この作品は、【観潮楼】「夏―心を焦がす恋―」参加作品です。
(いらないかもしれませんが) R15 少しの性描写が入ります。閲覧にはご注意ください。
集落から少し離れた山の上からは、村全体が一望できた。
それほど広い距離がある村ではない。
だから子供の足でも1日もあれば端から端まで往復できた。
ほとんどは田畑が占めており今の季節は緑でいっぱいだった。
山の上まで来るには、誰が整備したのかも分からないような、丸太と石で作られた木々が生い茂る山道を登ってくるしかない。
子供にとってはかっこうの秘密基地(大人から順序良く教えられたのだから秘密でもなんでもないが)で、安里も良く連れてきてもらった。
山の上までは麓から徒歩20分といったところだろうか。
頂上にはこれまた誰が建てたのか分からない物置のような小屋があった。
村の人間が作業に使うための道具を入れておく場所のようだった。
小屋の周りは木々も伐採されていたから夏の日差しが照りつけている。
じりじりと焦げるような太陽でも吹き抜ける風が心地よくて、茂る草の上にレジャーシートを敷いて安里と睦は昼食をとった。
残り物を詰め込んだようなお弁当だったが、場所が変われば新鮮な味がするのだから不思議だ。
聞こえてくるのはさえずる鳥の声と、遠くで農作業をする機械の音くらいなものだろうか。
最近ではここまでくる子供は少なくなったという。
ただでさえ過疎化が進む村だったし、暑い中、家の中でテレビゲームなどをして過ごすほうが良いと思う気持ちも分かる。
「ご飯食ったら寝たくなる…」
睦がごろんと、あぐらをかいた安里の膝の上に頭を乗せてきた。
人がいなければ睦は所構わずこうして安里に触れたがった。
子供が甘えてくるような仕草は、安里は嫌いではない。
教員を目指したのも、そんなふうに思えるところがあったからだろう。
「安里…」
睦は人前では『あさちゃん』とこれまでと変わらない呼び名で安里を呼んだが、二人きりの時は独占欲を表すように必ず呼び捨てだった。
睦の片手が安里の後頭部に伸びてきて、そっと身体を折りたたまれる。
くちづけを交わすのはもう何度目になるのか分からないくらいだ。
差し込まれた舌が歯列をなぞって、奥へと侵入してくる。
柔軟に動き回る舌先に舌をからめとられ引っ張られる。
互いの口腔を交互に行き交うような激しい動きに、安里から流れる唾液が睦の中へと零れ、溢れたものが睦の頬を濡らした。
「安里、キスうまくなった」
「おまえこそ、こんなことどこで覚えてんだよ」
キスがうまいかヘタかは比べる相手もいない。
「それ、嫉妬?」
「単なる疑問」
「心配しなくても、俺の『初めて』は安里だよ」
睦はフッと笑っただけだ。
こういう仕草や精神の落ち着きは、時々自分よりも年上なのではないかと思う時がある。
去年、睦の部屋に行った時に、それなりに卑猥な写真の載った雑誌が隠されているのを安里が見つけたことがある。
あの頃はまだ『照れる』という部分を持っていて、『陸が置いていったやつっ!!』なんて言っていたけど。
思春期の男子には当然の行為と安里も目を瞑ってやった。
それが今年になったら、なんだろう、この開き直り具合。
睦の部屋で勉強を教える、などという口実に連れ込まれた後には、あれよあれよという間に貫通式まで済んでしまった安里だった。
確かにあの時のことを思い出せば、手慣れていないのは明白なのだろうが、単純にヤリたいがために選ばれた人間なのではないかという疑問も浮かんでしまう。
どこでどんな教えを受けているのか研究をしているのかは不明だが、安里を気持ち良くする技はあっという間に身につけたようだった。
「学習能力高いのかも、俺」などとのたまわっていたが、逆に睦に嵌っていくようで怖かった安里である。
「安里、ここ、元気になった?」
あぐらをかいていたせいで、まったく無防備だった中心を睦の手が撫でた。
「なに、する…っ?!」
「俺、今のキスだけで、ちょっと…」
安里の腹側に顔を向けるように、横向きに転がった睦が少し身体を丸めるようにした。
その反応は何を示すものなのか理解できる。
…嫌な予感がした…。
睦の頭を膝から転げ落してやろうと動くよりも早く、睦の両腕が安里の腰にぐるりと巻きついた。
「今の時間なんて、こんなとこ、誰も来ないよ」
股間に顔を埋めるようにして、布越しに熱い息を吹きかけられた。
ピクッと動いたものを、当然睦は見逃していない。
なら様より「夏―心を焦がす恋―」をお借りしてきました。
無断転写はご遠慮ください。
にほんブログ村
(いらないかもしれませんが) R15 少しの性描写が入ります。閲覧にはご注意ください。
集落から少し離れた山の上からは、村全体が一望できた。
それほど広い距離がある村ではない。
だから子供の足でも1日もあれば端から端まで往復できた。
ほとんどは田畑が占めており今の季節は緑でいっぱいだった。
山の上まで来るには、誰が整備したのかも分からないような、丸太と石で作られた木々が生い茂る山道を登ってくるしかない。
子供にとってはかっこうの秘密基地(大人から順序良く教えられたのだから秘密でもなんでもないが)で、安里も良く連れてきてもらった。
山の上までは麓から徒歩20分といったところだろうか。
頂上にはこれまた誰が建てたのか分からない物置のような小屋があった。
村の人間が作業に使うための道具を入れておく場所のようだった。
小屋の周りは木々も伐採されていたから夏の日差しが照りつけている。
じりじりと焦げるような太陽でも吹き抜ける風が心地よくて、茂る草の上にレジャーシートを敷いて安里と睦は昼食をとった。
残り物を詰め込んだようなお弁当だったが、場所が変われば新鮮な味がするのだから不思議だ。
聞こえてくるのはさえずる鳥の声と、遠くで農作業をする機械の音くらいなものだろうか。
最近ではここまでくる子供は少なくなったという。
ただでさえ過疎化が進む村だったし、暑い中、家の中でテレビゲームなどをして過ごすほうが良いと思う気持ちも分かる。
「ご飯食ったら寝たくなる…」
睦がごろんと、あぐらをかいた安里の膝の上に頭を乗せてきた。
人がいなければ睦は所構わずこうして安里に触れたがった。
子供が甘えてくるような仕草は、安里は嫌いではない。
教員を目指したのも、そんなふうに思えるところがあったからだろう。
「安里…」
睦は人前では『あさちゃん』とこれまでと変わらない呼び名で安里を呼んだが、二人きりの時は独占欲を表すように必ず呼び捨てだった。
睦の片手が安里の後頭部に伸びてきて、そっと身体を折りたたまれる。
くちづけを交わすのはもう何度目になるのか分からないくらいだ。
差し込まれた舌が歯列をなぞって、奥へと侵入してくる。
柔軟に動き回る舌先に舌をからめとられ引っ張られる。
互いの口腔を交互に行き交うような激しい動きに、安里から流れる唾液が睦の中へと零れ、溢れたものが睦の頬を濡らした。
「安里、キスうまくなった」
「おまえこそ、こんなことどこで覚えてんだよ」
キスがうまいかヘタかは比べる相手もいない。
「それ、嫉妬?」
「単なる疑問」
「心配しなくても、俺の『初めて』は安里だよ」
睦はフッと笑っただけだ。
こういう仕草や精神の落ち着きは、時々自分よりも年上なのではないかと思う時がある。
去年、睦の部屋に行った時に、それなりに卑猥な写真の載った雑誌が隠されているのを安里が見つけたことがある。
あの頃はまだ『照れる』という部分を持っていて、『陸が置いていったやつっ!!』なんて言っていたけど。
思春期の男子には当然の行為と安里も目を瞑ってやった。
それが今年になったら、なんだろう、この開き直り具合。
睦の部屋で勉強を教える、などという口実に連れ込まれた後には、あれよあれよという間に貫通式まで済んでしまった安里だった。
確かにあの時のことを思い出せば、手慣れていないのは明白なのだろうが、単純にヤリたいがために選ばれた人間なのではないかという疑問も浮かんでしまう。
どこでどんな教えを受けているのか研究をしているのかは不明だが、安里を気持ち良くする技はあっという間に身につけたようだった。
「学習能力高いのかも、俺」などとのたまわっていたが、逆に睦に嵌っていくようで怖かった安里である。
「安里、ここ、元気になった?」
あぐらをかいていたせいで、まったく無防備だった中心を睦の手が撫でた。
「なに、する…っ?!」
「俺、今のキスだけで、ちょっと…」
安里の腹側に顔を向けるように、横向きに転がった睦が少し身体を丸めるようにした。
その反応は何を示すものなのか理解できる。
…嫌な予感がした…。
睦の頭を膝から転げ落してやろうと動くよりも早く、睦の両腕が安里の腰にぐるりと巻きついた。
「今の時間なんて、こんなとこ、誰も来ないよ」
股間に顔を埋めるようにして、布越しに熱い息を吹きかけられた。
ピクッと動いたものを、当然睦は見逃していない。
なら様より「夏―心を焦がす恋―」をお借りしてきました。
無断転写はご遠慮ください。
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睦くん大人ですね
「『初めて』は安里」なんて言ってますけど、
初めて以外はどこでどんだけお勉強してきたのかなと”疑問”にも思います
回想部分の”貫通式”はさらっと流されていましたが
このあとは?
お外で、ですか
「『初めて』は安里」なんて言ってますけど、
初めて以外はどこでどんだけお勉強してきたのかなと”疑問”にも思います
回想部分の”貫通式”はさらっと流されていましたが
このあとは?
お外で、ですか
甲斐様
こんにちは。こんなところまでありがとうございます。
> 睦くん大人ですね
> 「『初めて』は安里」なんて言ってますけど、
> 初めて以外はどこでどんだけお勉強してきたのかなと”疑問”にも思います
> 回想部分の”貫通式”はさらっと流されていましたが
> このあとは?
> お外で、ですか
睦ってば学生の本分を忘れて何の学習をしているのでしょう…。
このお話自体が『回想部分』で成り立っているので、ちょっと複雑な書き方をしちゃったな…と後悔しています。
貫通式は…単に私が『ウブ』な表現をを書くのが難しくて…。
時間がかかるので、それにしつこいのでさらっと流しました。
このあとは…すでに出ているので控えます。
コメントありがとうございました。
こんにちは。こんなところまでありがとうございます。
> 睦くん大人ですね
> 「『初めて』は安里」なんて言ってますけど、
> 初めて以外はどこでどんだけお勉強してきたのかなと”疑問”にも思います
> 回想部分の”貫通式”はさらっと流されていましたが
> このあとは?
> お外で、ですか
睦ってば学生の本分を忘れて何の学習をしているのでしょう…。
このお話自体が『回想部分』で成り立っているので、ちょっと複雑な書き方をしちゃったな…と後悔しています。
貫通式は…単に私が『ウブ』な表現をを書くのが難しくて…。
時間がかかるので、それにしつこいのでさらっと流しました。
このあとは…すでに出ているので控えます。
コメントありがとうございました。
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