2ntブログ
ご訪問いただきありがとうございます。大人の女性向け、オリジナルのBL小説を書いています。興味のない方、18歳未満の方はご遠慮ください。
BLの丘
雛鳥の巣立ち 16
2010-01-04-Mon  CATEGORY: 淋しい夜
R18でお願いします。

千城としてはもっと愉しみたかったのだろうと感じても英人は爆発する寸前だった。これ以上焦らされれば間違いなく一人だけ果ててしまう。
いくら今朝の名残で多少緩んでいる後孔だったとしても、まだ一度も触れられていない場所を受け入れられるように解すまでにはまだ時間が必要で、その間だって耐えられる自信などなかった。
「触っちゃだめ…、もう出ちゃう…」
千城のものは触らせてくれないのに、英人だけが攻められるのは腑に落ちない。とめどなく零れ落ちる先走りをペロリと舐められれば納得いかないと英人から抗議の声が上がった。
「あぁ、間に合いそうにないな…」
英人の屹立に千城の硬くなったものが当たった。お互いの怒張を触れあわせ、這い上がるように体を上げ視線を合わせた千城が苦しそうに息を吐いた。
これほどまで興奮し切羽詰まった千城を見るのは初めてと言ってもいいくらいで英人の方が驚かされる。
英人を包むように頭の脇に肘をついた千城が、再び英人の口腔を舌でなぞった。
千城の大きな手で、二つの勃起したものが重ねられる。熱さと硬さを増したお互いが脈打つのが敏感な部分から伝わってくる。お互いから滴ったぬめりのある液体でつるつると滑り合い、千城の硬くなったもので擦り上げられると刺激されて英人は迫りくる射精感を押さえることができなかった。
「だ、だめって…っ、あっ、あっ、あぁぁ…っ!」
…一人は嫌だってあれほど言ったのに…。抵抗しようとした意志など霧のように吹き飛び、身体は快楽を求めていた。
千城はその場で腰を動かしながら手で二つを包んだまま離さなかった。
「あぁ…あっ、っんっ…っ…」
喘ぎ声を止めることもできず、ピクピクと震えた分身から熱い液が噴き出して腹から胸を汚す。一人で迎えてしまった絶頂に虚しさが襲いかかろうとした時、英人の上でも荒げた呼吸の千城が首筋に顔を埋めてきて、まだ触れあったままの箇所が少しの硬さを失っていると気付いた。双方から飛び出した白濁が混ざり合っている。まさか千城までが限界を迎えていたとは思ってもいないことだった。この程度で千城が果てるとは想像もしていかったが、感じてしまえば嬉しいことこの上ない。

一度吐き出してしまえばあとは千城にされるがままだった。弛緩した身体は英人の思うことなどきかず、また次々と押し寄せる快感の波に飲み込まれていく。
仰向けに転がった身体の下にわざと腰を高くするように枕が差し込まれ、柔らかく綻んだ孔にたっぷりと潤滑剤をまぶされた。今朝酷使された場所は最初チクリとした痛みを伴ったが、溢れ来る興奮に凌駕されていく。慣れた手付きで英人の内部をまさぐられると、あられもない嬌声が轟いた。
「ぅあっ…っあぁぁ…」
慣れた行為であるはずなのに、蠢く指を嫌というほど感じる。思わず力の入ってしまう場所に千城が眉根を寄せた。
「千切られそうだ」
「…なっ…っ、…んぁぁぁっ…」
千城の弄り方がいやらしいからだと悪態をつきたいのに言葉は一つも出て来ない。千城は普段の余裕さを復活させたようでますます英人は悦楽の深みにはまり落ちた。
滑りの良さに潜り込んだ2本の指が一番感じる場所をくるくると撫でた。
「あんっ、もう…」
マグマが沸き立ち、2度目の噴火を切望していた。トロトロと流れ出てくる愛液を惜しそうに舐めとられ、ザラつく舌先の感触に肌が粟立つ。
英人は激しく首を振って迫りくる快感をなんとかやり過ごしたかった。執拗な愛撫はもう拷問でしかない。ぎゅっとシーツを握った右手を千城に取られ、指を絡ませて握りこまれる。身体を上げた千城の整った顔が英人の正面にきた。サラサラとした黒髪を額に垂らした姿は見慣れたが、昼と夜で全く違う表情を見せる男に惹かれた。
「愛しい。おまえだけだ。俺を狂わせるもの…」
狂わされたのはこちらの方だと思う。生きてきた生活の全てを変えられた。想像し得なかった世界に引きずりこまれた。これまでに知らなかった『愛』という言葉を教えられた。

体内を嬲っていた指が引き抜かれて千城の昂ぶりが当てられた。
雁首の大きさに目一杯開かれた孔の中が徐々に千城でいっぱいにされていく。全てが収まってしまえば声にならない充足感で満たされた。身体の奥深くで繋がっていると分かるからそのことが幸せで仕方ない。
「はぁ…ぁ…っ」
漏れる吐息すら千城の口の中へと流れ込んでいく。触れあう唇も胸も何もかもが千城のものだった。
熱い塊が体内をゆるゆると動くのを、もっと…と更に強請ってしまう。いっぱいにされた圧迫感に苦しさはあるのに、それ以上に与えられる喜びと刺激に悶えた。ぐっと更に奥へと入り込む熱は嬉しさでしかない。
収縮し続ける体に時を待てないと言わんばかりに、千城の腰が激しく動いた。
「はぁっ…っんっ…んっ、あぁぁぁっ、あ……っ」
狭い内壁を熱い肉棒がかき回す。英人の体内にある小さな膨らみを千城の一番太い部分が撫で、胸のコリコリとした場所を唇に含まれて、同時に勃ったままの英人自身を扱かれれば然したる抵抗もできないうちにぎゅうと後ろが締まった。
「うッ」
千城のうめき声が聞こえるかどうかのうちに、英人は2度目の放出を果たした。身体の中でもドクドクと脈打つ千城を感じることができる。
思いを通じあわせ、つながることができるこの瞬間。英人は決して失いたくない『日常』を噛みしめた。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
トラックバック0 コメント2
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
新年から熱々!!
コメント甲斐 | URL | 2010-01-04-Mon 20:45 [編集]
今年もお正月から熱い二人を見せ付けられて”おめでたい”ですねぇ。
誤解やら思い込みやらはもう解けたのかどうか分らないままですけどとりあえず抱きしめて肌を合わせて気持ちよくなって、それから腕枕しながら語り明かすってのもいいんじゃないでしょううか。千城の胸に頬寄せて、英人の髪に指からませて・・・。
そして、どんなに淋しくて哀しかったかとか、誰にも見せたくないくらいの独占欲いっぱいで愛してるとかこのままベッドに閉じ込めてしまいたいくらい焦がれているとかどろどろ甘々な台詞言ってみたらどうでしょう。
Re: 新年から熱々!!
コメントたつみきえ | URL | 2010-01-04-Mon 23:06 [編集]
甲斐様

こんばんは。

> 今年もお正月から熱い二人を見せ付けられて”おめでたい”ですねぇ。
> 誤解やら思い込みやらはもう解けたのかどうか分らないままですけどとりあえず抱きしめて肌を合わせて気持ちよくなって、それから腕枕しながら語り明かすってのもいいんじゃないでしょううか。千城の胸に頬寄せて、英人の髪に指からませて・・・。
> そして、どんなに淋しくて哀しかったかとか、誰にも見せたくないくらいの独占欲いっぱいで愛してるとかこのままベッドに閉じ込めてしまいたいくらい焦がれているとかどろどろ甘々な台詞言ってみたらどうでしょう。

正月なんですけど本人たちはまだ年末…。
誤解とかは解けていると思います。さすがに二度目だし身体だけでは終わらないと思うんですけど。千城も学習したんじゃないでしょうか。
肌を触れ合わせることで満足できる二人のようですから、もうこのまま放っておきましょう(←いい加減な奴…)
千城はいつまでも独占欲でいっぱいみたいですね。
それを嬉しいと思っている英人だからまぁいっかー。
コメントありがとうございました。
トラックバック
TB*URL
<< 2024/05 >>
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


Copyright © 2024 BLの丘. all rights reserved.