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BLの丘
ただそこにいて 48
2011-10-11-Tue  CATEGORY: ただそこにいて
R18 性描写があります。閲覧にはご注意ください。


上半身を露わにされて、首筋から鎖骨にかけて唇が這いまわる。吸い付かれてチクリとした痛みが走った。
体が熱くなるのは以前にも体験したことだ。
くすぐったさに身を捩ろうとしても圧し掛かれた体が大きくて身動きの一つもできない。
忙しなく走る指先が肌のあちこちを探る。
胸の尖りを抓まれて、下りた唇が吸い上げた。
「あっ、ぁあ…っ」
喘ぐ声の一つまで刺激になっていく。
片方を指で捏ねられ撫でられる。痛みを伴う行為に背筋がゾクゾクとしてくる。
だけど忙しすぎる行為は快感まで辿り着かない。慌てたのは俊輔の方だった。
伊佐の時に味わったような、ゆとりが持てないでいる。
伊佐はじっくりと俊輔の体を味わっている感があった。ゆっくりとじんわりと…、そんな言葉が似合う進め方だった。
どちらかといえば、『宥める』…。でも今の吉賀は『喰う』といった感じだ。
求められているのだと思える点では確かに嬉しいことなのに、落ち着きが持てないことに不安が宿る。
「よ、…よし、かっ!吉賀、待って…っ!」
ちゅうちゅうと吸われる蕾が痛くて気が削がれていくところもある。吸い付いてくる力が半端ない。
昂りかけたものが一遍に冷めていく緊張感が俊輔の焦りを深めた。
「何、俊輔?」
顔を上げた吉賀が不思議そうに俊輔を覗きこんでくる。雰囲気で進めたい勢いというのを押し留めているようで心苦しいものがあるが、止めたい気持ちの方が勝った。
さすがに前回のことがあるせいか…、吉賀には俊輔が告白したことで余裕ができたせいか、素直に動きを止めてくれる。
「俊?」
「ご、ごめん、ちょっと待って…」
「どうしたの?」
さすがに伊佐と違うから…とは言えない。
もじもじと下半身を揺らしながら落ち着きを取り戻そうとする。
籠った熱を失うのが怖かったのもある。このまま吉賀に任せて安心させたい気持ちがあるから、萎えた姿は見せたくなくて、たとえ少しでも余裕を持ちたかった。
そうすることで伊佐との関係を誤魔化したかったのかもしれない。

「ごめ…、ちょっと…、痛かった…」
もう少し緩やかな動きに変えてもらいたいことをどうやって伝えたらいいのか…。
浮かんだせめてもの一言はそんなことで…。
途端に吉賀が顔を歪ませた。
「ごめん。俺、夢中になりすぎてて…」
「気ぃ、削いだらごめん…」
お互い謝り続ける時間が過ぎる。首を振る俊輔に、もう一度撫でるように肌を味わってくれる吉賀。
これだったら最後まで吉賀を受け入れられるだろうと、内心で安堵の息をついた。
「そんなことない…。俊輔のこと、大事にするって言ったばっかりなのに…」
後悔を含んだ声が染み込んでくる。俊輔のことを思ってくれるのだという実感が体の奥から湧いた。
またもやくちづけられ、今度はじれったいくらいの甘さを含んで乳首の先端を舐められた。
唾液に濡れる尖端が空気に触れては疼くものを残していく。もう少し強くしてくれてもいいのに…。
我が儘な願いだったが、その差までは伝えることができない。

下肢の衣類を脱がされ、興奮の渦に巻かれた性器を握られると、びくりと俊輔の体が跳ねた。
体に感じる直接的な刺激と、想像という興奮ですでに濡れそぼっている。
これを一緒に扱かれ、気持ちいい思いができるのだという経験が俊輔の脳裏をかすめた。
しかし、吉賀が取った行動は、俊輔の両脚を割り開き、腰を上向きに上げさせるというものだった。
性器から零れた体液が秘孔に流れていたようで、空気に触れて冷やりとしたものが肌を撫でる。
「え?!吉賀っ?!」
思わず上がった抵抗にも似た声は、吉賀の中では『恥じらい』と捉えられていた。
今更止める気配はない。
狭い場所を求めて吉賀の舌が蠢く。襞の一つ一つを舐め、落とす唾液を注ぎ込むように舌先で広げられる。
それは決して気持ち悪いものではなかったけれど…。
いや、かぁぁぁっと体が火照るといったほうか…。
だけど次の瞬間、ツブッと差し込まれた指の異物感に全身が戦慄いた。
過去の痛みが一気に甦り、恐怖の底に落としていった。
昂った性器が瞬時に萎んでいく。脳裏を横切るもの…。

「やぁぁぁっ…っ!!」
「俊…?!」
「やだっ、やめて!やめて――っ!!」

それは、『発作』と呼ばれるものと同じだったのだろうか…。
「俊輔っ?!」
「やぁっ、だめっ、無理…っ!!」
逃げをうつ体の上から距離を置いた吉賀が呆然と俊輔を見つめていた。
裸を、全てを晒した状態から一転して、俊輔は体を丸めて枕元に逃げていた。
「俊…っ?」
「あぁぁぁぁ…っ」
零れた声は、吉賀を受け入れられないことを改めて知った情けなさだったのか、弱い心を見せてしまった嘆きなのか…。

触れてきた吉賀の手にすらビクッと反応を示す。
「俊輔…」
この状態がどういうことなのか、嫌でも知る吉賀なのだろう。
後悔を浮かべた表情は苦痛に歪んでいた。

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No title
コメントmiki | URL | 2011-10-11-Tue 02:36 [編集]
やっと想いが通じて幸せになれると思ったのに…。やはりトラウマは簡単には消えないのでしょうか(/_;)
でも、2人ならこれを乗り越えて幸せになれると信じてるので頑張れ!(^^)!
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-10-11-Tue 07:02 [編集]
miki様
おはようございます。

> やっと想いが通じて幸せになれると思ったのに…。やはりトラウマは簡単には消えないのでしょうか(/_;)
> でも、2人ならこれを乗り越えて幸せになれると信じてるので頑張れ!(^^)!

やっと通じた(゚∀゚)♪ …と思ったら道のりは平坦ではなかったですね…。
えぇ。気持ちは繋がったのでどうにかこうにか乗り越えていくと思います。
お互いに試行錯誤(?)して進んでいってくれたらいいですね~。
コメントありがとうございました。
No title
コメント甲斐 | URL | 2011-10-11-Tue 21:37 [編集]
吉賀くん、焦る気持ちもわかうけど
ここはひとつ焦らずゆっくりと、ですよ
伊佐先生に治療&開発(??まではいきませんね)してもらった俊輔くんですけど段階を踏んでいきましょう
っでいうか、お互いの思いが分かり合えたといっても
即刻コレって急ぎすぎだと思う
伊佐先生にとられていなかったってわかって、
それならと慌ててるみたいです
Re: No title
コメントたつみきえ | URL | 2011-10-12-Wed 07:16 [編集]
甲斐様
おはようございます。

> 吉賀くん、焦る気持ちもわかうけど
> ここはひとつ焦らずゆっくりと、ですよ
> 伊佐先生に治療&開発(??まではいきませんね)してもらった俊輔くんですけど段階を踏んでいきましょう
> っでいうか、お互いの思いが分かり合えたといっても
> 即刻コレって急ぎすぎだと思う
> 伊佐先生にとられていなかったってわかって、
> それならと慌ててるみたいです

まだちょっと早すぎましたね。
早く自分のものって思いたかったんでしょう。
伊佐の話を聞いた後でしたから、慌ててます。
俊輔もチューで煽られちゃったようなところがあるし。
伊佐が中途半端に気持ちいいことを教え込んだものだから~。
慌てず徐々に進まないとね。
コメントありがとうございました。
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