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BLの丘
かけがえのない日々の訪れ 20
2010-03-02-Tue  CATEGORY: かけがえのない日々
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。

不安というのはつきまとう。
あらゆることに精通したような神戸が、男同士の行為の何も知らないに等しい自分に満足するのだろうか。
ベッドに辿り着いた頃には、全身の力が半分くらい失われているようだった。
激しく絡ませられる口付けは神戸の想いを受け取っているようで嬉しくもあるのだが…。

今まで幾度もしたことのある情交のはずなのに、何が違うのか、日野には初めてのことのように感じられた。
いつもであれば、こうして神戸が日野の肌を撫でたとしても、時が経てば日野の攻めへと変わった。
今日はその態勢へと持ち込めないと分かるからなのだろうか。
かつて体験した絶頂を思い出すからなのか、興奮が生まれる。

胸に飾られる赤い実を、先程から神戸は執拗なほど舐め続けていた。
甘噛みされる刺激と脇腹や臍などを撫でられる指使いに身体が小刻みに震える。
たったそれだけのことと思うのにしつこい愛撫に煽られた日野の中心は濡れそぼっていた。
男を抱く術はどうしたって神戸のほうが上手だ。

与えられる快感をなんとか誤魔化そうと時折神戸の身体を弄っては手を撥ねられた。
神戸の感度は良い方だと思う。だから神戸に触れることで彼も追い込みたかったのだが、思っていることは簡単に読み透かされていたし、逆に触れられることで自分のペースを崩されるのが嫌らしい。
日野にもまだ理性がある分、大人しく流されるのは癪にさわったし喘ぎ声を上げるのも醜態を晒すようで恥ずかしい気分をもっていた。
呼吸を繰り返すことでどうにか耐えられているような状態だった
懲りずに神戸の性器に手を伸ばせば、機嫌を悪くした神戸がすくっと日野から離れた。
どうしたのだろうと呆然としてしまえば、持ってきたタオルで両手首を頭の上に括られてしまった。
「ちょっと!冗談っ!…なんのプレイっ?!」
「悪いことばっかりする子にはお仕置きっ!今日はこっちも縛ってあげようか」
そういって日野の中心を撫で上げる。

前回だって指で括られて散々焦らされ辛い思いをさせられた。
最終的に味わったものは普通では到底体験することのない快感だったが、我慢させられた時間が長かったことを振り返ればまた体験したいものでもない。
素直に気持ち良くなった時点で果てたい。
すでに蜜はたらたらとこぼれるほどまで成長してしまって、本当はもう自分の下半身に触れたいくらいだったのに、このままでは何をされるのか分かったものではないと、日野は自分の行動を後悔した。

「ごめんっ!悪かったってっ!頼むからこれ解いてっ」
焦りが生まれる。
神戸は「どうしようかなー」と首を傾げながら、日野の濡れたモノを軽く扱いてくる。
懇願し始めた日野を見て神戸は目を細めた。
指使いをみればまだ本格的に弄ってもらえないのは一目瞭然だった。
「神戸さんっ!」
「それもダメ。ショウは飲み込みの良い子のはずだよね。僕の名前をもう忘れちゃったの?」

声をあげれば墓穴を掘るばかりだ。
慣れ親しんだ名をいきなり変えろと言われても無理な話だが、神戸の望むようにしなければどこまでも辛い現実が待っていることは確実で、日野は開き直った。
神戸の言うとおり、その場の状況に対応する能力は優れている方だ。
「わかったよっ、長流さんっ」
もともと物怖じしない性格でもある。丁寧な言葉使いを得意とする人種でもない。
気を許してしまえば、今では千城にだって平然と文句を言うくらいだ。
とにかく早く神戸が満足する状態にもっていかないと自分の身が苦しめられるだけだ。
「呼び捨てでいいくらいだよ。僕の言うことを聞けなかったらちゃんとお仕置きするからね」
ふふと神戸はいつものように優しい笑みを浮かべたが、この仮面の下に隠された思いを想像すれば、日野の顔が引きつった。

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コメント

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行けるとこまでイってみよう日野ちゃん!
コメント甲斐 | URL | 2010-03-02-Tue 09:06 [編集]
墓穴を掘り続ける日野ちゃん。
どんどん深いとこまで行ってしまって、もう自分じゃあ戻れないくらい遠くまで行ってしまったのでは?
ここはもう神戸さん、じゃなくて長流さんに泣いて縋っていっぱい甘えて助けもらうしかない!!
せっかくなので、今日はあっちもこっちもあそこも縛って”お縛りぷれー”で新境地を開くのも一興かと・・・。
Re: 行けるとこまでイってみよう日野ちゃん!
コメントきえ | URL | 2010-03-02-Tue 09:21 [編集]
甲斐様
こんにちは。ちょうどご一緒しましたね。

> 墓穴を掘り続ける日野ちゃん。
> どんどん深いとこまで行ってしまって、もう自分じゃあ戻れないくらい遠くまで行ってしまったのでは?
> ここはもう神戸さん、じゃなくて長流さんに泣いて縋っていっぱい甘えて助けもらうしかない!!

しっかり神戸のペースに乗せられています。
神戸があっちこっちと連れて行ってくれる知らない惑星には神戸しかいませんから、頼れるのは当然彼のみです。
きっと可愛がってくれると思うので安心して甘えればいいのにね。

> せっかくなので、今日はあっちもこっちもあそこも縛って”お縛りぷれー”で新境地を開くのも一興かと・・・。

出た!甲斐様のSっぷりっ!!
日野は初めての時から"普通いかないところ"に連れて行かれていますからねー。
今日の神戸はどう道案内をするのか。
コメントありがとうございました。
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