｿｳｿ)
ｷﾈﾝｻﾂｴｲヽ(ﾟ∀ﾟ)ﾉﾄﾞｺﾄﾞｺ？？？
(☆○☆)ﾌﾗｯｼｭ

コメントありがとうございました。

ひなちゃん可愛いな～(*^^*)
みんながふーふーしてくれるよ♪
ちーちゃん写真はわっくんにバレないように捌かないとね～(o^-')b

おとんの周防さん　　和紀君はひなちゃんを甘えすぎちゃっても～～ﾗﾌﾞﾘー

そうだ、けいったんさん学食でバイトしません？粉もん得意ではないでしょうか！
そしたら和紀君に会えるし、んっでイケメン監視とか　（儲けと妄想とゴチャ）

ちーさん、お帰りなさい　(遅いー）ばっちりリフレッシュできたかな

きえちん、「あいつら子供に化けてる」　（笑）いぇいぇ生んだかたがおもろすぎます　
今日は風は強いけど暖かにすごせったなー　春も出番をまってるかなと期待
花粉がきはじててる．．．

nichikaさん、粉もんのバイトですか！
ヒョウ柄の　おばちゃんで　全国的に有名な関西在住の私に　ウッテツケでは　ありませんか～

あっでもね、　あんなヒョウ柄は　私も着ないし、周りの人も着てませんので♪(笑)
よく　あれだけ　ヒョウ柄の人ばかり　TVの人は見つけるもんだと、家族で　感心しておりますほどにね。

たこやき、お好み焼き、いか焼き（イカ一本を焼くのでは　ないよ！後で　ググってね♪）と、
何でも　ござれ～　v(＾へ＾)v ｴｯﾍﾝ♪

だけどね　和紀の大学って　きっと東京でしょ
交通費とか　宿泊代は　誰が払ってくれるのでしょうか？

周防の家に　住まわせてくれないかなぁ～(*≧人≦)タノムッ!!

私の地元群馬も粉は多いですけれど
すいとんとかうどんとかかな
やきまんじゅうって知ってますか
あれも粉です

けいったんさま　新しい職場ですか～。
厨房のおばちゃん(失礼　おねえさん)になるのね

子供になりたい連中はともかく　日生はどこまでもお子様ですね
ひさしぶりに書いたお子様日生　イメージがすぐにわいてしまうところがどうなんだろうと思いました
こんなのでも楽しんでくれる方がいてうれしいです

コメントありがとうございました

師匠、寝落ちしてパパに抱っこ写真ね。
オマケにオヤジこっそり覗くの図もあげるわ。

さえさんには、たこ焼きフーフーね。
え？着替えも欲しい？了解しました。

にっかたんには、特別にちーが見つけたイケメンカップルを(笑)
もしかしたら、次のカップルかもしれないし。
今までの誰かさん達かも。

あ、隊長もあった！
誰かいりませんかあ？

え～　いや、別に反対しませんけれど

周防にだっこされた寝落ちひな　可愛いんだろうなぁ
きっと周防は涎こぼれても気にしないよね。

そのかげにいるオヤジ(爆)

和紀のお店の前に並んだら営業妨害？！
また蹴りがはいりそうな奈義ですね
でも売り上げだけは確保してあげそうです

息子のためなら頑張るパパ(←ちょっと意味違うし　パパのためなら・・・かな)

奈義「おい、おまえら、袋詰めしてやれ」
舎弟「へいっ」
奈義「勘定　まちがえるなよ」
舎弟「へいっ」
奈義「和紀、どうにでもこきつかってやれ」
和紀「・・・つか、じゃま・・・」
まわりのみんな「・・・わきぃ・・・」(おどおど)

周防「口出ししてんじゃねぇっ、とっとと消えやがれっ」(蹴りっ)

まぁ、こんなかんじでしょうかね。
楽しい学園祭でした。
コメントありがとうございました。