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BLの丘
ちょうどいいサイズ 17
2010-04-12-Mon  CATEGORY: ちょうどいい
「め、めんてなんす?」
その言葉の意味はよーく分かっていても、車と自身とでは異なる。
恵亮のメンテナンスなんて一体どんなことなのだろう?

こんな場所で、こんな真昼間から告白ってあるんだろうか…。
悩んでも耳に入ってしまった台詞は聞き間違いではなさそうだ。
いや、言い間違いとする気はなさそうだ…。

「迷惑?嫌?結構マジで誘っているんだけど。それかもう付き合っている人とかいる?そんな感じしないけどね。人のものって分かったらさっさと諦めるよ。一葉さん、特定の人間がいる雰囲気もないからさ。フリーなら俺、お買得じゃない?付き合ってよ」

開いた口がふさがらない…。
「め、めぐるくん…」
「『めぐる』でいいし。俺も『一葉』って呼んでいい?」
拒否権はないようにしか思えなかった。
この堂々たる態度といい、客という立場といい、なんと返して良いのやら…。
はっきりと付き合っている人間がいるわけではないから余計に戸惑う。
ふと安住の顔が過っていったが、その名を出すことは躊躇われた。
恵亮も安住をしっているだけに安住に迷惑がかかってしまう。

「あのね…」
「何?付き合っている人間、いないのに拒絶とか受けねーから。お試し期間でもいいから取りあえず相手してよ。それとも好みじゃないとか言う?」
一葉の恋愛経験は乏しい。
恵亮の容姿は人を惹きつけるし、本人も分かっていての発言なのだろうか。
何故自分がお付き合いの対象にされているのか疑問すら沸く。
からかわれているだけなのだろうと思いもする。
少なくとも誰かから思いを告げられたことは一度もないから返答の仕方すら分からなかった。

「だって、君、まだ学生だし…」
「年にこだわんの?一葉が付き合う基準て何?」

まるで責められているようだ。
一葉は言葉を一つも見つけられなかった。
黙ってしまった一葉に恵亮は次から次へと言葉を重ねてくる。
「つーか、フリーで意味もなく断られるの?俺。ダメな理由ちゃんと言って。好きな人がいるとか?」
一葉は咄嗟にその言葉に乗ってしまおうと頷いた。
恵亮のことは嫌いではないが恋愛対象に含まれない。断れる理由が何も思い浮かばないから、この際嘘でもついて誤魔化そうとした。
「誰?その人に俺も逢える?けど一葉の片想いだったら俺にチャンスとかあるよね?」
付き合っている人間ではないとばらせば片想いと言われ…。
突っ込まれる状況に冷や汗だけがこぼれる。
なんていう自信…。
一葉の中に飛び込んでくる台詞も態度も拒絶できず、戸惑うばかりだ。心臓がバクバクと動く。
告白などされたことがないから、それ自体は嬉しいと感じるけど、ちょっとばかり厄介な出来事なのだと初めて知った。
「勝ち目ないって認めるくらいだったら潔く諦めてやるよ。それか一葉がどんだけその人のことを好きで焦がれるか態度で見せてくれたらね」

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コメント

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安住さん盗られちゃうよ!
コメント甲斐 | URL | 2010-04-13-Tue 15:52 [編集]
恵亮くん、強気~
若いのにやるじゃん
一葉君みたいに、晩生で恋に内気なタイプは結構流されますよね、こうい人には。

安住さんのことをチラッと思い浮かべたとしても、一緒にご飯食べる”だけ”の関係の安住さんだし、好きな人という位置づけで口に出して言える人じゃないんですよね、きっと。
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