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BLの丘
秋の夜長に想像したもの4:秋彦 【観潮楼:秋の作品】
2010-10-08-Fri  CATEGORY: 観潮楼
観潮楼に参加の作品です。

夜も遅くまで続く勉強風景に、秋彦の母が誠一の家へ夕食のおかずの一部を持ち込んだ。
秋彦と誠一の成績の違いは秋彦の母も知っていたし、いつも迷惑をかける(小さい頃から…)と秋彦の母の気遣いは半端ではない。
それは『息子が男に襲われた』という過去につながるのだろうか。

誠一の母も同じ息子を持つだけに気を揉むところはあったのかもしれないが、いかせん、秋彦と誠一の育ちと言うか造りの違いは一目でわかる。
逞しい成長を遂げた誠一に対して、秋彦から漂うものは色香だったのだ。
長年見てきたから自分の息子のようにも思えた。
この子が凌辱をされるくらいなら息子をボディガードとして差し出そうと思えるくらいだった。
それくらいに隣の子でも可愛いと思える。
隣のご両親と本人たちが望むなら、このまま永遠に別れないナニカをとってあげたいくらいだとも思った。

そんな両親の心はいざ知らず、部屋まで持って来られた夕食に舌鼓をうつ二人がいる。

「相変わらずあきんちのお母さんが作る煮魚はうまいよなぁ」
「誠ちゃんちのお母さんが作るハンバーグだって僕、好きだよ」
「そんなこと言ったら図に乗って毎日作るからっ」
「へへっ。毎日食べたいなぁ」
秋彦にしてみれば、毎日ここに来たいという願望だった。
本当はご飯なんてどうでもよかったけれど、誠一の傍にいたいから、などとは言えない。
自分のためにも頑張ってくれている、一緒の受験勉強。
自分が頑張らなかったら、一緒の将来がないことは、成績の良くない秋彦は充分なくらい承知していた。

無駄にはできない秋の一時だった。
ゆっくりと食を進めて時間を潰し、誠一との話を楽しんだ。
受験の話ばかりになりがちだけど、時にはこんな日もいいかも…と、食事を終えた秋彦はそっと身体を倒した。
「なんか、もう、ねむくなっちゃったよぉ」
勉強道具も散らかしっぱなしだ。
本来なら、本当のベッドにかえらなければならないのに、コクンと眠りにつく態度を秋彦はわざととった。

キスの一つもしてくれないかなぁ…。
そんな願望が胸に渦巻いている。
淫らな妄想は相変わらず頭の中にあった。

2010あきエチ
chobon様より絵をお借りしました。
お持ち帰りはご遠慮ください。



「あき、こんなところで寝たら風邪ひく…」
戸惑ったような声が愛おしい。
迷惑をかけたいわけじゃないのに、結局自分が取れる行動って…、手を煩わせることで意識を引こうということしかなかった。
もしかしたらいつか嫌われるかも…。
そんな不安が胸を過る。
一緒に大学を合格しても、役に立たない不便なやつ(下半身も含めて)と思われるだろうか…。
そんなことをふと思ったら、不安で、恐怖で秋彦はパッと目を見開いた。
抱きあげてベッドまで運んでやろうかと思い手を伸ばした誠一と至近距離で視線が重なる。

「せいちゃん…」

わざとじゃない…。
わざとじゃないけど、誠一を引き寄せるような、甘い言葉の発音は身に染みたように分かっている。
「せいちゃん」

僕の下半身は『不能』じゃないんだよって、今教えてあげようか。
誠一を思えば、こんな風になってしまうのだと知られたら、それこそ嫌われるのだろうか。
…やだ…。それだけはいや…。
そう思いながらもう一度「誠ちゃん」と呼びかけてみる。

震える手が秋彦の頬を撫でた。
映画やドラマや、何かで見た、『愛しい人が最後の言葉を告げられない』、そんなシーンに良く似ていると思った。
これは明らかな『期待』だ。
「せい…」
もう一度囁きかけると、困ったように誠一の顔が歪んだ。

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こんなことばっかり思っている受験生なんです~ぅ(>_<)
世の皆様はちゃんとお勉強しましょうね(アッチのお勉強じゃなくて正当なお勉強)
絵師様に対して本当に失礼な気がしております…。
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コメント

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コメントみたま | URL | 2010-10-12-Tue 23:44 [編集]
こんばんは~
お邪魔します~!

こちらでは、はじめましてですよね(ペlコリ
拙宅へもお越しくださってありがとうございましたー!
まずは観潮楼の秋企画から拝読させていただきました☆
あう~このじれったい感じがたまんな~~い!!
せいちゃん我慢してるのに、あきくん、煽る煽る(笑)
続き、楽しみにしております!
Re: タイトルなし
コメントきえ | URL | 2010-10-13-Wed 08:05 [編集]
みたま様
おはようございます。
こんなところまでわざわざお越しくださいまして…ありがとうございます!!

> こちらでは、はじめましてですよね(ペlコリ
> 拙宅へもお越しくださってありがとうございましたー!
> まずは観潮楼の秋企画から拝読させていただきました☆
> あう~このじれったい感じがたまんな~~い!!
> せいちゃん我慢してるのに、あきくん、煽る煽る(笑)
> 続き、楽しみにしております!

駄文を読んでくださったようですね。
おめめ、悪くなっていないでしょうか。
誠一の我慢はどこまで続くのかしら。
秋彦の強かさにも、母のほうが言葉がありません…(;一_一)
なかなか続きが書けないでおりますが、お待ちいただけたら嬉しいです。
コメントありがとうございました。
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