酒の力とは恐ろしいものだと思った。自宅で飲んでいるから尚更なのだろうか。酔いが回るのが早い。それだけじゃなくて慣れない人の前で緊張から充分なほど飲んでしまった。
心は過去を暴かれて感傷的になっていた。
そして包まれる温度や優しさ。あれほど避けていたはずの鹿沼に包まれたいと心よりも身体が先に求めた。
人肌は嫌いじゃない。だから心底好きになれなかった相手たちとも身体を重ねる付き合いができたのだろう。
硬い床はベッドの上ではなくてこたつのところなのだと分かる。
優しく何かを守るような口付けに無為にすがった。
抱かれることに感情など必要ないとは過ぎた過去で承知している。
お互いの欲求を晴らすための時間…。
恋とか愛とか、酔った身体にそんな言葉を思い浮かべたくない。
昂ぶった身体に押し付けられる欲望に気付けば、恥ずかしさはあっても鹿沼が穿いていたジーパンのジッパーを開けた。
下着の中まで直接手を入れて触れた熱さに先を促す。
「だめだって。ヤバイ。マジで犯しそう」
キスだけで終わりにするつもりだったのだろうか…。戸惑いがちな声に誘っているのは自分だと分かりながらもまともな神経はもうなかった。
酔った勢いっていうことで全てを闇に葬ってほしい。
「くだらないこと言ってないでさ…」
抱いてほしいと願い出ればその手を止められた。
「馬鹿なこと、言ってないでくださいよ」
「合意の上なんだからいいじゃん」
「完全に酔ってますよね?こんなの、本意じゃないです。ダメですから」
「おまえ、意外に硬いんだね…」
呟いた言葉の後はもう分からなかった。
抱いてはくれないのだと分かって目を閉じた途端に眠りに誘われた。
包み込まれる温もりがとても暖かくて、けど明日になったら届けられた食材と共にこの部屋から消そうと思った。
うわべだけで抱いてくれたら開き直って鹿沼の言葉に甘えられたかも…。
でも鹿沼は自分を抱かなかった。
コーヒーの香りがした。
いつの間にベッドの中に潜り込んだのか、暖かい羽毛布団に包まれている。
二日酔い…という症状はなかった。
いつも以上に酒を飲んでしまったことは記憶にあってもどれくらいの量を口にしたかは定かでない。
それでもだるさはあって、「あー…」と言葉を漏らせば気付いたような鹿沼が隣のリビングからやってきた。
こいつは、どこで寝たのだろう…?
「起きました?さすがにお雑煮もおしるこもまだ早すぎる気がして…。勝手に朝食を作っちゃいましたよ」
コーヒーの香りと共に鼻腔をくすぐるのは焼いたベーコンや卵の香りだった。
冷蔵庫にあったもので間に合わせたという台詞にはまたもや恥ずかしさが浮かぶ。
冷蔵庫内を見られたことではなくて、醜態をさらしたことのほうだ…。
昨夜、自分は何をしたのだろう…。
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また書けなくて短くてごめんなさい。
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心は過去を暴かれて感傷的になっていた。
そして包まれる温度や優しさ。あれほど避けていたはずの鹿沼に包まれたいと心よりも身体が先に求めた。
人肌は嫌いじゃない。だから心底好きになれなかった相手たちとも身体を重ねる付き合いができたのだろう。
硬い床はベッドの上ではなくてこたつのところなのだと分かる。
優しく何かを守るような口付けに無為にすがった。
抱かれることに感情など必要ないとは過ぎた過去で承知している。
お互いの欲求を晴らすための時間…。
恋とか愛とか、酔った身体にそんな言葉を思い浮かべたくない。
昂ぶった身体に押し付けられる欲望に気付けば、恥ずかしさはあっても鹿沼が穿いていたジーパンのジッパーを開けた。
下着の中まで直接手を入れて触れた熱さに先を促す。
「だめだって。ヤバイ。マジで犯しそう」
キスだけで終わりにするつもりだったのだろうか…。戸惑いがちな声に誘っているのは自分だと分かりながらもまともな神経はもうなかった。
酔った勢いっていうことで全てを闇に葬ってほしい。
「くだらないこと言ってないでさ…」
抱いてほしいと願い出ればその手を止められた。
「馬鹿なこと、言ってないでくださいよ」
「合意の上なんだからいいじゃん」
「完全に酔ってますよね?こんなの、本意じゃないです。ダメですから」
「おまえ、意外に硬いんだね…」
呟いた言葉の後はもう分からなかった。
抱いてはくれないのだと分かって目を閉じた途端に眠りに誘われた。
包み込まれる温もりがとても暖かくて、けど明日になったら届けられた食材と共にこの部屋から消そうと思った。
うわべだけで抱いてくれたら開き直って鹿沼の言葉に甘えられたかも…。
でも鹿沼は自分を抱かなかった。
コーヒーの香りがした。
いつの間にベッドの中に潜り込んだのか、暖かい羽毛布団に包まれている。
二日酔い…という症状はなかった。
いつも以上に酒を飲んでしまったことは記憶にあってもどれくらいの量を口にしたかは定かでない。
それでもだるさはあって、「あー…」と言葉を漏らせば気付いたような鹿沼が隣のリビングからやってきた。
こいつは、どこで寝たのだろう…?
「起きました?さすがにお雑煮もおしるこもまだ早すぎる気がして…。勝手に朝食を作っちゃいましたよ」
コーヒーの香りと共に鼻腔をくすぐるのは焼いたベーコンや卵の香りだった。
冷蔵庫にあったもので間に合わせたという台詞にはまたもや恥ずかしさが浮かぶ。
冷蔵庫内を見られたことではなくて、醜態をさらしたことのほうだ…。
昨夜、自分は何をしたのだろう…。
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また書けなくて短くてごめんなさい。
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鹿沼くん、いいこだな~
あそこまで行って耐えられる自制心、すばらしい。
本気の想いを感じましたよ。
全面的に応援するぞー
あそこまで行って耐えられる自制心、すばらしい。
本気の想いを感じましたよ。
全面的に応援するぞー
M様
こんにちは。お久しぶりですね。
> 酔った勢いで~?!とハラハラしました。ダメって言った鹿沼にちょっと感動(^・^)料理も片付けもできるし良いなぁ。私の家にも食材持って来てご飯作ってほしいです。
鹿沼、耐えましたね~。
そしてあっという間に眠りについちゃった雅臣。
寝込み中、多少いたずらしても許されるだろうに、ご飯作って目覚めを待っているなんて…。私の家にも来ていただきたいです。
> 1日遅れましたが20000おめでとうございます♪昨日、早朝訪問した時はちょびっと遅かったです。
ありがとうございます。
明け方だったようですね。
最近お客様が多いな~なんて思ってからカウンターの数字を良く見るようになりました。
気付いたら20000。
読んでくださる方がいることに感激しております。
コメントありがとうございました。
こんにちは。お久しぶりですね。
> 酔った勢いで~?!とハラハラしました。ダメって言った鹿沼にちょっと感動(^・^)料理も片付けもできるし良いなぁ。私の家にも食材持って来てご飯作ってほしいです。
鹿沼、耐えましたね~。
そしてあっという間に眠りについちゃった雅臣。
寝込み中、多少いたずらしても許されるだろうに、ご飯作って目覚めを待っているなんて…。私の家にも来ていただきたいです。
> 1日遅れましたが20000おめでとうございます♪昨日、早朝訪問した時はちょびっと遅かったです。
ありがとうございます。
明け方だったようですね。
最近お客様が多いな~なんて思ってからカウンターの数字を良く見るようになりました。
気付いたら20000。
読んでくださる方がいることに感激しております。
コメントありがとうございました。
甲斐様
連コメありがとうございます。
> 鹿沼くん、いいこだな~
> あそこまで行って耐えられる自制心、すばらしい。
> 本気の想いを感じましたよ。
> 全面的に応援するぞー
鹿沼ってば手まで入れられちゃったのにね。
いい加減な繋がりになりたくなかったようです。
さすがに長いこと待っていたから、一晩もどうにかなったのかな。
甲斐様の応援歌を聞いて再アタックする模様。
コメントありがとうございました。
連コメありがとうございます。
> 鹿沼くん、いいこだな~
> あそこまで行って耐えられる自制心、すばらしい。
> 本気の想いを感じましたよ。
> 全面的に応援するぞー
鹿沼ってば手まで入れられちゃったのにね。
いい加減な繋がりになりたくなかったようです。
さすがに長いこと待っていたから、一晩もどうにかなったのかな。
甲斐様の応援歌を聞いて再アタックする模様。
コメントありがとうございました。
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