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BLの丘
ラベンダーのまやかし 5
2010-05-23-Sun  CATEGORY: 淋しい夜
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。

週末でも千城がこんなに遅くなることは滅多にない。
いつもであれば、お風呂の用意は千城がしてくれるし、英人は黙って連れて行かれるだけだ。
過去を振り返れば、バブルバスで遊びたい時や入浴剤を使いたい時は、必ず許可を貰っていたことを思い出した。
英人が「入れてもいい?」と尋ねてからの実行だったし、千城が今のように激しく拒絶したこともなかった。
週末は一番愛してもらえることが分かっていたから、入浴剤に気を回す余裕もなく、ただ昂らされて先を強請るだけだった。
千城の苛立ちと怒りの原因を知って、英人は自分の浅はかな考えで行動を起こしたことを後悔した。

腰の動きを止めてしまった千城が何やら考えているのも分かる。
疼いた身体は、まだ欲求の果てを与えられそうになくて、そのもどかしさに、こんな状況でありながらひしっと抱きついた腕と、千城を跨いで座りベッドの上に放られた脚の力で少し腰を動かせば、大きな両手で細い腰をつかまれて些細な動きすら止められた。
「ちし…ぃぃぃっ…っ」
こんな風に我慢をさせられたことはここ最近なかった。
激しい怒りをかったこともなかった…。
千城はいつだって英人に甘かったから…。

「英人。二度とそんなことを思うな。今度勝手な解釈をしたらただではおかないぞ」
小さな溜め息の後で発された声は少しだけ穏やかになったような気がする。
英人に快楽を与えてやりたいと千城が思ってくれているのも身体を通して感じた。
その交換条件と言っても過言ではないのだろう。
同時に地の底から湧くような、絶対的な権力の下に自分が配されるのも改めて知った。
この力に逆らうことも逃れることもできないのを英人自身が一番良く理解している。
何よりも束縛されることが『愛されている証』と思え嬉しかった。
束縛…というよりも、自ら飛び込む世界。抱く手をほどかないで…と。

「ごめん…」
千城には色々な意味で、様々な場合に、『一人で判断を下すな』と告げられている。
英人にしてみれば、入浴剤一つの些細なことだったが、愛してもらえなくなるのではないかという狭間に落ちるほどの問題だった。
英人が『もう使わない』と承諾をすれば満足した千城の笑みが見えた。
英人だって直に千城の香りを嗅いでいたい…。

両手で掴まれていた腰が、千城の灼熱をギリギリまで引き抜くほど持ち上げられて、一気に落とされた。
「あぁぁぁっっ!!」
下腹部に与えられる衝撃と、白い首筋に噛みつかれる痛みが同時に”快感”へと生まれ変わる。
千城が望むならどんなことだって受け入れるし、応える。
それにみあうものを千城は返してくれる。
「英人を愛している…」

聞こえてくる声が心臓へと突き刺さっていく。
スプリングのバネを利用した小刻みな動きは千城の限界はまだ先だと言われているのも同然だが、ずっと焦らされていた英人はパンパンに張り詰めた股間を爆発させる一歩手前だった。
重くなってしまった陰嚢を揉まれ、体内の敏感な部分を擦られれば意味を成さない嬌声が轟き、芯の中を熱いものが滾っていく。
「いっちゃ…っ!!」
声を出す間も首を振る間もなく、二人の間に濃い匂いが漂った。

微かに残っていたラベンダーの香りが、消えた…。

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全7話です。ようやく書き終わりました。
えち企画とか言いながらまったくえちじゃないです。
こんなのでは苦情がくること間違いなし…。
私はえちが書けないことを知りました(今更言うなっ!!)
期待を寄せてくださいました方々、本当に申し訳ないですっ!!m(__)m
もう書かない、もう応募もしない…心に刻みます。
一応、書き上がった分だけはあげますので、お付き合いくださる方がいたら光栄です。
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コメント

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コメントきえ | URL | 2010-05-23-Sun 22:10 [編集]
t様
こんばんは~。
お久し振りです。いらっしゃいませ~。

>以前、千城と英人の話の際によくコメントをしていた者です。又大好きな二人の話に出逢えてとても嬉しいです。 きえ様のお話は、浅ましいポルノとは違います。感情が入れ込める描写が私は大好きです。正しく、愛あるえち ですよね。 

恐れ多いです~ぅ。
『読みたいえちカプ』の募集とかしておきながら、いざ書いてみたらまぁぁぁったく書けない現状に平謝り状態です。
それなのに、こんなに評価をしていただいて光栄です。嬉しすぎます。
えろさも何もありませんが、お付き合いくださる方がいて感謝です。
コメントありがとうございました。
コメントきえ | URL | 2010-05-23-Sun 22:19 [編集]
S様(私の中ではすっかり「さーちゃん」という名が定着していますが…)
こんばんは~。

>こんにちは~♪わ~もう全部書き上げたのですね~。すごいです!ひーちゃんは愛されまくってますね~。ちーちゃんったらひーちゃんの匂いがしないって怒るなんてかわいい~。えちが書けないなんて言わないでぇ~。またぜひ書いてください。あと、私は色んなお話が繋がるの好きなのでぜひひーちゃんと一葉ちゃんを友達にしてあげて~。そして二人で暴露大会できるといいなぁ~(笑) それには一葉ちゃんがんばらないとね!?

えちは書けないですね~。
やっとこさ最後まで書きあげたって感じです。
本当なら全部書き上がってからupしたいところなんですけど、勝手に手が動いて徐々にupしています。
だから読者様を待たせる結果になるんです…(反省)

ひーちゃんとかずぴーは同じ年なので、いつかお友達にしてあげたいですね。
ただでさえかずぴーはお友達が少ないので…(英人もか…)
英人と日野とかずぴーとなっち…。(同学年なのにとてもそうは思えない…)
4人の対談とかさせたらちょっと怖いものがありますけど。(そしてもれなく付いてくる保護者、ちーとその同級生が加わったら際限のないことに…汗)
一葉の話も待たせて本当に申し訳ないです。
コメントありがとうございました。
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