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BLの丘
Present 27
2010-02-18-Thu  CATEGORY: Present
全ては大浴場で長居をさせないための鹿沼の企てだったのだと気付いたのは、脱衣所で浴衣を羽織ったときだった。
次から次へとやってくる客がいる。

鹿沼に「早く行きましょ」とあおられ、寒風吹きさす間をくぐりぬけて離れの客室へと戻った。
温まってもいない身体は離れまでの路を歩いている間に充分なほど冷えてしまう。
まるで飛びこむかのように身体を暖めてくれる客室の内風呂へと流れ込んだ。
鹿沼からホッとしたような吐息が漏れた。
「あったか~いっ」
「ゴメン、無理させたんだな…」
強引に大浴場まで誘ったのだとは雅臣も気付いた。
考えれば、離れから新館までだってそうとうな距離がある。雪道の中を往復させたのだ…。
本来であれば、離れとは入ってしまえば一歩たりとて外に出なくて良いような空間だ。そのための『離れ』だったのに…。

「謝らなくていいって言ったでしょ。雅臣さんの我が儘だったらなんだって聞いてあげたいの」
雅臣の身体に近づいた鹿沼がそっと雅臣の唇を塞いだ。
優しくなめられながらも、雪をまとったように冷たくあっさりとしたものがあって、離れてしまうような不安に雅臣のほうから続きを求めてしまう。
「りゅう…た…」
肌を温めてくれる温泉よりも内側から温められる愛情を感じたかった。
一度触れてしまえば二度と離れたくないと思うのは我が儘なのだろうか…。
雅臣から近付けた唇に鹿沼の震えるような興奮を肌に感じた。

「そんなふうに甘えられたら、全然耐えらんないし…」
鹿沼の指先が雅臣の後孔をまさぐった。
お湯の中で入れられるのは先程だって体験した。でも今はその程度ですむ話ではない…。

「ここなら寒くないから大丈夫ですよね」
鹿沼の腿を跨ぐように座らせられると雅臣の胸から上がぴょこっと湯を出る。
いつもなら見上げるだけの鹿沼の瞳を少しだけ見下ろす。

口付けたのは雅臣からといってもいいくらいだった。
柔らかな唇の奥を犯される。
歯の並びを確認するように撫でられる舌先に恥ずかしさよりも興奮が沸き立ち、雅臣は思わず舌を絡めた。
人の口腔へと飛びこむのは久し振りのような気がする。
鹿沼とは何度も口付けを交わしたはずなのに、こんなに煽られるのは何故だろう…。

「あ…ねぇ…」
我慢できないのは自分のほうかもしれない…。
擦りつけた下半身が鹿沼の腹の上を滑る。
勃った雄芯が鹿沼の腹を撫で、後ろの蕾の上に当たるように鹿沼の中心を誘い込もうとする。
はしたない行為と分かりながらもやめられなかった。

ゆるゆると襞の上を擦る行為に、鹿沼が渾身の力をこめて雅臣ごと湯船から引き上げた。
「も、むり…」
呟く鹿沼の声が熱を帯びていた。
石造りの風呂の淵に雅臣を座らせると、徐に脚を持ち上げられる。
開いた脚のつけ根に鹿沼の唇が落ちた。

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コメント

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策士鹿沼。
コメント甲斐 | URL | 2010-02-18-Thu 08:53 [編集]
策士だなー鹿沼。
思う壺に雅臣を誘導してしまいましたね。
すっかりその気の二人がこの後どんな場面を見せてくれるのか楽しみです。
(風邪ひかないようにね)
Re: 策士鹿沼。
コメントきえ | URL | 2010-02-18-Thu 15:07 [編集]
甲斐様
こんにちは。

> 策士だなー鹿沼。
> 思う壺に雅臣を誘導してしまいましたね。
> すっかりその気の二人がこの後どんな場面を見せてくれるのか楽しみです。
> (風邪ひかないようにね)

どんどんと自分のペースに持ち込んでいますよね~。
ずーっと私が回避してしまったシーンがいよいよ…?!
鹿沼ってば半分お預け状態(?)だったので、そろそろ雅臣にいっぱいお世話したごほうびをあげないとまた拗ねて目一杯雅臣を啼かせちゃいそうなので。
(どのみち啼くのか…)
お気遣いありがとうございます。
寒くなったら温泉につかりながら温め合いますので。
…清掃係は大変だ…。
コメントありがとうございました。
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