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BLの丘
春が来てくれるなら 21
2013-05-09-Thu  CATEGORY: 春が来てくれるなら
Q,きえちーん、なんで昨日、あんな長いヤツ upしちゅったの~?
A,間違えたんだよっヽ(`Д´)ノウワァン!おかげで続きに苦しんだわ・・・まぁいつものことだけど・・・
七ツ釜の滝を探していたんですよ。でもどこにも入っていなくて涙しました。
えーと、その場所は・・・山梨県っ!!(←かなりアバウトじゃねぇ???
みなさん、わかるよね~っ?! そう、そこですっ。かなりいいハイキングコース)
だから なんだって言われたら何も言えないけど・・・。
お子様のハイキングコースにでも貼りつけたかったなぁと今更ながらに思うのです。




【大月に戻ります】

目が覚めるといつもの部屋、いつもの天井が見えた。
のどが渇いた・・・とサイドテーブルを漁れば、ご丁寧にも冷水がピッチャーの中に用意されている。
それをグラスに注いで飲みほしては、もう一度シーツの上に転がった。

昨夜のことをどうにか思い出す。

勝沼と飲みに行って、いらぬ話までしてしまった気がする。
この先、なにをバラされても自分の責任ではあるが・・・。負担を負う明野のことを思うといたたまれなくなった。
ただでさえ、この会社の存続、拡大を視野にいれている人物なだけに・・・。

経営に興味がないわけではない。
そこは生まれ育った何かがあるのだろうが、ここは『兄』の世界と捉えていた大月は、元々入社の予定はなかった。
しかし、就職口が見つからずにふらふらされるよりは・・・と父が言いくるめて、せめてもの"空白期間"をなくすために自社に追い込んだようなもの。
その影に、韮崎との裏取引があったとは片隅にも思っていないだろうが。
韮崎が引っ張り出してくれるならついて行けるくらいの、準備期間だと思えたから、まだ耐えられる。
そして兄のために。

新事業とはいつ始まるのだろう。

「あー・・・」
意味もない言葉を発した。
ここは一人で住む家で、ありがた迷惑くらい、広すぎる。
3世帯(?)ごとにワンフロアずつあるのだから、多少叫んだところで誰に迷惑がかかるわけではない。

最上階が父と母。その下に明野と韮崎。おまけ程度に大月が住んでいた。
就職を機にここに引っ越しを促されたが、特に親しかった人間がいない大月は、ここに『友人』という人間を入れたことがない。
いや・・・、送ってきてくれた人はいたが、ほぼ全員、どこから現れたのか、韮崎にエントランスで追い返されたというのが正しいだろう。

うざったいと思いながら、出迎えてくれたことの嬉しさを、表すことはできなかった。

勝沼は、どう、扱われたのだろうか・・・。
不安に思うところもありながら、韮崎の変わり映えのない態度も浮かんでくる。
いっそのこと、なにもなくても隣に寝られていた方が開き直れたというものだ。

酔っ払った人間を送るだけ送って、後は帰るだけ・・・なんて、そっちのほうが悲しくないか?

そんなことを思いながら起き上ってシャワーを済ませた。
寝室からリビングを通過してバスルームがある。
リビングに戻って、初めて聞き慣れない物音を聞いた。

・・・え?ドロボウ?・・・

不法侵入者が入れるほど手薄な環境ではないことを、大月だって知っている。
行先を示したエレベーターに乗れる人間は階下でチェックを受けているのだから。
その物音を辿ればゲストルームだ。

「えーと、もしもし?」
なんだろう、この緊張感のない問いかけは・・・。
廊下からノックと、問いかけと・・・。
うっすらとドアを開ければ、見慣れないこんもりとした存在がある。
確かに誰かが泊まっていた証拠だ。
歩み寄ってはその布団をはいでいた。
「だれだよっ?!」
「うわぁっっ」

飛び出してきた勝沼に驚いたのは大月の方で・・・。

「なにしてんの?」
あっけにとられた声がぽつりと響いた。
・・・そう、大月としては、"ゲストルーム"に泊まる男の存在が信じられなかったのだ。

状況を掴めないのは勝沼の方か。

「何・・・って・・・。今から帰るのが面倒なら泊まっていけばいいって韮崎さんが言って・・・」
大月が酔い潰れた当時のことを語ってくれた。

平気で横抱きにする韮崎をうっとおしいと思いながら、何も言えずに後を追って来たらしい。
そして、「おまえの寝る場所はあっちだ」とうながされて、そのまま、爆睡したとのこと。
一度落ちついてしまえば、緊張感もなく眠れるその神経も大したものだ・・・とは口にしない。

「シャワー浴びる?」と聞いては「借りていい?」と頓着しない態度で返してくれる。
まるで昔からそこに存在していたような空気が、新鮮で、でも穏やかで、背を見送りながら頬を緩めていた。
"無"だった空間が"有"になる。
それは何かに似ていた。
振り返りながらよみがえった景色を、咄嗟に脳裏から振り払う。


***

韮崎がバスローブを纏って闊歩した。

"ダイ・・・"
囁かれた言葉に惑わされた。

過去を振り返ればいくつもの思い出がある。
思い出と言えるのだろうか。
単に身体を重ねた日々は・・・。

それでも気持ち良かった。
大事に扱われていると心底思えた。
指の先、唇の動き。どれをとっても繊細で。
受けたことのない快楽の狭間に落ちた。
単に貫くだけではなく、身体の隅々まで"愛しい"と愛撫してくれる瞬間。

それが。たとえ、兄の代わりだったとしても・・・

韮崎は冷たい抱き方しかしないとは、誰に聞いたことぱだったか。

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コメント

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:*:・{[(。-_-。)]}zzzZZZ・:*:・爆睡ですか!?
コメントけいったん | URL | 2013-05-09-Thu 09:32 [編集]
いくら 帰る電車も無いとしても 大月の部屋の一室で爆睡できる勝沼の この図太さは 呆れを突き抜けて 清々しささえ感じるわぁ~(笑)

それにしても 韮崎も よく許したよねー
韮崎は このまま 大月の側からフェードアウトする気があるって事かしら?

いつも韮崎に反抗しているけど 何処かで 韮崎を頼り甘えている大月は、大丈夫なのかな?
それは 今後の勝沼次第って事でしょうね!ガンバリ━━(`・д・´)ノ━━マショウ!

昨日の「勝沼視点」で この男が 良い奴と分かって 安心しました。
きえちんにとっては 誤アップで 大変だったでしょうけど…
ペコリ((。´・ω・)。´_ _))お疲れ様です



 
さすが勝沼っ
コメントたつみきえ | URL | 2013-05-09-Thu 15:44 [編集]
えぇ、そんくらいの図々しさがなかったら 世の中渡っていけないでしょぅ。
営業社員だし。

韮崎も考えるところ、あるんですかね。
韮崎に甘えまくって頼って・・・な大月の影の部分を知るからこそ、虎のように突き放すのか・・・
そこを知った勝沼、どう動くでしょう(え、寝てる?)

もういっぱい間違いだらけのきえちんですが、喜んでくれる方が一人でもいたなら嬉しいです。
2009年6/29日に始まったブログ
あともうすこしですが、またお祝いの日を迎えたいです(←忘れるので先に告っておく)
(去年、だれかのコメだったかしら。また来年もね、といただいて、『来年生きているかなぁ』って書いたのね。人間てしぶといもので、生きているんだね)

またね(^.^)/~~~
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