2ntブログ
ご訪問いただきありがとうございます。大人の女性向け、オリジナルのBL小説を書いています。興味のない方、18歳未満の方はご遠慮ください。
BLの丘
かけがえのない日々の訪れ 18
2010-02-27-Sat  CATEGORY: かけがえのない日々
R15くらい。ぼちぼち…。


「な、にして…」
流れてくる湯を頭からかぶりながら、日野は予期していなかった出来事に目をぱちくりさせた。
「ふーん。濡れている君もなかなかいいものだね」
神戸は日野の全身に一度視線を這わせながら、身に付けていたバスタオルをサラリと剥ぐと、バスタブの中に入ってきた。
立っているからいいようなものの、成人した男が二人で入れるような広い場所ではない。

神戸のなめらかな指先が日野の胸筋を撫でた。
「いい体してる。なんだか鍛えられていますっていう感じ」
故意的に鍛えているつもりはなかったが、仕事柄重たい酒類などを扱うせいか、自然と筋肉はついていた。
お互いの肌を眺めるのは何も初めてじゃない。
今更改めて伝えられることに照れが生じた。
「神戸さん?」
「長流(たける)」
「長流?」
「そ。そろそろ名前で呼ぼっかー。いつまで経っても僕は”お客さん”の域を越えないよね」
日野の首筋に両手を回してきた神戸が二人の体を密着させる。
「君は?名前、何ていうの?」
「…尚治(しょうじ)…」
「尚治…。”ショウ”ってどう?」
神戸は一度日野の名前を呼んでから親しみやすそうな愛称を口ずさむと、熱いシャワーの湯に打たれることも気にした様子もなく、噛みつくように唇を合わせてきた。
嫌な態度ではなく、むしろそれを嬉しいとすら思ってしまう。

日野は内心で少し笑ってしまった。
こんなことを続けながら、今頃になって名前を知るなんて…。

差し込まれてきた舌を絡め取り、逆に吸いあげてやると神戸が僅かに身じろいだ。
意味を持って神戸とこんなに深い口付けを交わすのも初めてのことといっていいかもしれない。
キスで日野の体が昂りを見せ始める。
角度を変え始めたお互いの性器がぶつかり合った。

これまでは神戸に半分リードされる形で始まるセックスだったが、流れとしては一度を除いては日野のペースと言ってよかった。
というより、日野に合わせてくれていたというほうが正しいのかもしれない。
だから今日も神戸の腰に腕を回し、引き寄せつつ、神戸の胸にある突起をつまんでみれば、神戸は身を捩った。
唇を離した神戸が降り注ぐシャワーの湯でびしょびしょになりながら、日野の耳元で「今日はどっちがいい?」と尋ねてくる。
甘く聞こえる声だ…。
こんなことを聞かれたこともなかったから、一瞬の躊躇はあったものの、日野は「どちらでも…」と答えた。
神戸が満足いく方を選ばせてみたかったのだ。

神戸はフッと笑みを浮かべてから、日野の額に自分のをコツンと当ててきた。
「じゃぁ、お言葉に甘えて…」
もう一度チュッと唇を合わせた神戸が、「洗ってあげる」とスポンジを手にした。
神戸の返事がどちらを希望するものなのか、漠然と理解する。
そこに少しの恐怖はあったけど、思い出すほどに疼く身体があった。
流れ続けるシャワーを一旦止めて、神戸の手によって泡立てられたスポンジが肌の上を滑って行った。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
トラックバック0 コメント0
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
TB*URL
<< 2024/05 >>
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


Copyright © 2024 BLの丘. all rights reserved.