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BLの丘
淋しい夜に泣く声 5
2009-09-06-Sun  CATEGORY: 淋しい夜
お待たせいたしました。英人が先に書きあがっちゃったよ…
月曜日になるかと思ってたから良かったです。


涙で濡れた頬を撫でる手は冷たかった。先程までの鋭角的だった雰囲気が僅かに緩んだ気がする。
見る人を圧倒するような威圧感は相変わらずだが、涙を拭う手は危害を加えようとする者のものではなさそうだ。
薄そうな笑みを湛えてベッドの端に腰かけた男は、包み込むような大きな手で英人の柔らかな髪を一度だけ撫でた。
「見知らぬ奴に付いて行くことが危険だと小学生だって知っていることだろう。危機感や猜疑心を持たないと痛い目にあう。少しは学習しろ」
そう言って男は羽根布団を英人の体に掛けると、立ち上がり寝室を出ていった。

両手はまだ繋がれたままだったが、身体を痛めつけられることを今はされないようだ。
男の姿が視界から消えたことで幾分の落ち着きを取り戻したが、目的がわからない以上、不安は募るばかりだった。
隣の部屋には男の気配がある。

しばらくすると男が戻ってきた。手には何かの書類らしき物を携えていた。男はまたベッドに腰かけた。
「これが何だか分かるだろう?」
そう言って見せられたのは、過去に英人が書いた絵だった。絵とはいっても、ある住宅メーカーが新しく着手する新興住宅街のイメージをイベントの一部として公募したときのもので、それには小学生のいたずら書きから、プロの書く本格的な図案まであったという。
幾点かは実際販売される土地にて、展示もされたようだ。
以前英人は、誰でも応募できるという気軽さから書き上げた作品だった。
緑の中にモダンな建物が並び、建築用のイメージ図というよりは絵画的な印象の方が強かった。

これを持っているということは、この社の人間なのだろうか…?
英人はコピーされた一枚の紙面から男へと視線を移動させた。
「…ど、いうこ…と…?」
恐怖に苛まれていた英人の声は掠れていた。

「この絵をうちの会社で進めるプロジェクトのイメージのひとつとして使いたい。勝手にビジネスに使えば訴えられかねないからな。再びおまえの手に戻すには本人からの申請が必要になる。それにあの会社からこの絵の存在を消してほしいんだ」
予想もしていなかった答えに、英人の頭はこんがらがっていた。少なくともこんな状態で切り出される話ではない。
意味が飲み込めずに答えに窮していると男は淡々とした口調で事情を説明し出した。

「目的はこれを応募した社とほとんど変わらない。うちでも住宅地の新規開拓は行っている。ただうちはこの絵をきちんとしたCMの中で使用したい。それに、他にも何点か描いてもらいたいんだ。
おまえのことを調べていた時に、おまえが以前勤めていた会社の得意先でかなり高い評価を受けていたと聞いた。新人ということで大した仕事はしていなかったらしいが、才能を見出していた所はあったようだな。学生の時に新聞広告で賞を取ったこともあるようだし、うちとしてはその実力を見てみたいんだよ。
俺は自分が目を付けたものを誰かに取られるのは嫌なんでね。
うちの会社からこの絵が出れば、おまえの名前は嫌でもこの業界に知れる。その時におまえがフリーだったらたちまち狙われることになる。こうやって誰にでもホイホイくっついて行くようなヤツだからな。知らない間に誓約書でも書かされていそうだから、その前にうちで契約をしてやるよ。それと正式に発表がされるまでおまえの存在は伏せておきたい。さっきも言ったようにしばらくはここに滞在していろ」

英人は男の言うことが全く理解できなかった。あまりにも非現実的な話に、脳が拒絶反応を起こしたかのようだった。
たった一つだけ思えたことがある。

…この男の正体って…?

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またまた妄想の世界です。現実と比較して考えないでください…(汗
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淋しい夜に泣く声 6
2009-09-08-Tue  CATEGORY: 淋しい夜
…飛んで火の入る夏の虫…。

確かに英人は、デザインに関わる道で生計を立てられたらいい…という願望があった。
英人のことを調べつくしたらしいこの男が、その願いまでもどこかで聞いていてもおかしくない。
男から告げられた内容は、まさに英人が喜んで受けたいと思うものだったが…。

大学を卒業して僅か1年足らずでこの世界の厳しさを教えられ、自分の考えが甘いものだったと知った。
景気の悪さもあったが、なかなか次の就職口を見つけられなかったのは、狭き門に集まる人の多さだ。経験や実力を積んだものが何よりも最重要視され、即戦力になる者が重宝される。
大した経験もなく、僅かな期間で臨んだ世界から追い出された英人にはチャンスなどなかなか巡ってくるものではない。

それをこの男は、小さい子供に飴玉を上げるように英人に告げてきたのだ。…仕事をやる、と。
しかも法外な金額をちらつかせ、他との交渉権を得ないように監禁までする…と。

身体を目的として誘われ、たどり着いた部屋で告げられる内容にしては出来過ぎているところがある。まるで夢かおとぎ話のようだと思った。
どれだけもっともらしいことを並べられても、危機感や猜疑心を持てと言われたばかりで、この男の言うことを信じる気にはなれなかった。
受けるということは、煌々と照らされた灯りの中に飛び込んでいく虫のような気がした。
ようやく放心したような頭を巡らせ、状況を理解した英人は、尚も消えない恐怖心を隠すこともせず、震える声を絞り出した。
「ア、 ンタの、本当の目的って…?」

男は再び薄い笑みを浮かべた。
「こんな体勢を取らされていたら、信じろって言っても無理だよな。抱いて欲しければ抱いてやるが、目的はあくまでもおまえの隠れた才能だよ」
「ならば、なんで、こんな…」
脅迫まがいのことをするのかと尋ねたかったのだが、部屋の呼び鈴を鳴らす音が聞こえて、英人の声は途切れた。
「さすがに早いな」
英人の問いなど、全く無視して、男は立ち上がった。

身体は羽根布団で隠されていたが、ベッドヘッドに繋がれたままの腕は晒されている。
威圧感を漂わせる男と共に入ってきたのは、紺色のスーツに身を包んだ細身の男だった。
電話口で話していたことを追えば、たぶん秘書なのだろう。ほっそりとした顔は穏やかさを湛えていたが、一瞬で物事を判断するかのような奥二重の瞳は、英人を捕らえるなり細められた。
気の毒に…と思うよりも、愉しんでいるといった風で、先程までそばにいた男よりも背筋を撫でられるような悪寒が一気に走りぬけた。

「また随分と無茶を…」
秘書と思われし人物のバリトンが部屋に響いた。
「『危険』という言葉を知らせてやったんだ。感謝ぐらいされたいもんだな」
「これこそ訴えられますよ」
「感じる身体に挿れるのは合意の上だろ」
「社長ご自身がおやりに?」
「べつにお前でもいい。ただその時は見学くらいさせてもらうがな」
「どちらでも。…それにしても…。写真で見るよりも格段に上物ですね」
「プロジェクトの方で使えなければ、写真でも映像でも金は取れそうだろ?」
「彼が聞いていますよ」
秘書は咎めるように『社長』と呼ばれた男の言葉を遮る。

悪魔同士が会話しているのかと思った。英人は嫌な汗が全身から噴き出すのを感じた。
与えられた仕事に失敗すれば、またこうやって足を開く世界に嫌でも連れ戻される。それも自分の意思とは関係なく…。
炎の中で燃え尽きる虫になるのだと、絶望のようなものが心に沸いた。

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淋しい夜に泣く声 7
2009-09-09-Wed  CATEGORY: 淋しい夜
「や…だ…」
蚊の鳴くような声が英人から漏れた。
一刻も早くこの状況から逃げ出したくて、掛けられた布団が肌蹴るほど大きく身体を動かすのだが、繋がれた手首はびくともしない。
これからどんな狂宴がはじまるのかと思えば、竦んだ身体は一ミリだって開かない気がした。

「そんなに暴れないで。痛い目には合わせませんから。まったく、社長が冗談ばかりおっしゃるから…。可哀想に。かなり怯えていますよ」
ベッドから距離を置いたところで、目を細めた秘書は、英人の肌蹴られた身体に視線を落とした。
困ったように笑う瞳は冷静に物事を見極めているようだ。
英人は自分の体を品定めされているような錯覚を覚えた。

…『可哀想に』?! そう思うんだったら、この手を外せよっ!!…

心の叫びは音となって喉から漏れることはなかった。喉はカラカラに乾き、じっとりとした汗が全身から噴き出す。
今にも壊れるのではないかというくらい、心臓はばくばくと音を立てて、押し付けられるような胸の痛みを覚えた。
高まる緊張感に、英人はこれまでの人生を幾度となく後悔をした。
飲食店のアルバイトだけでは家賃だってままならない生活…。『快楽』だけを求め、手軽な存在だった男たち…。自分の容姿をそれなりに理解していたから、誘われる度に身体と引き換えに金をもらった。
一端途切れたはずの涙が、ぷっくりと英人の瞳を覆い、あっという間に零れ落ちた。涙は濁流のごとく止まることがなかった。

「心配するな。悪いようにはしないと言っただろう。おまえが大人しくうちとの契約に応じればいいだけのことだ。おまえだってまともな生活が送れるようになる」
「もうお話されたんですか?…もっとも説得力のない口説き方ですね…」
涙に濡れる英人を案じるかのように社長は淡々と告げた。続いて溜め息まじりに社長を咎める秘書の声が聞こえた。

これまでされた話のどの部分が真実でどれが嘘なのか、精神的に疲労していた英人はまともな判断などできなかった。
悪戯に心も身体も弄ばれている気がして、どんどんと自分が惨めになっていくようだった。
近づいてきた男の大きな掌が再び英人の頬を撫でた。
「もう一度野崎から全ての説明をさせるから落ちつけ。こんなことをして悪かったと思っているが、これまでのおまえの行動はあまりにも無防備だったからな。よく今まで無事に過ごせてきたもんだ」
「…は、な…して…」
一瞬でも垣間見える優しさにすがりたかった。涙で掠れる声が届いたのかどうかもわからないくらいか細い声だった。
「少しは身持ちが堅くなったか?人の趣味嗜好にとやかく言う気はないが、うちのプロジェクトに関わる人間にもしものことがあっては困るんだよ。金だけ払って大した仕事もしてもらわないうちにその辺で死なれたらかなわないからな」

男の言葉は嫌でも身に染みてくる。
恐怖から解放されるような予感がして、英人はひたすら頷いた。

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淋しい夜に泣く声 8
2009-09-10-Thu  CATEGORY: 淋しい夜
ホテルの部屋は隅々まで行き届いていた。
幾種も並ぶ酒やナッツ、チョコレート、スナック。バスルームに備えてある備品も高級品ばかりだ。
何の不自由もなく過ごせるようにと、細かな配慮がいたるところまで施されている。
英人がこれまで暮らしてきた生活感とは大きく違うこの部屋に、本当に居ていいのだろうかという不安すら生まれる。

ベッドの上からは解放された。だが新しく待っていたのは、部屋から出ることを許されない『拘束』だった。

あの後、英人は手首を解かれることなく、秘書の野崎から全ての事情を聞かされた。
腕を繋がれたままだったのは、中途半端に聞かせた話を最後まで聞かずに逃げ出すのではないかと社長が懸念してのことだった。
『榛名グループ 榛名建設産業 代表取締役 榛名千城(はるな ちしろ)』
初めて見せられた名刺に英人のほうが竦んだ。
榛名グループと言えば、それこそ大昔から伝わる財閥系の会社で、手を広げている分野は一種に留まらない。
たぶん、息のかかっていない業界などないのではないかと思われる日本でも最大手の企業だった。
二重のぱっちりとした目が、これでもかと見開いた。
『社長』という単語は聞いてはいたが、まさかこれほど大規模なグループ内の取締役に彼ほどの若さで就いているとは思ってもいなかった。
最初、詐欺にでもあっているのかと思ったが、名刺に入れられた透かし模様が滅多に見ることのできないものだとは、さすがの英人でも知っていた。

「関連会社なんて腐るほどあるんだ。べつに全てを取り仕切っているわけではない」
感情の見えない能面のような顔で、彼は淡々と語ったけど…。

耳にした内容は、先刻聞かされたこととほとんど変わりはなかった。
英人の絵に惚れ込んだのは社長なのだと言う。英人が何気なく描いた絵は世間には見せられていない。
応募した住宅メーカーでさえ、販売物件を目的とした展示用のスペースにこの絵を飾ることはなかった。
たとえ敵対する会社でも、一部の裏は繋がっている。偶然見合わせた絵を世間に公表させなかったのは榛名の力だった。
それでも、現物を手に入れることは難しく、また今後の展開を考えても英人自身を手に入れるのが一番だと踏んだ榛名は徹底的に英人の身辺調査を行わせたらしい。

「3カ月後に今回のプロジェクトに関するプレゼンテーションが行われます。広報には絵のコピーが渡されていますが現物が無いのでは信用がありません。それに一度は他社に渡った作品と知られれば一層使用することを嫌がり、たとえ社長の意見でも通らないでしょう」
だから一刻も早く、他社にある絵の存在を消したいのだと、野崎は語った。そして、どこで繋がっているか分からない世界だからこそ、決定が下されるまで英人の名前は伏せたいのだとも告げられた。
「ご不便をおかけいたしますが、それに見合う対価はご用意させていただきます」
野崎はきっちりと頭を下げてから、この部屋を出ていった。

真っ白なパイル地のバスロープには、ホテルのロゴマークが刺繍されている。それに身を包み、茫然と先程まで繰り広げられていたことを夢の中のことではなかったのかと巡らせながら、リビングのソファで空中を眺めていた時、バスルームから出てきた男の視線と絡まった。
バスルームに入った時とは全く違う姿、雰囲気。威圧感などあったのだろうか?と思うくらい颯爽とした青年がそこにいた。
整髪料で撫で付けられていたはずの髪はサラサラと額に落ち、鋭かった瞳は穏やかさを含んだものに変わっている。
思わず、同一人物なのかと疑うほど、彼の印象は変わり果てていた。

「まだ起きていいたのか?疲れただろう。先に休め」
英人に投げかけられた言葉にも優しさが見え隠れしたが、見た目の印象が変わっても声の張りは同じで、この男は『榛名千城』なのだと思わされる。

急なことに別の部屋が取れなかったので今夜だけは同室になると告げられていた。
榛名は「野崎の所で寝てもいいんだが、あいつも仕事を溜め込んでいるからな」と、暗に仕事の妨げをしたくないと言われれば、頷かざるを得ない。

バスタオルで無造作に濡れた髪を吹きながら、デスクの上に積み重ねられた書類を確認する姿に、英人の心臓はドキンと高く鳴った。

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淋しい夜に泣く声 9
2009-09-11-Fri  CATEGORY: 淋しい夜
榛名に「先に寝ろ」と言われ、リビングにいても仕事の邪魔になるだけかと思えば、英人は促されるまま寝室に足を踏み入れた。
さっきまで縛り上げられ恐怖の中を漂った場所で眠りにつこうというのだから皮肉なものだ。
寝室に入って、当たり前のことに英人は気づいた。
ここにはどれだけ大きいとは言ってもベッドは一つしかない。
それは当然、榛名と一夜を共にするということで、仮に榛名が性行為の対象として英人を見ていないとしても躊躇いが生まれる。
英人はもう一度リビングに戻った。

再び英人がリビングに戻ったことで、デスクの端に腰を掛けて書類の束を手にしていた榛名は顔を上げた。
神経質そうな眉がスッと動いた。
「どうした?一人では眠れないのか?」
「そ、うじゃなくて…。俺があそこで寝ちゃったら、社長はどうするのかと思って…」
からかうかのような口調に、しどろもどろに答えれば、そんなこと…と一笑された。
「俺はここで寝るから気にしなくていい」
そういってそばのソファに視線を向ける。
いくらベッドの代わりになりそうだとはいっても、榛名の身長や体格を思えば安眠が取れるスペースとは言い難かった。
それと同時に、榛名は自分と共に寝る気などないのだと再確認させられる。これまで強請らなくても欲しいと思う快楽を与え続けられていた英人には『興味がない』と告げられているようでショックのほうが大きかった。
だからといって抱かれたいわけでもなかった。
自分に恐怖を与え続けた男に身体を許す気などなかったのだが、少しでも自分を求めてほしいという淋しい願望は渦巻いている。
全く正反対のことなのに、単純に自分に興味を持ってほしいという、子供のような感覚が英人を占めていた。自分は常に求められている…。そんな優越感がこれまでの英人を支えていた。
それをこの男はバッサリと切り捨ててくれた…。少なくとも英人を求めていない…という態度で。

「そう…」
まるで身体だけが自分の取り得と思うような英人に、榛名の態度が冷たく当たれば、自分には何の価値もないのだと思わされる。
おずおずと寝室に戻り、広い海のようなベッドに身体を横たえた。
美術家としての価値を見出されたのに、この満たされない感覚はなんなのだろう…。

眠りに付けずに、どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。
不意に寝室のドアが開けられ、オレンジ色の柔らかな灯りが飛び込んでくる。
クローゼットを開け、予備の毛布を取りだす榛名の姿が陰影を付けて視界に入った。
初めて出会った時にも感じた、吸い込まれるような顔の造り。しっかりとした体躯は見たものを威圧する。
引きこまれるかのように、英人は半身を上げた。

「…ねぇ…あそこじゃ、狭いんじゃないの…?」

突然上げられた声に、驚いた顔の榛名が振り返った。
「まだ、起きていたのか…?」

「…あ、寝られなくて…」
戸惑いがちに答える英人に、榛名はクスっと笑みを浮かべた。
「まだ何か心配が? 気に病むことはない。おまえのことは守ってやる。誹謗中傷はこちらで受けるから、好きなだけ自由な発想をしろ」
あくまでも絵に対する期待を込められるだけで、英人は言いようのない絶望感を覚えていた。
自分自身を認めていられるはずなのに、この男に対しての不満は募るばかりだ。
「そんなんじゃなくて…」
思わずついた言葉に、英人でさえ驚きがあった。この先に何を求めるというのだろうか…。

全てを悟ったような男が、手にしていた毛布を置くとベッドへと歩み寄り腰かけた。
「一緒に寝たいならはっきりとそう言え」

英人の柔らかな髪が撫でられる。核心をつかれたようで、英人の動きが止まった。

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